死者の国 (ハヤカワ・ミステリ 1944)

  • 早川書房
3.96
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本棚登録 : 189
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (773ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019440

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃ面白かったですよ。
    エログロがとんでもなく多いし、こんな分厚くしといて伏線全部回収出来るの?とおもったらまぁすごいったりゃありゃしない。
    話の内容としては進撃の巨人に似てるね。
    憎んでた敵は同族ってね。
    なんかもう動機やらなんやらまで完璧じゃないかなぁ。
    あー凄かったって久しぶりに思った作品だった。

  • 長かった…。信頼すべき複数の書評家が取り上げていたので、暑さにも怯まず辛抱強く読み進めたのだが…。パリ警視庁犯罪捜査課コルソ課長の犯罪者を憎み正義を追求する姿勢や個性豊かな部下たちを鼓舞し叱咤しながらチームで操作を進めるやり方もみりょくてきではあるのだが。捜査が右往左往する中でなかなか真実に近づくことができず、最後に死んだ犯人からの手紙ですべてがあきさなにされるなんて、二時間ドラマ的すぎるよ。

  •  ポケットミステリーなのに非常に重いです。もはやポケットには入りません。。。 本編は765項もあります。ポケミス史上最長項と思います。果たして読み切れるのでしょうか…

     事件はパリのゴミ処理場に全裸の死体で口が耳まで裂かれその開口部に大きな石が詰め込まれて居た。被害者はストリッパーのソフィー・セレ。パリ警視庁コルソ警視は捜査を命じられた。

     コルソは目下妻エミリアとの離婚訴訟を抱えて居り一人息子のタデの親権が欲しいコルソは弁護士からの指示で裁判に有利になる様にメディアで話題になっているストリッパーの残虐な事件を解決する必要に迫られた。

     暗い青年時代の過去と異常な性癖を持つコルソはその憂さを晴らすかの様に容疑者に冷徹な暴力を厭わない荒れた一面が有った。

     次の事件は、殺されたソフィー・セレと同じ店のストリッパーエレーナ・デスモラで殺害方法はソフィーと同一手口だ。しかもソフィー同様にエレーナも偏執的性嗜好があり、またソフィーと同じ施設で育ち親友だった。
    コルソはソフィー、エレーナの両方と付き合っていた殺人罪の前科がある画家ソビエスキを容疑者として徹底した捜査をチームの4人と共に行う。

     今度はイギリスで麻薬密売人が同様の手口で殺された。殺害時にソビエスキはイギリスに居り、パリのアトリエでも物証が出て逮捕される事となったが、裁判でアリバイや第三者に陥れられたと辣腕弁護士が明らかにする。

     長い物語でしたがテンポが良く、章の繋がりがスムーズでストーリーに引き込まれ難なく読み終えました。作中にはパリ市内の背景が思い浮かぶ様なシーンや主役のコルソをはじめチームや上司の個性も十二分に伝わり楽しめました。やはり流石ジャンクリストフ・グランジェと改めてファンになりました。

  • 前回読んだ追跡者と同じくらい分厚い本だった。
    今回は緊縛やら不思議なプレイやら、フランスってそういうのはマイナーな感じじゃないのかな、さすがアムールの国っていうのがいちばんの感想。

    内容は最後の犯人が驚いた。素敵なパリジェンヌの描写だったから、すっかり味方なんだと。

    前回のほど夢中にはならなかったけど、読み応えがあって楽しめる。しかも、分厚いだけに、長く楽しめる作品なのがよい。

  • 2段組で760ページ!
    読む前に圧倒されるボリュームだが、読み始めると引き込まれる。
    オープニングは猟奇的な殺人事件でサイコ的な味付けが強いが、容疑者が浮き上がってからの話しの展開が上手い。そのたびに話の風景まで変わっていく。

    「セブン」のようなサイコ犯と刑事の追いつ追われつの闘いかと思えば、法廷モノに姿を変え、そこからは贋作犯の話しになりつつ…。

    話しが起承転結と動くたびに形を変えながら、最後にタイトル「死者の国」に繋がる余韻が残るラストまで、プロット展開の巧さは見事の一言。
    登場する異形のキャラも濃厚で、そこに展開される個々のドラマの味付けも強烈だし、映画や美術、文学に対する作者の造詣の深さもあって散りばめられたガジェットの数も多い。

