僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ文庫JA)

著者 : 小路幸也

• 早川書房 (2012年6月5日発売)

感想・レビュー・書評

[ちゃいろいさんの感想 · 2017年11月17日]

50時間起きて20時間眠る、という通常の人間の生活サイクルとは異なった体内時間で生きている青年メイジはひょんなことから大金を拾ったためにトラブルに巻き込まれる。謎の人物の登場、苦い思い出のある実家に眠る秘密、といったアクシデントがさらさらと綴られている。

単行本で一度読んでいたようだがまったく覚えていなかった。

メイジの会社での立ち位置がアルバイト扱いの雑用係ふうだったのに物語が進むうちにできるプランナーに
なっていたり、推理や物語の展開や人間関係の構築があまりにも都合よすぎたり、大昔に読んだ時にはたぶんあまり気にならなかった部分がやたらと目につき、自分の年齢や経験値によって本に対する印象はずいぶん変わるものだなとしみじみ思った。

[Bookriumさんの感想 · 2016年12月19日]

少しミステリー的要素を持つ作品です。
小路作品らしいまっすぐな心、家族や友人との信頼と愛情、困難に負けず前向きに進む強さなどは健在。後半に明らかになるナタネさんの正体には、スマートな振る舞いとのギャップに涙腺が緩みそうになりました。
種苗屋という職業のネーミングセンスは抜群なので、森田家とは別のところでシリーズ化して欲しいな。

[kotokotokotoriさんの感想 · 2016年9月19日]

登場人物みんな好きになれる感じ。
信じるキモチが気持ちがいいミステリー。

[tybskさんの感想 · 2016年9月16日]

個人的に好きです。怒涛の展開にビックリしたり、読みが当たっててやっぱり！って盛り上がったり、人との縁にほっこりしたり。時には自分にもギクリとくる言葉が連ねてあって、楽しく読み進めていました。
分厚いけど一気に読み切れる本です。

[独り言を呟く会初代会長さんの感想 · 2016年7月31日]

主人公の体質が50時間起きて20時間眠るなのに上手くその設定が生かされてなかった
20時間寝て起きたら周りの状況が劇的に変わってるとかだったら面白かったのに特にそう言う事もなかった
結末もインパクトが弱いと思う

[ちぇ☆さんの感想 · 2016年5月27日]

ナタネさんがかっこ良い。という一言から借りた小説。
『東京バンドワゴン』シリーズの著者とのこと。

[yomitukuさんの感想 · 2016年3月4日]

タイトルに惹かれて買った本。

怒涛の展開と人情味溢れる人たちの話、というかんじ。

ミステリーを求める人には物足りないかも。

[春野草さんの感想 · 2015年9月22日]

文庫版が出た頃に買ってはいたものの、ずっと本棚の肥やしになってました。せっかくの長期休暇なので一気に読みました。

特殊な睡眠障害の主人公と、彼が日常を取り戻すための物語。
いろいろな謎と事件と思惑が、偶然だけども運命的に一堂に会し、まさに数奇な縁と伏線に感服です。読み終わってしまった、とティッシュ片手に一息つきました。

とんでもなくクセのある「ナタネさん」から、「特別にアンラッキーな星の下に生まれた人間」という的確な表現をされる主人公。どことなく「普通」と違うことが「普通」になっている環境を差し引きしても、逆境に飲まれず冷静に着実に役割を果たそうとする姿勢がまずカッコイイ。
ラストが怒涛の展開だったけれども種明かしタイムが呼んでいて気持ちよかった。
とりあえずナタネさん、箱ティッシュひと箱おかわりください、読み返したらまた涙腺にうるうるきました。メイジくんと彼を愛する人々に幸あれ。

[にゃん子さんの感想 · 2015年7月29日]

語り口はくだけているのに、ラストでああ！と言わせて泣かせられた秀逸。

[aikido10さんの感想 · 2015年5月1日]

貰った
100ページまでは、時間がかかったが、以降はワクワクして読んでしまう。
後、100ページがワクワクする。小路幸也の小説だなぁ。

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』（祥伝社）、『素晴らしき国 Great Place』（角川春樹事務所）、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』（以上、PHP文芸文庫）などがある。