死者の国 (ハヤカワ・ミステリ 1944)

  • 早川書房
3.96
  • (19)
  • (13)
  • (11)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 189
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (773ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019440

作品紹介・あらすじ

パリ警視庁警視のコルソは、ストリッパー連続殺人事件の捜査を進めていた。猟奇的で陰惨な事件の背後に見え隠れする白スーツの男に導かれ、コルソは社会の、そして自身の抱える暗部と向きあうことになる。フレンチ・サスペンスの巨匠グランジェが放つ最新刊!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読み応えがあった。
    フランスらしいなと思う描写も。

  • ペーパーバックのような分厚さ、読むの手が疲れるけれど夢中になって読んでしまった。
    美術系にSMとかグロい系あり。途中で意味不明なアクション?ありで、そこはいらなかったようにも思うけど、最初からは全く想像のできない最後だった。
    人ってそんなに出自にこだわる?と思いつつ、ヨーロッパは特にいろんな民族が入り乱れているからこそすごく気になるのかなと感じた。
    フランスで人気の作家との事なので、他の作品も是非読んでみたい。

  • めちゃくちゃ面白かったですよ。
    エログロがとんでもなく多いし、こんな分厚くしといて伏線全部回収出来るの?とおもったらまぁすごいったりゃありゃしない。
    話の内容としては進撃の巨人に似てるね。
    憎んでた敵は同族ってね。
    なんかもう動機やらなんやらまで完璧じゃないかなぁ。
    あー凄かったって久しぶりに思った作品だった。

  • 長かった…。信頼すべき複数の書評家が取り上げていたので、暑さにも怯まず辛抱強く読み進めたのだが…。パリ警視庁犯罪捜査課コルソ課長の犯罪者を憎み正義を追求する姿勢や個性豊かな部下たちを鼓舞し叱咤しながらチームで操作を進めるやり方もみりょくてきではあるのだが。捜査が右往左往する中でなかなか真実に近づくことができず、最後に死んだ犯人からの手紙ですべてがあきさなにされるなんて、二時間ドラマ的すぎるよ。

  •  ポケットミステリーなのに非常に重いです。もはやポケットには入りません。。。 本編は765項もあります。ポケミス史上最長項と思います。果たして読み切れるのでしょうか…

     事件はパリのゴミ処理場に全裸の死体で口が耳まで裂かれその開口部に大きな石が詰め込まれて居た。被害者はストリッパーのソフィー・セレ。パリ警視庁コルソ警視は捜査を命じられた。

     コルソは目下妻エミリアとの離婚訴訟を抱えて居り一人息子のタデの親権が欲しいコルソは弁護士からの指示で裁判に有利になる様にメディアで話題になっているストリッパーの残虐な事件を解決する必要に迫られた。

     暗い青年時代の過去と異常な性癖を持つコルソはその憂さを晴らすかの様に容疑者に冷徹な暴力を厭わない荒れた一面が有った。

     次の事件は、殺されたソフィー・セレと同じ店のストリッパーエレーナ・デスモラで殺害方法はソフィーと同一手口だ。しかもソフィー同様にエレーナも偏執的性嗜好があり、またソフィーと同じ施設で育ち親友だった。
    コルソはソフィー、エレーナの両方と付き合っていた殺人罪の前科がある画家ソビエスキを容疑者として徹底した捜査をチームの4人と共に行う。

     今度はイギリスで麻薬密売人が同様の手口で殺された。殺害時にソビエスキはイギリスに居り、パリのアトリエでも物証が出て逮捕される事となったが、裁判でアリバイや第三者に陥れられたと辣腕弁護士が明らかにする。

     長い物語でしたがテンポが良く、章の繋がりがスムーズでストーリーに引き込まれ難なく読み終えました。作中にはパリ市内の背景が思い浮かぶ様なシーンや主役のコルソをはじめチームや上司の個性も十二分に伝わり楽しめました。やはり流石ジャンクリストフ・グランジェと改めてファンになりました。

