デザイナーベイビー〔新版〕 (ハヤカワ文庫 JA オ 8-5)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 173
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150312022

作品紹介・あらすじ

城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が新生児室から連れ去られたのだ。誘拐された児は病気を持っており、救出は一刻を争う。やがて院長あてに身代金要求の電話が…狡猾な犯人に翻弄され、焦慮に駆られる警察。医師たちも動揺を隠せない。だが事件はまだほんの序の口だった。さらなる衝撃が病院を襲う!医療最前線の先にある危機を描き、社会に大きな波紋を投げかけた力作を全面改稿。NHKドラマ化の話題作。

感想・レビュー・書評

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  •  城南大学病院教授・須佐見誠二郎は、新生児室担当の助産師から、新生児がいなくなったと告げられる。新生児は大学教授の近森博と、女子大の専任講師の肩書を持つ妻・優子の間にできた初めての子だったが、実はダウン症であった。なぜ誘拐犯はわざわざ病気の新生児を連れ去ったのか、本当に誘拐目的なのか、それとも他に何か目的があるのか?

     思ったよりも話がグローバルで、捜査が海外にまでおよんでいったのは意外だった。人工授精等で、命を作り出すところまではOK、ではその命が病気だとわかっていたらどうするか、そしてもっと美人が良い、頭が良い方がいいというのは願望なのか、欲望なのか、どこまでの選別が許されるのか?倫理感、問題提起作としては良いが、ミステリとして読むとうーん?という感じ。現役の医学博士が書いたものということなので、まぁそのあたりはそれなりといった感じ。ちょっと長く感じてしまった。

  • 0806読了。
    5年前にNHKでドラマ化した作品の原作。
    物語の舞台になる城南大学が身近すぎて、慣れ親しんだ中央棟と入院棟、懐かしい“友永教授”や“町山薬剤部長”、そして“大井出病院長”(こんなに分かりやすいのに途中まで気づかなかった!)、医局や院内の感じがほんとにそのまんまで、面白い。
    ストーリーも複雑に作られていて興味深い。誘拐された赤ちゃんにはいろいろな先天性疾患や生い立ちがあり、不妊治療、優性思想、そして最後には取り違えの話にまで及ぶ。
    赤ちゃんの行方がわからないまま、さらに妊婦の死亡、看護師の殺害など話は進展していく。
    下地と速水がアメリカへ行ったのは蛇足だけど(笑)、違法の卵子売買、代理出産の海外の情勢には驚いた。
    DNAが一致しなかったときの話もわくわくしたなぁ~。
    “くそじじい”な須佐見教授が最後に面白い行動に出て、警部をぎゃふんと言わすところが少し爽快だった。

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:913.6||O
    資料ID:95161046

  • 体外受精時の遺伝子操作の話。だけかと思ったらそれに関連して誘拐事件やら殺人事件やら。医療技術が進むということと、生殖に関することにどこまでその技術は介入していいのかすべきなのか。議論はどこまでも尽きないけれど、その問題を突きつけている。そして可能であるならば、人間の欲望はどこまでも・・・という話と絡んで、考えさせられる話になっていました。

  • ドラマとはまったく違った展開。
    不妊治療に始まり、体外受精、生まれる前の遺伝子操作とか、結構興味深い内容にもかかわらず、ミステリーとしては何だかチープ。色々詰め込み過ぎて、収集つかなくなってる感強し。結局作者は何が言いたかったのか。。なんかもったいない。

    ああ、久しぶりにハヤカワ文庫にやられた!手持ちのブックカバーに入らない~~~><。

  • ドラマとまた違った展開。デザイナーベビー、救世主ベビーの要素が原作の方が弱い印象です。

  • 冗長。次々に犯罪が起きて、間口がどんどん広がっていくのに、読んでも読んでも収斂しない。探偵役の警部の推理も先入観だらけで噴飯もの。物証がほとんどないのに推理だけで捜査を推し進めるなんて・・。作者はミステリが書きたかったのではなくて、神の領域と言うべき遺伝子レベルの医学に対しての注意喚起と啓蒙を目的にしていたのだろう。小説としてはまったく魅力がなく、登場人物にも共感できない。

  • 命の問題に医療はどこまで入り込めるのか。先端医療を巡る問題提起としてテーマは興味深い。

  • 生殖医療に関する情報がてんこ盛り。
    その情報過多でストーリーが埋もれてしまったようです。

    ポアロばりの髭の警部が、途中から(真面目な)クルーゾー警部になってしまう。

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著者プロフィール

恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院院長

「2017年 『新版 安心すこやか妊娠・出産ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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