ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫 ク 2-2)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151200120

感想・レビュー・書評

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  • 読了

  • 前作までと違い、兄弟との別離を機に周りの人と心を通わせ始めた?双子の片割れ。
    数々の出会い、別れを繰り返し…色々あって最後にとてつもなく重い別れ。

    んでもって最後の爆弾…!?
    え、どういうこと?
    読み終わってもまだハテナマーク…

    私が読んでた内容はなんだったのでしょうか…
    んー次が気になってしまうではないか!笑
    最終巻、読みます。

  • 悪童日記の続編。双子の名前がわかることで、個人としての存在感が一気に増す。残った側、リュカ目線の話。
    前作からの登場人物がモリモリ出るので、悪童日記をまた読み返したくなる。うーん。買おうかなぁ。

    リュカの行動がわかりにくい。赤ちゃんを抱いた若い娘を助けてその子供に愛情を注いでいるかと思いきや、街へ出て未亡人の世話をする。

    二人のもう一人であるクラウスがいなくなった隙間を埋めているのかな。

    ラストはバタバタっと話が進む。リュカ……泣

    次がシリーズ最終巻みたいなんで、最後まで読み切る。クラウス側の話なんかな?

  • ■一切の感情を捨て去り、事実のみを書き連ねてきた“はず”の『悪童日記』。しかしそれはまったくのデタラメ、空想の産物だったということなのか?
    だって、『悪童日記』が終わった直後からケツカッチンで『ふたりの証拠』の物語は始まる……にもかかわらず肝心のあの双子の痕跡がどこにも見当たらないではないか!?
    ■そしてそんなふたつの物語にまたがって散見される奇妙な共通点、そして相違点。あるいは、前作よりも現実的になったとはいえどこか寓話的でイビツさが残る世界観………。
    『悪童日記』と『ふたりの証拠』はどんな関係になっているというのか? 全ての答えを知っている筈の主人公リュカは、物語全体を通していったい何を我々に語ろうとしているのか……?
    ■……などと眉間にしわを寄せながら読んでたら、なんとラストで『悪童日記』を上回る衝撃の展開が! 読者は読み終えてもしばらく茫然自失で身動きが取れなくなる、間違いない!

  • 戦争も終わり、登場人物が皆色々な背景を抱えて肩を寄せ合うように生活する様は戦後の不安定さを現す様。悪童だったはずの主人公は街の人に支えられながら生きる青年に成長。これを読んで前作を思い出せば切なくなる。これに続編があると知れば気になっていて読まずには居られない。

  • 独特な文体に引き込まれた前作『悪童日記』の興奮が冷めやまぬうちに、ページをめくった。
    淡々と進む物語に、ストレートに何も考えずに読み進めたが、最後にしてやられた。 底が見えない深淵にはまったというか、それとも茫洋の海に放り込まれたような…そんな気分。
    ここで止めては読者泣かせというもの。
    続きが待ち遠しくて仕方がないのは久しぶりだ。
    さぁ、次はいよいよ完結編。じっくりと楽しみ、味わいたい。

  • 前作の「え?」と言う衝撃的な終わりの続き。
    初めて双子の名前が明かされ、今作はおばあちゃんの家に戻ったリュカの話。
    相変わらず陰鬱な雰囲気漂う町と、訳あり過ぎるほどの訳ありな人たち。
    前回みたいに、露骨に殺したりとかそういうのはないけれど、ちょこちょこと見え隠れする。

    出てくる人物たちは、きっと何かのメタファーなのだろう。
    モデルとなった地域や当時の世界情勢にもっと明るければ、もっともっとわかるし楽しめるんだろう。
    そう思いながら読んでいく。

    そして、次々にページを捲り、物語に没頭していた私だが、最後に「え?」となった。前作とは違う意味で。
    ふたりの証拠って、こういうことなの!?え!?

    やだやだ、続きが気になる…

  • 第二次世界大戦前後のハンガリーが舞台
    「われわれは皆、それぞれの人生のなかでひとつよ致命的な誤りを犯すのさ。そして、そのことに気づくのは、取り返しのつかないことがすでに起こってしまってからなんだ」

  • 悪童日記の続編

    悪童日記の方が衝撃的でしたが
    続編も面白かったです

  • 前巻は双子の別離で終わった。クラウス(CLAUS)は国境を越え、リュカ(LUCAS)は残った。リュカは呆然と時を過ごし、食べることも畑仕事も忘れている。司祭さまのもとへ料理を運ぶようになり、未亡人と不具の子どもを引き取って同棲し、以前と同じように本屋に通い、図書館司書と深い仲になる。子どもはリュカのように賢い子になるが、自尊心が高く学校に馴染めない。未亡人が行方不明になる。本屋を買い取る。数十年後、クラウスが帰ってくるが、もうリュカはいない。戦争と革命が終わり、誰もが大切な人を失った時代。登場人物は遺された人ばかりだ。前作『悪童日記』と同様、最終章に意表をつかれた。

    p166
    私は確信しているんだよ、リュカ、すべての人間は一冊の本を書くために生まれたのであって、ほかにはどんな目的もないんだ。天才的な本であろうと、凡庸な本であろうと、そんなことは大した問題じゃない。けれども、何も書かなければ、人は無為に生きたことになる。地上を通りすぎただけで痕跡を残さずに終わるのだから。

    p185
    「歳なんて瑣末なことです。本質的なことだけが大切なんです。あなたは彼女を愛しているし、彼女もあなたを愛している」

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著者プロフィール

1935年オーストリアとの国境に近い、ハンガリーの村に生まれる。1956年ハンガリー動乱の折、乳飲み子を抱いて夫と共に祖国を脱出、難民としてスイスに亡命する。スイスのヌーシャテル州(フランス語圏)に定住し、時計工場で働きながらフランス語を習得する。みずから持ち込んだ原稿がパリの大手出版社スイユで歓迎され、1986年『悪童日記』でデビュー。意外性のある独創的な傑作だと一躍脚光を浴び、40以上の言語に訳されて世界的大ベストセラーとなった。つづく『ふたりの証拠』『第三の嘘』で三部作を完結させる。作品は他に『昨日』、戯曲集『怪物』『伝染病』『どちらでもいい』など。2011年没。

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