鷲は舞い降りた (ハヤカワ文庫 NV ヒ 1-19)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (614ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150408343

感想・レビュー・書評

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  • 手に汗握る展開で一気に読了。海外小説はそんなにハマらないことがあるけど、本作はダントツに面白い。

  • イギリスの作家「ジャック・ヒギンズ」の冒険小説『鷲は舞い降りた(原題:The Eagle Has Landed)〔完全版〕』を読みました。

    「ディック・フランシス」、「コリン・デクスター」、「ボブ・ラングレー」に続き、イギリス作家の作品です。

    -----story-------------
    鷲は舞い降りた!
    「ヒトラー」の密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。
    歴戦の勇士「シュタイナ中佐」率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定の「チャーチル首相」の誘拐だった!
    イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使命達成に命を賭ける男たちを描く傑作冒険小説―その初版時に削除されていたエピソードを補完した決定版。
    -----------------------

    『東西ミステリーベスト100』で海外篇の19位として紹介されていた作品です、、、

    「チャーチル首相」を誘拐せよ!という奇想天外な作戦、使命達成に命を賭ける「シュタイナ中佐」率いるドイツ落下傘部隊の精鋭たち、男たちの勇気と闘志を謳いあげた傑作でしたね… 愉しく読めました。


    イギリスのノーフォーク北部にある田舎町スタドリ・コンスタブル、この地を取材で訪れた「ジャック・ヒギンズ」は、教会の墓地の片隅に隠匿されていた墓石を発見する… そこには「1943年11月6日に戦死せる「クルト・シュタイナ中佐」とドイツ降下猟兵13名、ここに眠る」と刻まれていた、、、

    奇妙な墓碑銘の真実を探す旅を始めた「ヒギンズ」はやがて、かつてドイツ軍が実行したある作戦を知る… 時代は第二次世界大戦まで溯ることに。

    1943年、ナチス・ドイツの敗色が濃厚となる中、幽閉されていた「ムッソリーニ」を「オットー・スコルツェニー」が指揮する空軍降下猟兵部隊と親衛隊特殊部隊が救出した一件は「ヒトラー」を狂喜させ、宿敵「チャーチル」の誘拐を口にさせる… 軍情報局長官の「ヴィルヘルム・カナリス提督」は、所詮は総統の思いつきに過ぎない、到底実行不可能なこの考えを、部下の「ラードル中佐」に形だけの検討をさせることにしてうやむやにしようとした、、、

    しかしその一週間後、スタドリ・コンスタブルに暮らすボーア人スパイ「ジョウアナ・グレイ」が、「「チャーチル」が村から近いスタドリ・グレインジで休暇を過ごす予定がある」ということを、具体的な日時・宿泊場所と共に連絡してくる… この情報はゲシュタポ長官の「ヒムラー」にも伝わり、「ヒムラー」は反ヒトラー派の「カナリス」には隠密にして、「ラードル」に直接、「チャーチル」の誘拐を実行させることを強要する。

    「ラードル」は実行部隊を落下傘降下で潜入・潜伏させ、「チャーチル」確保後に高速艇で回収する計画を立てるが、敵国での潜伏のためには現地の「グレイ」と協力できる工作員が不可欠だった… そこで「ラードル」は、現在はベルリンで保護・監視されている元アイルランド共和軍(IRA)の歴戦の工作員「リーアム・デヴリン」に白羽の矢を立てる、、、

    「デヴリン」はいつか来る死を予感しながら、祖国アイルランドの独立を夢見る闘士でもあった… 続いて「ラードル」は、作戦を指揮する落下傘部隊の隊長として「クルト・シュタイナ中佐」を指名する。

    「非常に頭が良くて、勇気があって、冷静で、卓越した軍人……そして、ロマンテックな愚か者だ」名も知らぬユダヤ人の少女を助けたがために部隊ごとチャンネル諸島へ追いやられ、人間魚雷を操っている伝説の落下傘部隊長「クルト・シュタイナ中佐」、「ラードル」と「デヴリン」は直接に彼の元を訪れ、彼らを呼び戻す… 英国へ潜入した「デヴリン」に惹かれる少女「モリィ・プライア」を始めとするコンスタブルの人々、、、

    闇商人の「ガーヴァルド兄弟」とロンドン警視庁の「ロウガン警部」、降下部隊の輸送役として選ばれたパイロットの「ゲーリケ大尉」… 「ヒムラー」が作戦の監視役として送り込んだイギリス義勇軍の「プレストン少尉」、そして僻地コンスタブルに左遷されたアメリカ軍レインジャー部隊の「シャフトゥ大佐」。

    様々な人間の思惑が交錯する中、「ラードル」達は遂に作戦開始日の11月4日を迎える… 悪天候の中ノーフォークへ降下する「シュタイナ」達、、、

    降下成功の報を受けた「ラードル」は「ヒムラー」に暗号文を発信する… <鷲は舞い降りた>。

    作戦の成就に向け、登場人物たちはそれぞれの思惑に従って己の任務を果たそうとするが、「シュタイナ」の部下が溺れそうになった兄妹を助け、自らは水車に巻き込まれて死んでしまったこと等をきっかけにして計画には綻びが生じていく… 任務を果たすため、強硬手段に出る「シュタイナ」たちだったが、次第に追い詰められていく、、、

