パードレはそこにいる (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫 タ 6-2)
- 早川書房 (2016年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784151822025
感想・レビュー・書評
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もうやめてあげて!
コロンバとダンテのコンビは思わずそう叫んでしまいそうなほど苦難の連続です
それでなくとも2人は大きなトラウマを抱えていてとんでもない弱点を抱えているのに
なんとか頑張って危機を脱しても10ページも持たずに苦難の雨あられ
二人合わせて少なくとも7回は死にかけます(集計適当)
しかも最後にとんでもないのが降ってきてまだ苦しめるの?もうやめてあげて!と叫んじゃいますほんと
それでも二人はお互いの弱さを認め助け合い、弱さを補ってあまりある長所を信頼しあって逃げずに闘い続け最後には互いがなくてはならない存在となっていきます
この過程がいいんだまた
思いもよらない人物の助けも借りつつ衝撃すぎる真実へ
うわーそうなるの?
そしてそして最後の最後にさらなる衝撃を読者に与えて次作へ!
こりゃあ次も読まねばなるまい!
イタリアミステリー…やるやないか!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6歳のときに誘拐されて11年間サイロに囚われていた経歴を持つ失踪人捜索の凄腕のコンサルタント、ダンテ。
死者9名、負傷者17名の爆破事件に巻き込まれて、その責任を感じている休職中の女性機動隊副隊長、コロンバ。
この2人が組んで子供の失踪事件を独自に追う。やがてそれは、25年前のダンテの事件に繋がってゆくことに。
おもしろかったです。
ミステリというよりサスペンス。
難を言えば海外物のよくある展開を踏襲していること。ラストの危機一髪は、もうお約束なのかな。
ジェフェリー・ディーヴァーさんによく似ているなぁ、と思った。
三部作の一作目だそうだけど、続きはもういいかな。
けっしてつまらなくはないんだけどね。
細かいところで気になったのが2点。
――アパートメントのドアの内側の取っ手には、コイントス用のコインが決めた順に重ねられていた。男はドアをわずかに開けて手を差し入れ、コインの山が崩れる前につかんだ。そして、自分が重ねたとおりの順番であることを確かめてからドアを開けた。容易かつ合理的な方法だった。(上巻から抜粋)
え? これ、できる気がしないんですが??
いろいろなドアやドアノブを想像して何回も読み返してしまった。
誰かが部屋に入っていないかどうかを確かめる方法として書かれているのですが、どういうこと?
これをやろうとしたら、かっちりドアを閉めないで、少しだけ開けておいて、取っ手には触らずに指で押して開けるしかないでしょうが、そんなことしたら不安定過ぎない?
近くの道で大型車が通っても振動で落ちそうだし、風が吹いてもドアが開きそうだし、小さな地震でも落ちるだろうし。
イタリアには地震はないのかな。
ドアが開くと感知する簡易な防犯グッズでも使うか、ペットカメラでも室内に設置する方が簡単だと思うが。
もうひとつ。
下巻で、負傷して入院したコロンバの様子を見に、ダンテが木に登って病室を見る場面があるが、いくらなんでもこれはあり得ないだろう。
時刻は深夜12時過ぎ。その時間の病室の窓にカーテンが引かれていないわけがない。
それともイタリアにはカーテンがないのか?