  • 前回読んだ追跡者と同じくらい分厚い本だった。
    今回は緊縛やら不思議なプレイやら、フランスってそういうのはマイナーな感じじゃないのかな、さすがアムールの国っていうのがいちばんの感想。

    内容は最後の犯人が驚いた。素敵なパリジェンヌの描写だったから、すっかり味方なんだと。

    前回のほど夢中にはならなかったけど、読み応えがあって楽しめる。しかも、分厚いだけに、長く楽しめる作品なのがよい。

  • 2段組で760ページ!
    読む前に圧倒されるボリュームだが、読み始めると引き込まれる。
    オープニングは猟奇的な殺人事件でサイコ的な味付けが強いが、容疑者が浮き上がってからの話しの展開が上手い。そのたびに話の風景まで変わっていく。

    「セブン」のようなサイコ犯と刑事の追いつ追われつの闘いかと思えば、法廷モノに姿を変え、そこからは贋作犯の話しになりつつ…。

    話しが起承転結と動くたびに形を変えながら、最後にタイトル「死者の国」に繋がる余韻が残るラストまで、プロット展開の巧さは見事の一言。
    登場する異形のキャラも濃厚で、そこに展開される個々のドラマの味付けも強烈だし、映画や美術、文学に対する作者の造詣の深さもあって散りばめられたガジェットの数も多い。

    プロットの巧さ、しっかりとしたキャラ立ちゆえに、グランジェの作品は映像化向きではあるが、この作品はこのままでは映画化は無理だろうから、大人向けのテレビシリーズにしてほしい。

  • あまりにも合わなくて何度も挫折しかかった。真相知りたくて最後まで頑張ったが、それなりに驚いたけどこんな長い必要あるのか。あととにかく主人公が好きになれなくてびっくり。捜査官として無能で勘だけで行動し、大事なことは全部部下にやってもらう(この女性部下が超優秀)。変わった性癖がある自分を棚に上げて過激な性癖の妻を糾弾し、一方で自分の思い通りになって文句も言わない恋人は、名前さえ呼ばずに都合良く利用するだけ。緊縛とか過激なポルノとか必要な要素だったのか。全く面白くなくてがっかりだった。

  • あらすじ
     両頬を耳まで切り裂かれ、喉には石を詰められたストリッパーの死体が見つかり、第二の殺人も起こる。捜査するのはコルトのチーム。今は猟奇的な妻との離婚訴訟中だ。被害者二人は同じ劇場で働き、その関係者として画家がいた。彼は元受刑者で、二人と交際していたらしい。さらに、被害者たちを描いた絵も見つかり、画家は裁判にかけられる。弁護するのはやり手の女性弁護士。コルトは彼女に惹かれながらも画家の他に犯人がいるのかと戸惑う。

     ハヤカワのポケットミステリ-で、分厚い、長編。初めて読む作者。映画の「クリムゾンリバー」が好きだったので読む。初めのうち、残忍な殺され方や、コルソ夫婦のゆがんだ生活、SMビデオ?などの描写にちょっと引いて、「この変態ワールドについていけるかな。」とひやひやしながら読む。でも、第3部、裁判のシーンからがらりと雰囲気が変わった。法廷ミステリー、心理ミステリー、芸術ミステリーといろんな要素を見せる。しかも緻密に作られていて読みやすい。最後はコルソにまつわる内容もびっくりしたし、SMについても理由はあって、扇情的な内容だけではなかった。ラストも希望が見えたのはよい。とにかくいろいろ気持ちよく振り回された作品で、今のところ今年一番のびっくり。まだ春だけど。
     

  • 中盤にさしかかってからの二転三転によって大いに揺さぶられ、最後まで楽しく読みました。同じ作者の本で未読の物が少しあるので手を伸ばそうと思います。

全25件中 1 - 10件を表示

ジャン=クリストフ・グランジェの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×