- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151300516
感想・レビュー・書評
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短編集。ミステリ的にどうかはともかく、ポアロとヘイスティングズの掛け合いが楽しい。ジャップ警部も絡む『マースドン荘の悲劇』と『ミスタ・ダヴンハイムの失踪』が好み。上手にドラマ化されてるので、脚本書いてるホロヴィッツにも感心した。
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ポアロ、若いなあ、クリスティ、若いなあ、というのが最初の感想である。
本書はポアロシリーズの初短編集。ポアロがベルギー警察を退職してからある程度時間が経っているので、本書時点ではポアロはそれなりの年齢の設定なのだと思うけれど、ヘイスティングズのからかい方や上から目線の物言いがひどく、後期のポアロシリーズでは中和されていくアクのようなものがかなり強く出ている。
伏線が織り込まれたストーリーをじっくり楽しめる長編の方がクリスティの良さが発揮されると思うが、この短編集は、後期になるとあまり出てこなくなるヘイスティングズが出ずっぱりで、ホームズとワトソンばりのコンビ仲を見せてくれるのが楽しい。
各短編は、これ、シャーロックホームズ?と勘違いするくらい、ホームズシリーズからの影響が感じられるが、最初の二編『〈西洋の星盗難事件〉』、『マースドン荘の悲劇』は、女性の心理を描くのに長けたクリスティらしい短編で面白かった。
それでも、ポアロシリーズを初めて手に取ろうとしている人に言いたい。タイトルからして最初に読んだ方がよいのか、と思われるかもしれないが、クリスティは長編から読み始めてほしい。最初にこの本を読んで、クリスティ、大したことないな、と思われたくない、とファンの一人としては思うのである。 -
記念すべきポアロの第一短編集。個人的にはクリスティの本領は、やはり短編より長編にあるかなと改めて感じた。と言いながらそんなにたくさんは読んでないが。笑
短編であるが故に、ポアロとヘイスティングの名(迷)コンビぶりがよけいに際立ち、ポアロのある意味鼻持ちならない自信過剰ぶりが際立っている。この一冊だげだとポアロの魅力の一端しか伝わってこない気もする。
謎解きそのものは、単純でオチを知ってしまえば「そんなもんなのね」というものが多い。驚きが少ないという意味では、ミステリの出来としてはごく普通という気がする。
謀略小説風の「首相誘拐事件」と、伝奇小説風の「エジプト墳墓の謎」が個人的にはお気に入り。 -
ポアロの短編集。「スタイルズ荘の怪事件」の後くらいらしく、全話でヘイスティングスが登場する。ジャップ警部もときどき登場してくれる。
ヘイスティングスが相手だと、ポアロがいつもより少しお茶目なのかな? ホームズ&ワトスンみたいな良いコンビで微笑ましい。何冊かポアロの長編を読んだことがあるけど、ヘイスティングスは登場しなかったので、こういうポアロはちょっと新鮮な感じがした。 -
ポアロシリーズの短編集。
14作品が収録されていて、一つ30ページ程のすごく短いストーリーだった。
短いから今までの長編のような複雑さとかはないけれど、さくさく進むので通勤やお風呂に浸かりながらなどに読むのに良さそう。 -
ポアロ&ヘイスティングズの活躍を描く短編集。ヘイスティングズ目線で語られる、14話が収録されています。
各話、設定が興味深くて、話の冒頭部分はワクワクするのですが、如何せん話が短いせいか謎解き部分が雑で“よくわからんが、ポアロがちゃっちゃと解決”的な展開になっている感じがします。
なので本書に関しては、他の方のレビューにもあるように、ポアロとヘイスティングズのやりとりを楽しむのが良いかなと。
特に、ヘイスティングズをディスる時のポアロはすごく楽しそうです(まぁ、確かにヘイスティングズ君は軽率な発言しがちですが)。
個人的には、ポアロのベルギー警察時代の“失敗談”、「チョコレートの箱」が好きでした。 -
標準的な文庫本の厚さにも関わらず、14篇も作数があって、読み応えあり。
外国人の名前が覚えられないので何度も戻りながら読み進めた。 -
いわずと知れた名探偵ポアロの短編集。
全14話、1話あたり30頁ぐらいしかないのでサクサク読める。
自惚れ屋で癖のあるポアロと、彼に振り回されがちな相棒ヘイスティングズ。
2人の掛け合いも見所。
特に「チョコレートの箱」で見せたヘイスティングズの密かな逆襲が微笑ましい。 -
各編にさまざまなアイディアがあるが、クリスティ作品は長編の方が読みごたえがあってよいかもしれない。
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ヘイスティングズ視点の短編集。
どれも面白かったけど、「チョコレートの箱」のラストがもーーーーー!!!!!
キュート過ぎて突っ伏しそうだった。
ポアロとヘイスティングズのコンビ大好き。