ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816585

感想・レビュー・書評

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  •  難しいですね。非常に難しい本です。
     この星の数は、この本の評価というよりは「私がこの本をよく理解できなかった」という意味を表しています。

     理由はその構成に依拠する部分が大きいでしょう。
     何か統一的なテーマについて書かれたものというよりは、散文的で各章それぞれが独立的で脈絡がない感じ。ビジネス書というよりはビジネステーマのエッセイという印象。
     しかしそのモザイク模様を俯瞰すると何か統一的なテーマが見えなくもない(いや、そんなものはないのかもしれない)。

     私が感じたのは、著者は一部の巨大テックカンパニーが見せているような、圧倒的独占を肯定している。もっと正確に言うと、これらテックカンパニーの独占を可能ならしめた先進的で大胆な発想と投資を肯定している、ということ。各章はそれを様々な視点から表現、ないしは補完説明している印象があります。

     本書は一回読んで終わり、という類の書籍ではありませんね。
     自身のビジネスに対するチャレンジの節目節目に読み直すことで、その都度書かれている意味内容を把握する、そんな積み重ねが必要に感じました。

     別の言い方をすれば、ビジネスでチャレンジしない人間は本書をいつ読んでも同じ印象しか受けないでしょう。
     そういう意味で、本書はチャレンジし続ける人間への灯台のような存在なのかもしれません。

  • 企業について知ることができる一冊。
    一見企業に興味のない人には向かない本かと思いきや、意外と面白い。難しい内容も多いが世の中を理解するのに役立つ情報が多いように感じた。
    本を読んだ後には、世界を違う視点で見ることができそうだ。

  • より良い未来を作るのはテクノロジーである、水平的進歩であるグローバリゼーションではない。自動的に世界が思い描いた未来になるわけではなく、新たなテクノロジーを思い描き、それを創り出す必要がある。


    競争ではなく独占を。人々の生活に選択肢を増やすには、独占的な確信が必要である。模倣ではダメ

    ネットワーク効果を狙うなら、必ず小さな市場から始めなければならない。フェイスブックの最初の目的はハーバードの学生を加入させること。初期の市場が小さすぎて、チャンスがあるように見えない。どんなスタートアップも小さな市場から始めるべき

    重要なのはなにをするかであり、自分の得意なことにあくまでも集中すべき。その前にそれが将来価値を持つか真剣に考えるべき


    会社を立ち上げるべきか考える時に問うべき質問。自然が語らない真実は何か。人が語らない真実は何か

    一番初めにやるべきことを正しく行う


    どんなビジネスも答えを出すべき質問する
    ①エンジニアリング
    段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか
    ②タイミング
    このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか
    ③独占
    大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか
    ④人材
    正しいチーム作りができているか
    ⑤販売
    プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか
    ⑥永続性
    この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか
    ⑦隠れた真実
    他者が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか

  • 苦手な感じの書き方
    散文的で統一的な一つのテーマについて
    かかれたののと言うものではなく、
    複数のトピックスを紹介する形。


    競争は、生産性を下げる(利益が下がる)。
    独占を目指す。まずは、狭い範囲でよいので、独占から始める。独占こそ、利益の根源。
    Amazonは、本から初めて、小売店前部に展開した。

    「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」とは何かを考える。

    未来とは、世界が今とは違っていること。

    ドットコムバブルの教訓
    ・少しずつ段階的に前進する
    ・無駄なく柔軟:リーンスタートアップで、試行錯誤を続ける。壮大な計画を持たずに始める。
    ・機が熟さないうちに新市場を作らない。ライバルのものを改良する
    ・販売ではなく、真に価値のあるプロダクトを作ることに集中する

    でも、実際には、
    ・小さな違いにかけるよりも、大胆に賭ける
    ・計画はあったほうが良い
    ・競争の激しい市場では利益が消失する
    ・販売はプロダクトと同じぐらい大事。

    ベンチャーキャピタルは、
    大きく変える会社への投資のリターンが、
    そのほかのリターン前部よりも多い。
    そのため大きく当たる可能性のある会社に、
    絞って投資することになる。
    中途半場に、幅広く投資しても、
    リターンが悪いものでは不十分。

    競争はダメ、競争するぐらいなら、合併
    (ペイパルは、Xドットコムに売却)

