ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816585

感想・レビュー・書評

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  • 新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書いた本

    【本書で心に残った一文】
    偉大な企業は,目の前にあるのに誰も気づかない世の中の真実を土台に築かれる.

    隠れた真実の存在を信じ,探していきたいと思った.

  • 全く新しい企業をどう立ち上げるかが書かれた本

  •  企業のお勉強。

     シリコンバレーに居残った起業家は、ドットコム・バブルの崩壊から四つの大きな教訓を学んだ。それがいまだにビジネスを考える時の大前提となっている。

    1 少しずつ段階的に前進すること
     壮大なビジョンがバブルを膨張させた。だから、自分に酔ってはいけない。大口を叩く人間は怪しいし、世界を変えたいなら謙虚でなければならない。小さく段階的な歩みだけが、安全な道だ。

    2 無駄なく柔軟であること
     すべての企業は「リーン」でなければならず、それはすなわち 「計画しない」ことである。ビジネスの先行きは誰にもわからない。計画を立てるのは傲慢であり、柔軟性に欠ける。むしろ、試行錯誤を繰り返し、先の見えない実験として起業を扱うべきだ。

    3 ライバルのものを改良すること
     機が熟さないうちに新しい市場を創ろうとしてはならない。本当に商売になるかどうかを知るには、既存顧客のいる市場から始めるしかない。つまり成功しているライバルの人気商品を改良することから始めるべきだ。

    4 販売ではなくプロダクトに集中すること
     販売のために広告や営業が必要だとしたら、プロダクトに問題がある。テクノロジーは製品開発にこそ活かされるべきで、販売は二の次でいい。バブル時代の広告は明らかな浪費だった。バイラルな成長だけが持続可能なのだ。

     これらの教訓は、スタートアップ界の戒律となった。それを無視すると、二○○○年のハイテク・バブルの二の舞になると考えられている。でも、むしろ正しいのは、それとは逆の原則だ

    1 小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
    2 出来の悪い計画でも、ないよりはいい
    3 競争の激しい市場では収益が消失する
    4 販売はプロダクトと同じくらい大切だ

    ■独占企業の特徴
    1 プロプライエタリ・テクノロジー
    2 ネットワーク効果
    3 規模の経済
    4 ブランディング

    ■独占を築く
    小さく始めて独占する
     どんなスタートアップもはじまりは小さい。どんな独占企業も市場の大部分を支配している。だから、どんなスタートアップも非常に市場から始めるべきだ。失敗するなら、小さすぎて失敗する方がいい。理由は単純だ。大きな市場よりも小さな市場の方が支配しやすいからだ。最初の市場が大きすぎるかもしれないと感じたら、間違いなく大きいと思った方がいい。

     企業は、人々が創業者を必要としていることを自覚しなければならない。だから、創業者の偏屈さや極端さにもっと寛容になるべきだ。単なる漸進主義を超えて会社を導くことのできる非凡な人物を、僕たちは必要としている。

  • 現代の思い違いは、資本主義=競争社会ということ。これは正解ではなく実際は資本主義≠競争社会。
    きちんと差異を押し出せれば資本主義においてもきちんとしたポジションを獲得できるし、無理に競争する必要もない。むしろ競争は資本主義において誰も幸せにならない道である。
    差異こそが価値であり、既存のものを安くすることでシェアを獲得するのではなく、既存の10倍以上の改善をしてその領域を独占しようとすることが資本主義で生き抜く方法であり、そのためには過度な競争は避ける。

    差異を生み出し独自性を押し出すためには以下の7つの質問に正確に答えられるようにならねばならない。
    1.エンジニアリング(技術は十分か)
    2.タイミング(今がタイミングとして適切か)
    3.独占(小さな市場から大きな市場へと段階を踏んでいるか)
    4.人材(チーム作りは適切か)
    5.販売(プロダクトを届ける方法は確立しているか)
    6.永続性(将来生き残れるポジショニングは取れているか)
    7.隠れた真実(他が気づいていない独自のチャンスを見つけているか)
    これは起業に限らず、自分というブランドを確立するうえでも重要な質問となるだろうし、これらにきちんと答えられるよう、近いうちにしっかり考える必要がある。

  • No.1 (2021) 残り49

    PayPalマフィア、裏の支配者と言われるピーターティール。

    本当の顔は純粋までの合理主義者。
    逆張りの傾奇者かと思われていたが、実体は非常にに合理的で、物事の因果関係をしっかり把握している希代の投資家。

    スモールスタートでも構わないが、誰もいない真っ青なブルーオーシャンで事業をスタートするべき。
    競争は疲弊する要因であり、圧倒的な技術は強固な独占と差別化を生む。
    それにはフォロワーより10倍優れた技術を保持し、それをしっかり営業できる事業戦略を持ち合わせる。

    それらのステップを踏むことでべき乗法則に則った成長企業が生まれる。

    言うほど簡単ではないなぁーが所感。


    ただ今までの経済学の基本から違う切り口での企業成長の考え方を学べて参考になった。

  • 終盤を学んで未来を読む

  • 翻訳が上手いのか、とても読みやすく、かつ、刺激的な語り口だ。
    ・グローバリゼーションは水平的拡張的進歩だが、成功例のコピーをしているに過ぎない。求められているのは垂直的集中的進歩。それはテクノロジー、物事への新しい取り組み方を含む。
    ・そして、テクノロジーを生み出すのは、ベンチャー企業だ。
    ・競走するのでなく、独占できるニッチな市場を見つける。
    ・市場設定は難しいが、ないがしろにしてはダメ。
    ・差別化のないコモディティビジネスは競争になるので、絶対に行ってはダメ。
    ・短期的な成長を優先させてはダメ、10年後も自分のビジネスが残っているか、常に自問しなければならない。
    ・営業と販売は大事。一流の営業マンは売り込みだとわからせない。
    ・どんなビジネスも7つの質問にしっかり答えられなければ永続しない。
    ①エンジニアリング、②タイミング、③独占、④人材。⑤販売、⑥永続性、⑦隠れた真実

  • 内容が全然入ってこなかった( p′︵‵。)

  • リーンではなくムーンショット

    ■概要
    リーンスタートアップやアジャイル自体は重要だとだが、失敗から学ぶその失敗が許されない人向け。起業自体はリーンスタートアップ(MVP→検証→改善)で良いかもしれないが、それで0→1は生み出せない。世の中は変えられない。

    ・競走、競走に走りがち
     独占こそイノベーションの源泉
    ・ディスラプターという言葉に踊りすぎ
    ・べき乗則を理解する(20:80)
    - 分散、ポートフォリオというが人生は分散できない
    - 自分が賭けられる何かを見つけよ
    - その何かは1つで残りの全てを上回る

    ■所感
    経済学的要素も多く、"そもそも思考"である。
    冒頭部分を読む限りでは常識を否定するスタンスの割にHowのところが当たり前な内容。
    (秘匿技術、ネットワーク、規模の経済など)
    計画も重視しているし、提案内容に失敗の許されない戦略コンサルタントが読んでも良いかもしれない。

  • 一般的には良書なんだろうが、わたしには難しすぎた

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