しかもそのタイミングでコロンバを襲う襲撃者が来るなんて都合が良すぎる。
まあ、細かいところは気にしないで流して読めばいいんだろうけど。
まぁた髪の毛が挟まってやがった!!ヽ(`Д´)ノプンプン
1本だけだけど。
誰だ~!!!(# ゚Д゚)-
2023/02/20
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そうか。賃貸の鍵交換も2万から3万かかるしね。
ディンプルだと、合鍵作るにも、5千円以上するか。
よく、みんみんが読んでる時代物に出てきそう...そうか。賃貸の鍵交換も2万から3万かかるしね。
ディンプルだと、合鍵作るにも、5千円以上するか。
よく、みんみんが読んでる時代物に出てきそうな、蔵に付いてる錠前みたいの、しっくりしそう。2023/02/20 -
土瓶さん、おびのりさん、
そんな木製じゃなくて‥‥時代劇のセットじゃないんだから。
でもなんか展望が見えてきた(むりやり)。土瓶さん、おびのりさん、
そんな木製じゃなくて‥‥時代劇のセットじゃないんだから。
でもなんか展望が見えてきた(むりやり)。2023/02/20
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3部作1作目、怒涛の後半。
誘拐監禁を繰り返して来た犯人を追う、女刑事とコンサルタントは。
たくましい美女コロンバは正確には機動隊所属だが、イタリアの警察ってややこしいの、組織が(笑)
え~と、カラビニエーリ(国家刑事警察)の方が権威は上なのかも?
ダンテは、行方不明者捜索の専門家。
爆破テロを防げなかったコロンバは、そのトラウマを抱え、ダンテは長く監禁されていたトラウマで重い閉所恐怖症、普通の生活の記憶もほとんどなく育った。
心の傷を抱えた二人が支え合い、能力を生かしていく。
事件は国境を越えた大掛かりなもので、しかも、これ一作では終わらない!
けれど、鮮烈な事件がしっかり書き込まれスピーディに展開するので、次が待ち遠しい面白さでした。
図書館に並んでいるのを長らく横目で見てました。
というのは当初は、事件が重そうだと紹介読んで思っていたからだと思いますが、そのうち紹介は忘れ、タイトルのイメージで、村の神父さんが事件を解決するような話かと勘違いしてて。
パードレは「お父さん」という意味ですが、神父さんのこともいうので。
そうしたら、作者は、イタリアのミステリというと、人のいい太ったおじさんが事件を解決するようなイメージなのを払拭したかったんだとか。
まさか、そんなことだとは(笑) -
面白かったが、続編 完結編と続くと知り読もうかどうか思案中。同じ事件の続きならもうエエかなー。二人とサンティーニが組んで別の事件の解明みたいなやつが読みたいかな。
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変転する”パードレ”とせめぎあい。
身を潜めていた"パードレ”が姿を現す。
最後の最後まで、変わっていくストーリーに翻弄される。
読み直すとさらに面白くなるような気がする。 -
上巻の序盤と終盤で印象がガラッと変わり、少年の誘拐はこの事件の一端に過ぎない事実が突き付けられる。下巻で物語は更なる様相を呈し、事態は国家レベルにまで発展。流石に風呂敷広げ過ぎでは?と困惑しつつも、息つく暇もないスピード感に加え、捻りのあるプロットで最後まで退屈せずに楽しめた。その反面、内容の密度が頁数に見合っておらず、窮屈な印象は否めない。事件解決の余韻も冷めやらぬまま急ぎ足で終幕するが、残りの謎は続編で回収されるのだろうか。しかし、主人公の美女設定を随所で強調されると幾分か興醒めしてしまう次第です…。
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下巻に入ってからはミステリーというより、エンタメ小説という感じ。主人公二人がキャラ立ちしているため読みやすかった。病んでるけどパワフルな二人に愛着が湧いてきた。
漫画や映画でもいけるな、と思っていたら作者の経歴を読んで納得。シリーズ続編も読みたい。 -
二転三転する展開が王道サスペンスだった。そして、最後の最後にまた1つ謎を残すのも憎らしい。続編がある事を知らなかったら、すごくモヤモヤしたと思う。面白かった。
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上巻の終わりから下巻にかけてはさらに没入。
時間が過ぎるのがすごく早く感じました。
続編の「死の天使ギルティネ」
早く読みたいです。 -
パードレ捕まえた…!!