    独占企業の特徴
    1.プロプライエタリテクノロジ
    ビジネスの核となるテクノロジーであり、
    2番手よりも10倍ぐらい違うもの。

    2.ネットワーク効果
    3、規模の経済
    4.ブランディング

    隠れた真実は、
    自然界の真実と、人間界の真実がある。

    創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップは戻せない。
    スタートアップの時こそ、人が大事。
    所有、経営、統治のバランス。
    利害を一致させる。金銭的なインセンティブではなく、ストックオプションにすることで、短期的利益ではなく、
    共通の目標にむかえる

    MBA的、官僚的な経営陣ではない。

    ・エンジニアリング
    段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術
    ・タイミング
    ・独占
     が取れる小さな市場で始める
    ・人材
    ・販売
    ・永続性
    この先10-20年生き残れるポジション
    ・隠れた真実
    他社が気づいていない独自のチャンスを見抜けているか。

    強豪と大きく違うどころか、だれもやっていないことをやる。その市場で独占する。
    どれが成功するかわからないから、幅広く投資するのではない。

    あいまいな楽観主義による小さな成功ではない。
    隠れた真実を見出し、それを具現化して、今と違う社会を作ること。

  • 起業について考えるときに、思い込みなどによる間違いから起こる不幸を避けるために必要な考え方について書かれています。著者の起業家、投資家としての実績に裏付けられた論は、しっかりとした確信に裏付けられています。全体的には、成功体験というよりも、失敗した事例が多く、リスクテイカーらしい内容かと思います。起業とまでは言わないが、新しいことを始めてそれを継続した成功に導いていきたいときに、その障害となるものについて知ることが力になると思います。そのひとつ、世間的な常識があるが、実際はその逆が真実であるという「隠された真実」の意味を知ることは、ビジネスにおける基本的な考え方として必要なものかと思いました。

  • 【感想】
    なんてゆうか、久しぶりに完全に理解することをギブアップした本でした。笑
    僕がバカだからなのか、途中からこの本は一体何を伝えたいのか殆どわからない。。。
    前にも「ピーターティール 世界を手にした反逆の起業家の野望」という本を読みましたが、それと同じくらい意味不明な内容でしたね。笑
    1つだけわかったことは、「こんな本を書けるピーターティールは変態だ!」という事くらいでしょうか。

    とまぁ、難読に苦しんだ1冊ですが、理解できた範囲でReviewを書きます。
    何と言っても主題は、タイトルにもある「Zero to One」に終始するのでしょう。

    「Zero to One」というと、「今までにない新しいテクノロジーを生み出す事かな?」と思ったのですが、詳細は少し異なるようです。
    「新しいテクノロジーを生み出す」という点は正解ですが、ただそれが「既存の市場で新しい製品を作り出す」のではなく、「新しい市場自体を創り出す」といったところが肝。
    要するに、無駄な競争をはじめからしないで済むように、「新しく創出したブルーオーシャンを、圧倒的に独占・拡大しろ!!」という意味のようです。
    確かにゼロサムゲームになってしまうと結局は価格競争・値引き合戦になってしまい、負のスパイラルを生み出しますもんね。

    ただ、だからといって新しい市場にチャレンジしても成功しなかったり、そもそもニッチな市場のまま終わってしまうリスクもあるわけで・・・
    新しい何かを生み出すって本当に大変ですよね。

    イノベーション能力の乏しいイチ会社員の僕にとっては、些か高尚すぎる内容の1冊でした。
    起業を考えている人が読んだら参考になるかもしれませんね♪


    【内容まとめ】
    0.独占しろ、競争するな。
    競争は負のスパイラル(値下げなど)を生み出し疲弊するだけ・・・
    小さな市場を圧倒的に独占し、もしくは新しい市場を開拓・独占し、独占⇒拡大を続ける事で「ゼロサムゲーム」から抜け出す!

    1.Zero to One
    新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。同じやり方で繰り返せば、1がnになる。
    だけど、新しい何かを生み出せば、ゼロが1になる。この新しいものを生み出すという難事業に投資しなければ、アメリカ企業に未来はない!