    プロットの巧さ、しっかりとしたキャラ立ちゆえに、グランジェの作品は映像化向きではあるが、この作品はこのままでは映画化は無理だろうから、大人向けのテレビシリーズにしてほしい。

  • あまりにも合わなくて何度も挫折しかかった。真相知りたくて最後まで頑張ったが、それなりに驚いたけどこんな長い必要あるのか。あととにかく主人公が好きになれなくてびっくり。捜査官として無能で勘だけで行動し、大事なことは全部部下にやってもらう(この女性部下が超優秀)。変わった性癖がある自分を棚に上げて過激な性癖の妻を糾弾し、一方で自分の思い通りになって文句も言わない恋人は、名前さえ呼ばずに都合良く利用するだけ。緊縛とか過激なポルノとか必要な要素だったのか。全く面白くなくてがっかりだった。

  • 中盤にさしかかってからの二転三転によって大いに揺さぶられ、最後まで楽しく読みました。同じ作者の本で未読の物が少しあるので手を伸ばそうと思います。

  • 作中のグロいシーンにはなかなか馴染めなかったが、大好きな街が舞台であるという事と、何より勢いのある文章が最後まで読ませてくれた。いつもは犯人を探し探し読むのだが、この作品は複雑な構成すぎて思わぬ黒幕にやられた感が凄かった。

  • 765ページがあっという間。特に第3部。フランスだね。

  • 煉瓦である。
    早川書房があまりに煉瓦レンガ言うので、
    https://www.hayakawabooks.com/n/n31ef5d7d4561
    内容そっちのけで手にしてしまった。

    厚さ3.5センチ、重さ550グラム。
    重ねれば赤い壁の出来る、まさしく煉瓦である。
    https://twitter.com/hayakawashobo/status/1134014586556837888

    今や、分厚い本を読むというのは、それだけでステイタスなのだ。
    それだけの時間と、根気と、理解力、想像力etc.の要素を必要とする。
    それだけのものを持ち得る人が、今の世にどれだけいるだろう?

    ハヤカワ・ポケット・ミステリは、装幀が凝っている。
    題字の映える連続模様、選ばれし文言による帯、
    丁寧にかけられたビニールカバー、
    なにより、小口のこの黄色。
    焼け、変色防止のためにあるこの黄色は、なんと手塗りだという。

    想像してみよう。

    電車の中で、カフェの席で、公園のベンチで、待ち合わせの場所で、
    鞄からこの本をーー凝った装丁の美しく分厚い本を取り出して、
    何気ない読み慣れた風で読み進める様を。

    目的地に着いた時、待っていた相手がきた時、
    ふと顔を上げて、ページにしおりを挟む様を。

    かっこいいではないか!

    その為だけに、この550グラムの煉瓦を持ち歩く価値がある。

    765ページのこの大作は、無駄に引き延ばされたものではない。
    例えば「これは、なんだ!」と主人公が言い、そこで章が終わるとき、次の章はたいてい「その頃脇役Aは・・・」であって、読者が主人公の驚きの理由を知るのはずいぶん後になる。
    それも読者をハラハラさせるには効果的な演出である。

    ところがこの『死者の国』にはそれがない。
    章改まって間もなく、どうかすると3行目には、読者は理由を知ることができる。
    引き延ばし演出がなくとも、充分、読者をハラハラヒヤヒヤドキドキさせる物語なのだ。

    読みながらつくづく感じ入ったのは、フランスだなあということだ。
    「愛(アムール)の国」と謳われるが、生半可な愛ではない。
    物語のすべてから、恋情、肉欲、性愛が溢れ、迫ってくる。

    帯にある「グラン・ギニョール」とは、19世紀末から20 世紀半ばまであった、見世物小屋の怪奇芝居である。
    登場人物は浮浪者、孤児、娼婦、そして殺人嗜好者といった面々で、客席で何人が失神したかが、出し物の成功を計る目安になったのだそうだ。

    『死者の国』はたしかに今様グラン・ギニョールだ。
    頁を紐解き、主人公ステファン・コルソとともに、
    地下三階の劇場に脚を踏み入れよう。

    いきなり550グラムはどうも・・・という方にはこちら。無料で100頁ほど試し読みができる。
    https://bookwalker.jp/series/207731/

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