- Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300165
感想・レビュー・書評
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久々のクリスティ。支配的な老女が殺され、殺人が疑われる。殺人が起こるまでは丹念な老女の家族の描写が続く。
事件が起こってからはポアロの尋問タイムの始まり。関係者の証言を組み合わせてから事件の真相を暴く。クリスティらしいミスリードで犯人らしき人が次々と変わるとても読み応えのある一冊だった。
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死海を舞台にしたミステリ。ポアロが出会った、専制君主的な母親に支配された一家。その様子は楽しい家族旅行には程遠く、やがて起こるべくして起こったとも思える殺人事件。動機は誰にでもあり機会もまた誰にでもありそうに思えるのだけれど、単純そうで複雑な事件です。各々の証言を突き合わせて真相を導き出す物語は、一見地味だけれど読みごたえがありました。
何が厄介って……犯人はもちろんのこと、証言者がとにかく嘘つきまくってます(笑)。どいつもこいつもまったく……! ここから犯人を指摘するのは至難の業に思えますが。まさかあの意味深な一言にそんな意味が込められていたとは! そこに気づけば一気に真相にたどり着けたのか、という目からうろこの解決編が印象的です。 -
気になってななめ読みしまくったけど、
犯人が意外すぎて逆に引いたというか…
しかも、相手の話を丹念に聞いてつじつまが合うか確かめていくじっくり系。斜め読み族だと面白さが減ってしまうので注意。
それにしても外国の人はどうしてこうも簡単に一目惚れレベルで恋に落ちるのか。
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死海殺人事件というタイトルで映画化もされていたようだが、今回アガサ・クリスティ全巻読破を目指すまでタイトルも知らなかった…
で、読んでみたらかなり良い!どこかにもあったが、冒頭事件の発生を匂わすセリフが中盤までを引き締め、事件発生後はポワロの早い展開でどんどん読み進む。前作『ナイルに死す』と似ているのだけれど、それよりもより引き締まった感じがして良い出来だと思う。にもかかわらず前作より知名度が低めなのはタイトルのインパクトの差かな。
この頃のアガサ作品はどれも評価高く一番いい時期なんでしょうね。推理小説としてもドラマとしても楽しめると思います。