    2.グローバリゼーション(水平的進歩) <<<< テクノロジー(垂直的進化、ZERO to ONE)
    これまで富を創造してきた古い手法を世界中に広めたところで、生まれるのは富ではなく破壊だ。
    資源の限られたこの世界で、新たなテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能である。

    だが・・・前世紀半ばから劇的に進化したのはコンピュータと通信くらいで、僕らの環境は驚くほど祖父や親世代とは変わっていない。

    3.ピーター・ティールの逆の原則
    ・小さな違いを追いかけるより大胆に賭ける。(>>>:少しずつ段階的に前進すること。)
    ・出来の悪い計画でも、ないよりはいい。(>>>:計画性に捉われず、無駄なく柔軟・フレキシブルであること。)
    ・競争の激しい市場では収益が消失する。(>>>:機が熟さないうちに新しい市場を創らず、既存顧客のいる市場から始める)
    ・販売はプロダクトと同じくらい大切だ。(>>>:販売ではなくプロダクトに集中すること。)



    【引用】
    ピーター・ティール
    ・投資家
    ・世界最大のオンライン決済システム「ペイパル」の共同創業者
    ・エンジェル投資家(ごく初期のベンチャー企業に投資する)のヘッドファンドマネージャー
    ・Facebookの最初の外部投資家
    ・「ペイパルマフィア」のドン


    p19
    新しい何かを作るより、在るものをコピーする方が簡単だ。同じやり方で繰り返せば、1がnになる。
    だけど、新しい何かを生み出せば、ゼロが1になる。この新しいものを生み出すという難事業に投資しなければ、アメリカ企業に未来はない!


    p27★
    ・ほとんどの人はグローバリゼーション(水平的進歩)が世界の未来を左右すると思っているが、実はテクノロジー(垂直的進化、ZERO to ONE)の方が遥かに重要だ。
    これまで富を創造してきた古い手法を世界中に広めれば、生まれるのは富ではなく破壊だ。
    資源の限られたこの世界で、新たなテクノロジーなきグローバリゼーションは持続不可能である。

    前世紀半ばから劇的に進化したのはコンピュータと通信くらいで、僕らの環境は驚くほど祖父や親世代とは変わっていない。
    21世紀をこれまでより平和な繁栄の時代にしてくれる新たなテクノロジーを創造することが、僕らに与えられた挑戦なのだ。


    p28
    新しいテクノロジーを生み出すのは、大体ベンチャー企業、つまりスタートアップだ。
    大組織の中では動きが遅く、既得権者はリスクを避けたがる。対極にいる孤独な天才は、ひとつの産業を丸ごと創造するまではできない。


    p35
    ・ドットコムバブル(1998年9月~2000年3月)
    まず背景にあったのは、インターネット以外に頼る場所のない世界だったということ。
    ロシアが通貨を切り下げ国債をデフォルトしてルーブル危機につながり、ヨーロッパのユーロ発足には疑いと反感が根強かった。
    アメリカは消去法として、インターネットによるニューエコノミーに頼るしか道はなかった。

    ドットコムバブルは強烈かつ短命に終わる。わずか18ヶ月の狂騒であった。
    毎週数十社ものスタートアップが競い合うように派手なローンチ(立ち上げ)パーティーを開いて、ペーパー億万長者は大盤振る舞いで飲み食いを重ね、そのツケをスタートアップの株式で支払おうとした。


    p40
    ・ドットコムバブル崩壊から学んだ4つの大きな教訓=スタートアップ界の戒律。
    1.少しずつ段階的に前進すること。
    →自分に酔わず、大口を叩かない。世界を変えたいなら謙虚であり、また小さく段階的な歩みだけが安全で正確な道だ。

    2.無駄なく柔軟であること。
    →ビジネスの先行きは誰にも分からない。計画を立てるのは傲慢であり、計画性に欠ける。試行錯誤を繰り返してフレキシブルに対応すること。

    3.ライバルのものを改良すること。
    →機が熟さないうちに新しい市場を創ろうとしてはならない。既存顧客のいる市場から始めること。

    4.販売ではなくプロダクトに集中すること。
    →テクノロジーは製品開発にこそ活かされるべき。販売のために広告や営業が必要だとしたら、プロダクトに問題がある。


