ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

  • NHK出版
3.88
  • (330)
  • (479)
  • (332)
  • (58)
  • (11)
本棚登録 : 5765
感想 : 465
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816585

作品紹介・あらすじ

新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるか。スタンフォード大学起業講義録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ピーター・ティールがスタンフォード大学で行った講義を基に構成された本書は、革新的な思考法と起業家精神についての洞察に満ちた一冊です。彼の主張は、単なる技術的進歩ではなく、ゼロから全く新しい価値を生み出すことが真のイノベーションであるというものです。

    本書は、ペイパルの創設者であり、テスラ・モーターズやスペースXなどの企業を支援する投資家でもあるティールの経験に基づいています。彼は、成功した企業は単に既存の市場に参入するのではなく、新たな市場を創造し、そこで独占的な地位を築くことが重要だと説いています。これは、競争よりも独占が好ましいという、従来のビジネス理論に対する挑戦的な視点です。

    ティールはまた、スタートアップが直面する困難や、成功への道のりで重要な要素についても語っています。彼のアプローチは、失敗を恐れずに大胆な賭けをすることの重要性を強調し、既成概念にとらわれず、自らの道を切り開く勇気を持つよう促しています。

    この書籍は、イノベーションとは何か、そしてそれをどのようにして達成するかについてのティールの独自の視点を提供しており、起業家だけでなく、新しい価値を生み出したいと考えるすべての人にとって価値ある読み物です。彼の教えは、読む者に対して、単に既存のものを改善するのではなく、全く新しいものを創造することの重要性を教えてくれます。

    私は、この書籍が提供する知識と、それを実生活に応用する可能性によって豊かになりました。本書の教えは、今後、行動するための推進力となるでしょう。

  • 【要約】
    著者の課題
    人類には奇跡を起こすテクノロジーを生み出せる力がある。テクノロジーはゼロを1にすることができる。今は過去の成果をコピーしてばかりで、水平にしか進歩しない。ビジネスに二度と同じ瞬間はない。

    解決方法
    ゼロから1を生み出す企業をどう立ち上げるかを教えるためにスタンフォードで教えている内容を本にまとめてより多くの人に知ってもらおうと思った。スタンフォードやシリコンバレーだけに独占させていいわけがない。

    内容
    ドットコムバブルの教訓によって、スタートアップには次のような戒律が生まれた。「少しずつ進める」「無駄なくリーンに」「ライバルの改良をする」「プロダクト重視」といったものだ。しかし、この逆を張るほうが遥かに進歩する。

    成功している企業は、競争ではなく独占している。Googleが検索市場で戦っているとすればYahoo!やBingと競争していることになる。しかしGoogleは独占していないと嘘をついているだけ。アルゴリズムで圧倒している。

    独占すればいいので、先行者(ファースト・ムーバー・アドバンテージ)にならずともで、終盤で勝てばいい(ラスト・ムーバー・アドバンテージ)。チェスで勝つために終盤を学ぶように。

    隠された真実を探すべきだ。「賛成する人がほとんどいない大切な真実は?」という問いに多くの人に答えられない。真実とは「重要だけど知られていない、難しいが実行可能な何か」。多くの人は探求心を失っているので発見しにくくなっている。

    もし、真実を見つけることができたらどうするか。
    ティールの法則と呼ばれており、実際にティールが投資する基準にもなっている。誰と始めるかが大事、フルタイムで働く、CEOの給与は15万ドル以下…。スタートアップのメンバーは同じパーカーをいるが、それぞれが別のミッションを担い責任を持つ。しかし目指すものは同じであり、これはマイルドなカルトだ。

    【まとめ】
    ティールは競争よりも独占を良しとしており、小さな市場を独占することから始める事が正しいと考えている。
    競い合う人たちの間には違いがあまりないということです。ライバルを気にすると、本質を見失う。
    ファーストムーバーアドバンテージという言葉があり、私たちは市場に初期に参入することで利用者を誰よりも早く囲い込むことが大事と考えるが、後から容易に模倣されるようではいけない。
    終盤を制するために何を考えるべきかが重要。
    本書の中では、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何か」という問いが繰り返し出てくる。
    その問いの答えを抽象的に表現すると、「重要だけど知られていない、難しいが実行可能な何か」です。それは定説(簡単)と解けない謎(不可能)の中間にあるもの。

    ①隠された真実を見つける
    これは競争の延長線上では見つけられないもので、今まで価値があることに気が付かなかったことに気づくということ。起業におけるいくつかのメソッドで、「競争」を意識しないことを考えるのであれば、格段に確度が高くなる気がします。

    ②隠された真実を形にする
    これだというものを見つけったら、将来キャッシュフローを生み出す構図を描くことが重要。さらに実現に向けては誰を同じバスに乗せるのか、マイルドなカルト創り出す。

    ③競争ではなく独占
    「ライバルはいない」と言えるようにする。

  • 競走をするな。
    独占を狙え。

    コピーをするな、新しいもの作れ。

    新鮮さと違和感をもって、新たに世界をみる。

  • 新規事業開発部門のマネージャーになるにあたり、参考に読んだ。
    自分自身が育児中の身であること、他のメンバーも企業内で働く身なのでスタートアップとはマインドやスタンスが異なることから、仕事に全精力をかけろというワーカホリックな点はアグリーできない。
    でも、世界を新鮮な目で見て新たな問いとその解決策を探す視点や、成功する起業にするために答えるべき7つの質問など参考にしていきたいと思う。

  • paypal創業者ピーター・ディールの本。イーロンマスクを含む創業チームの6人はpaypalマフィアと呼ばれ、後にそれぞれがYouTube、テスラ、リンクトインなど世界を変えるビジネスを立ち上げる。

    ・スタートアップとは、君が世界を変えられると君自身が説得できた人たちの集まり

    ・完全競争下では長期的に利益を出す企業は存在しない。新規参入企業がいると供給が増え価格が下がるから。

    ,永続的な価値を創造するには差別化のないコモディティ・ビジネスを行ってはならない。

    ・このビジネスは10年後も存続しているか?