    全体で600ページ強のボリュームなのですが… <鷲は舞い降りる>のは400ページを過ぎたあたりで、作戦行動までのエピソードが長く、序盤から中盤はやや冗長な感じはしましたが終盤の作戦行動後の展開が盛り上がるのは、中盤までの伏線がしっかりしているからなんですよねぇ。

    ホント、愉しく読めました… それにしても「シュタイナ中佐」を始めとする、第一線の将校・兵士達のカッコ良さはハンパないですね、男気あふれる好人物で、不器用な優しさやひたむきさをあわせ持っているんですよね、、、

    そして、男としての生き様(死に様)をしっかりと見せてくれます… 史実から、「チャーチル首相」誘拐作戦は失敗に終わることはわかっているんですが、それでも、最後の最後まで「シュタイナ」なら成功してくれるんじゃないか、いや、是非、成功させてほしい と感情移入しちゃうほどの魅力的に描かれていました。

    面白かったです♪


    以下、主な登場人物です。

    「クルト・シュタイナ中佐」
     ドイツ落下傘部隊隊長

    「リッター・ノイマン中尉」
     ドイツ落下傘部隊副隊長

    「ヴァルター・シュトルム軍曹」
     ドイツ落下傘部隊隊員

    「ハーヴィ・プレストン少尉」
     元イギリス自由軍兵士

    「カール・シュタイナ少将」
     クルトの父

    「ペイター・ゲーリケ大尉」
     ドイツ軍パイロット

    「マックス・ラードル中佐」
     ドイツ軍情報局(アプヴェール)Z部隊第3課課長

    「カール・ホーファ軍曹」
     ラードルの助手

    「ジョウアナ・グレイ」
     ドイツ軍情報局(アプヴェール)の女スパイ

    「リーアム・デヴリン」
     IRAの兵士

    「フィリップ・ヴェリカ」
     神父

    「パミラ・ヴェリカ」
     フィリップの妹

    「ジョージ・H・ワイルド」
     スタドリ・アームズの主人

    「アーサー・シーマー」
     木こり

    「モリイ・プライア」
     ホッブズ・エンドの娘

    「サー・ヘンリイ・ウィロビイ」
     退役イギリス海軍中佐

    「ベン・ガーヴァルド」
     闇商人

    「リーベン・ガーヴァルド」
     闇商人

    「ジャック・ロウガン」
     ロンドン警視庁警部

    「ファーガス・グラント」
     ロンドン警視庁警部補

    「ロバート・E・シャフトゥ大佐」
     アメリカ軍レインジャー部隊隊長

    「ハリイ・ケイン少佐」
     アメリカ軍レインジャー部隊隊員

  • 読めば読むほど物語に引き込まれていく。
    特にデヴリンが良い。続編も読もうと思う。

  • 冒険小説、と言われているが、冒険というより『戦争もの』という表現のほうがやはりしっくりくる本。
    そして、第二次世界大戦を扱った小説としての、オールウェイズベスト。星5つ。

    なお、評者は「その当時の価値観のとおりに描写してるんだから、女性やら外国人やらへの扱いがアレで何が悪い。ポリコレとかいう歴史改ざんは文化への冒涜」という立場である。
    そして本作におけるそういう点は、
    「変な改ざんをしてないからGood!」
    である。

    主人公クルト・シュタイナの「軍人とは何か」という筋の通し方が際立つ。
    それはやはり、名脇役リーアム・デヴリンの「俺ぁアイルランド人だから、産まれた時からクレイジーなんだ」という人間味(放埓ともいうw)描写があってのことだろう。

    次作『鷲は飛び立った』ではほぼリーアムが主役なので、読むのが楽しみである。

  • 英本土に空挺降下してチャーチルを誘拐するという、ヒトラーの妄想が現実的になる情報が諜報員から伝達される。
    これは史実をモチーフにした話なので結果は既に分かっている。
    チャーチル誘拐は失敗しドイツは敗戦する。

    小説の大半は空挺降下作戦の準備を描いており、それが上手くいくほどにどうしてこれが失敗するのだろうかという好奇心が湧く。

    ヒムラーの横槍と部下の道徳心のために作戦は失敗するのだが、失敗してからのドイツ空挺兵たちが実に潔い。
    この時代にドイツ兵を明確な悪役として描かなかったというのがすごい。

  • 冒険小説の古典中の古典。
    30年ほど前、大学生時代に読んだ。一気読みだった。今回はジャック・ヒギンズのオリジナル原稿による完全版。
    第二次大戦末期、ナチス・ドイツは劣勢な戦況を挽回するために、あっと驚く秘密作戦を計画する。イギリスの田舎町スタドリ・コンスタブルにお忍びでやってくるチャーチル首相を誘拐しようという計画だ。
    IRAのリーアム・デブリンとクルト・シュタイナー 中佐が率いるスターリングラードの死闘を生き延びた落下傘部隊の面々は密かにスタドリ・コンスタブルに潜入する。果たして誘拐作戦は成功するのか。

  • 登場人物を紙に書き丁寧に読まないと面白さが全然わからない。僕も斜め読みしたが全く面白くない。

  • いまいち。よみかえすことはないかな。

  • 2019/10/20購入
    2019/10/28読了

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