    しかし、むしろ正しいのは、それと逆の原則だ!!
    1.小さな違いを追いかけるより大胆に賭ける。(>>>:少しずつ段階的に前進すること。)
    2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい。
    3.競争の激しい市場では収益が消失する。
    4.販売はプロダクトと同じくらい大切だ。


    p45
    ・永続的価値を創造して取り組むためには、差別化のないコモディティ(必需品、日用品)ビジネスを行なってはならない。
    「完全競争」が理想的なデフォルト状態とされているが、実際は資本主義と競争は対極にある。
    資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つのに、完全競争下ではすべての収益が消滅する。


    p58
    ・イデオロギー(思想)としての競争
    クリエイティブな独占環境では、社会に役立つ新製品が開発され、クリエイターに持続的な利益がもたらされる。
    競争環境では、誰も得をせず、大した差別化も生まれず、皆が生き残りに苦しむことになる。
    それなら、なぜ人は競争を健全だと思い込んでいるのだろう?

    それは、「競争とはイデオロギーである」からだ。
    社会に浸透し、僕たちの思考を歪めているのが、まさにこのイデオロギーだ。
    僕たちは競争を説き、その必要性を正当化し、教義を実践する。その結果、自身も競争の中に捕われる。


    p64
    今日のシリコンバレーで人付き合いの極端に苦手なアスペルガー気味の人間が有利に見えるのは、ひとつにこうした模倣競争が不毛だからだろう。
    空気を読めない人間は、周囲と同じことをしようと思わない。
    物づくりやプログラミングの好きな人は、一人淡々とそれに熱中し、卓越した技能を自然に身につける。そして自分の信念を曲げない。
    だから、分かりやすい成功につられて周囲の大勢との競争に捕われることもない。


    p75
    ・プロプライエタリ テクノロジー
    ビジネスの1番根本的な優位性。
    ビジネスの核となるサービスが、他社のそれと少なくとも10倍は優れているかどうか?それ以下ではそこそこの優位性としか見なされず、甲乙つけがたい。
    10倍優れたものを作るには、全く新しい何かを発明すること。何もなかったところで価値あるものを作れば、価値の増加は無限大となる。


    p90
    ・人生は宝クジじゃない。
    「浅はかな人間は運を信じ、流れを信じる。強い人間は因果関係を信じる」

    幸運とは自らが引き寄せ、支配し、操るとのとされてきた。自分ができることを行い、できないことに目を向けるべきではないと考えるのが当たり前だった。


    p109
    曖昧な楽観主義はそれ自体矛盾している。誰も計画を持たないのに、どうして未来が良くなると言えるのだろう?


    p127
    たとえ君が非凡な才能を持っていたとしても、必ずしも起業がベストとは限らない。今は起業する人が多すぎる。
    「べき乗則」を理解している人なら、ベンチャーを立ち上げることに躊躇するはずだ。成長著しい超優良企業に入社すれば、破格の成功をローリスクで手に入れる事が可能だからだ。

    あえて起業するなら、必ず「べき乗則」を心に留めて経営しなければならない。
    1番大切なのは、「ひとつのものが他のすべてに勝る」パレートの法則だ。

  • 「従来の古いビジネスモデルを今の時代に合わせるということが未来へつながるだろうか。成功例をコピーすると水平的進歩に頼りがちだ」
    大きな成功というのは、時として時代や生活様式を一変させる。だからこそ、過去のやり方が通用しない世の中となる

  • 思考の指針として、「誰も気づいていない/常識の裏側にある隠れた真実」に目を向ける、というのが本書の一貫したテーマ。
    著者の意図としては「これから起業する人への指南書」というのが正だろうが、起業をするつもりが今の所ない自分にしたら、別の視点で見た方がいいかもしれない。
    後半の販売云々のところとかはともかく、「隠れた真実」を考えるというのは、別に起業をしないにしても役立つ思考法だと思う。それこそ、DevOpsでこれまで当たり前だと思ってやってたことを、「本当に解決すべき問題は何?」という風に考え直すこともそれに当てはまるはずだ。
    しかしながら、今の自分からしたら、「面白い話ではあるけどめちゃくちゃ刺さるってわけでもない」というのが正直な感想。起業をするとなったら読み直したい一冊。

  • ひたすら競争するなって言ってた

  • 新ビジネスが成功するには何が必要か、を改めて整理する機会になりました。「どんなに重要な産業でも参入するだけでは偉大な企業にはなれない。具体的な問題への優れたソリューションを提供できなければお金にはならない。」

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