下巻からはずっと落ち着かなくて先が読みたくて読みたくて。CCはかっこよすぎるし、ダンテは可愛すぎる。
そしてこの終わり…!続きが読めるのはいつになるのだろう…。でもまたこの二人に会えるのかと思うと楽しみだぁ。 -
図書館で。
線が細く重度の閉所恐怖症を患う男性と、トラウマ持ちの女性警察官(イタリアはなんか難しいんですよね。警察であってるのかな?)がタッグを組み誘拐事件を解決する、というお話。
いわゆるマッチョ系な男性警官がタフに解決する話じゃないのも面白いし(どちらかというとそちらはヒロインが引き受けてる感じ)、お互い危なっかしいところを補いながら信頼関係が築き上げられていく感じも面白かった。
ラテン系のハッカー君も良い味出してるしなぁ。最後いけ好かなかったマッチョ警官と手を組むのも面白い。でも向こう一世紀は顔を見たくないってのが又良いよな。うん、人間はそう簡単に変わらない。
でも言わせてもらうとアイツ、怪しいな~って思ってたんですよね、と言ってみる。最後やっぱりか、と言いたくなりました(笑) -
ジェフリー・ディーヴァーにも似た印象
どうしても深い傷をおった二人がコンビとして活躍していく話に弱いのかも…
捜査は少しサブキャラクターに頼りすぎたり、行動が雑な印象もある。
でも、読ませて引き込まれる魅力がある。
20191023再読:
爆弾が爆発した瞬間の被害の状況を克明に描写する件(一瞬を分解していく様)と
事件が転がり、次々と事実や反響が広がっていく様を淡々と報告書のようにスラスラ連ねていくあたり(長期間を圧縮)など、この作者の読ませる工夫を改めて感じた。
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2014年発表、希少なイタリア・ミステリの翻訳だが、異国情緒的な味わいはなく、新たな支流ともなっているダークな犯罪小説の色合いが濃い。プロットや人物設定も凡そ時流に倣っており、新鮮味はさほどない。トラウマを抱えた主人公、場面転換の早いテンポ重視の構成、不可解な動機、猟奇的な連続殺人、形骸化した警察/検察機構との確執など、舞台をアメリカに移したとしても違和感はない。主要人物には極端な個性を与えており、キャラクターのユニークさで読ませるミステリともいえる。
本作は、ルメトール「アレックス」やオールスン「特捜部Q―檻の中の女―」などでも題材としていた〝監禁〟をプロットの核にしており、その人倫無視の凶悪性を〝探偵役〟となる男「ダンテ」自身に直結/具現化させている。少年時代に誘拐され、11年間にわたる監禁生活を送るとういう過去を持ち、脱走後は失踪人捜索専門のコンサルタントとして生計を立てる。その異常な設定が、良くも悪くも物語を動かしていく。
ローマで起きた児童失踪事件で警察から協力を求められたダンテは、その犯行現場で自らを誘拐した男「パードレ」の痕跡を視る。だが、「パードレ」と思しき人物は既に死んだものとされたいた。当然のこと心的外傷による妄想と周囲は受け止めるが、相棒となる女性捜査官コロンバと行動を共にする中で徐々に判明していく事実は、未だ正体不明の犯罪者「パードレ」へと導くものだった。
極度の閉所恐怖症となったダンテの描写は、いささかデフォルメ過剰な点があるのだが、過去の呪縛と真正面から向き合い、どう克服するか、というテーマも含めているのだろう。肝心の真相については、大風呂敷を広げ過ぎて、整理仕切れていないため不満が残る。下手な陰謀よりも人間の闇に焦点を当てた結末を期待していたためだろう。 -
うん、面白かった。
犯人の意外性、物語もかなり大きな背景があったり、最後まで気を抜けない感じも楽しめました。
それにしても、気になる終わり方!