    ・ネットワーク効果=利用者の数が増えるとより利便性が高まる。LINE、PayPayなど

    、スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定ユーザーが集中していながらライバルがいない市場。まず特定のニッチを支配し、次に周辺市場に拡大する。

    ・20人目の社員が入社したいと思う理由は何だろう?会社の使命、チームが唯一無二であること。

  • 帯:Make it new 起業家のバイブル

    要約:
    本書は成功の方程式ではなく、考える訓練を導いてくれる。大切な真実は未来を今創っていること。
    大切なことは特定のニッチを支配して、次の周辺市場を拡大すること。できる限り競争せず、独占すること。

    感想:
    生き方としてもビジネスの考え方としても自分のバイブルになる本である。人生はポートフォリオではないという言葉も印象的だ。
    隠れた真実とは必要なのになされていないこと。テスラが環境保全を意識したい富裕層向けにかっこいいEVを販売したように。
    ティールの法則
    誰と始めるかが最も重要な決断である。
    採用は会社の使命に興奮できる人を採用する。
    誰も解決しようと思わない問題こそ、一番取り組む価値がある。ニッチを見つけて小さな市場を支配しなければ、価値ある企業にはなれない。
    大切な要素
    1.エンジニアリング
    2.タイミング
    3.独占
    4.人材
    5.販売
    6.永続性
    7.隠れた真実

    自分の頭で考えること、インサイトを見極め、ニーズの高い課題に提供するサービスを作ること。
    短期的ではなく、長期的に見てより良い未来を創ること。
    常に心に刻み込む!

  • 2014年の本だからちょっとだけ古いけど、それでも学ぶところはあろうということで。
    今をときめくイーロン・マスクもこんな出自だったのかー、と。確かにビッグになれば叩かれるというのはその通りで、でもその人の出自ってあんま知らんかった。テスラのブランディングなんかは面白いし、実はx.comって自分の昔の会社だったのか!とか、ね。
    こういう本によくある哲学に走ったり意識高い系だったりな面もあるけど、著者も言っているように自身がオタクで、でもそこからのステップアップを目指すわけなので、それなりにささるところも多かった気がする。
    たまには頭も使わないとだしね。

  • 【未来をつくるものは争わない。】

    前書きを読んだらまず素晴らしかった。無知は私はこの著者が何者かを知らなかった。ペイパルの共同創設者であり、優れたエンジェル投資家であり、その他ビジネス界においてとても業績のある方。

    スタートアップ理論、みたいな形で実際の大学での講義をもとに書かれた本。私は特に起業やベンチャー企業への投資をしよう、と思っているわけでも何でもないけれど、誰にでもわかりやすく面白く描いて頂いているのはとてもありがたい。

    著者は、逆張りで取り組むことを勧める。まず、競争することを否定する。変化する社会においては、新しいアイデアで新しい市場を作ること、つまり独占は善となりうる。それこそが、スタートアップができること、つまり未来をつくること。ビジネス用語的には差別化、それなくして誰も勝たない、と。

    このゼロサムではない考え方、そして長期的に勝つために、目先の競争に加わらないことが大事、といっていたと思う。

    さらに公判では、あいまいな楽観主義について問題提起する。そのあいまいさは、たとえば、ポートフォリオを分散することで、どこかで辺りが出ればいい、といったリスク分散の考え方や、リーン・デザインで、少しずつ改善していってやっているうちにベストを作って行こうとする手法や、人々がお金を使ってできることよりも、お金自体に価値を見出している状況、などなど、の今日の主流に一石を投じる。

    そして成功者の話にもなり、人生はポートフォリオじゃない、ガチャじゃない、といった論を続ける。重要なのは何をするか。それを覚悟して明確な未来を描いて一つ一つ一つ取り組むか。(私は痛い。)

    そう、ビジネス界での勝ち組について書いている、ともいえるのかもしれない。

    先日読み終えた、人新世の資本論では、閉鎖的な技術を批判し、オープンな技術、経営の民主化、みたいなことを言っていた。一方この本は、ザ・資本主義でどう勝つか、でもあり、ビジネスとしては新しい希少性を全力で作り出すことをすすめているようにもとれる。もちろん、そのビジネスと技術の活用は人間を豊かにする、という前提がある。(マルクスら19世紀の思想家の明確なビジョンという点については肯定していた。)

    やっぱりビジネス界トップ人たちは一流の考え方をするのだろう、とただ思ってしまったりもするけれど、この視点はとても参考になった。ただ成り行きに任せて大きなことを達成する人はいない。それは絶対に忘れてはいけない、あいまいにしてはいけない、と思った。

  • 自分に子どもがいたら読ませたい本。
    なんでもできるんだ!!という情熱が湧いてくる。
    でも一度だけでは浸透しないから何回も繰り返し読みたい。

  • ピーター・ティールの本や講演は何度も読み返している。常に新たな気づきがある。

全465件中 1 - 10件を表示

ピーター・ティールの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×