2017.7.8 -
イタリアの作品ですが、イタリア感はあまり感じません。むしろ、アメリカっぽい感じがします。
物語終盤、衝撃的な事実が判明していきます。「まさか彼が!」と言う人がパードレなんですねぇ。ミステリーの王道からいうと、ちょっと邪道な設定ではありますけどね。
最後の最後、次に続きそうな展開で終わります。案の定、ダツィエーリのこのシリーズの次の作品が出版されています。 -
マジかマジかマジか!!パードレは君だったのか!!というかイタリア人なんだから、CCもダンテもちゅうのひとつくらいかましとけよ!!(錯乱
しかもこれ続く感じ?二人の捜査はまだまだ続く感じなのね??
あー久しぶりにドキドキハラハラワクワクした!
二人がちゅうするまでは死ねないから早く続刊出てくれますように(・∀・) -
下巻。
何者かの手によって容疑者に仕立て上げられたコロンバとダンテは、味方のはずの警察から追われる立場になる。わずかな手がかりを元に、ついに極悪な犯罪の証拠が眠る場所までたどり着く。
世界大戦時にさかのぼる一連の犯罪の証拠が次々と現れ、すべてを操っていた”パードレ”も正体を明かし、さらに冷徹な巨悪の影を予感させて物語が終わる。どんでん返しの展開が待っているのだが、冒頭の誘拐事件がかすんでしまうほどの広がり方で、少し非現実感が漂う。コロンバとダンテの親密度、意味深なエピローグから、続編が予想される。
初めてイタリアのミステリを読んだが、舌を噛みそうな登場人物の名前が覚えにくいのと、「機動隊」や「郵便・通信警察」といった珍しいイタリアの警察の部隊名のほかは、意外と普通のサスペンスだった。そういう意味では読みやすかったのだが、何かしら未知のイタリアらしさを感じるミステリを期待していた身としては、物足りなさを感じた。 -
コロンバ&ダンテ この二人は人間愛で結ばれていて姉弟みたいな感じ ロマには発展しそうにないが、その方が良いな
コロンバが同性から見てもカッコイイ ダンテは自分の苦手要素がっつり(ガリでニコチン臭がプンプン)だったので惹かれなかったが、閉所恐怖症のダンテが火の中をコロンバを救出するシーンは男前だったな
ダンテはこのまま行ったら肺がんまっしぐらかも でも、コーヒーには癌予防の効果もあるようで…じゃあ、とんとんってとこなのかなw
サンティーニが上巻では下衆野郎だったのに下巻ではコロンバのバディ並みの活躍 この辺りは面白かった -
4月3日読了。図書館。
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最後まで攻める攻める。
極上エンターテイメント。 -
下巻も予測不能の怒涛の展開が続く。
ローマで起きた児童失踪事件に端を発し、コロンバとダンテは触れてはいけない事件の核心へと近付いていく。次第に事件の周辺で色濃くなる幼い頃のダンテを監禁した犯人パードレ(父親)の姿…
イタリアのベストセラー・サスペンスというだけのことはある、ここ数年では5本の指に入る面白さ。良く練られたストーリーとダイナミックな展開。本当に面白い。 -
イタリア産のミステリーは初めてで人名や地名が新鮮だった。ダンテの設定はとても悲惨で可哀想すぎた。二人の仲が深まっていくのが唯一微笑ましい。
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裏社会との関係性、夜の逃亡劇のくだり、場面場面の登場人物の反応など、所々でハリウッド的なステレオタイプを感じさせるものの、基本のアイデアはユニークで素晴らしく、最後まで飽きることなく読めた。
ただ、このネタならもっと面白く書けても…という思いもあり、星5つとはしなかった。偉そうなことを言わせてもらえば、アイデアに筆力がついていってない状態ではないかと。マンガでいうなら、原作者の素晴らしいストーリーを平凡な作画・演出(下手ではない。プロとしての実力は十分)で読まされてる感じ。 -
イタリア人作家が描くサスペンス小説。図書館の当日返却棚にあった一冊。イタリア人作家の現代小説は初めて読んだが。欧州文明の発祥地であるイタリアからの現代の暗転をテーマにしたサスペンスは、なかなか読み応えがあった。