トッカン―特別国税徴収官―

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091376

感想・レビュー・書評

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  • 本人は軽妙な語り口、のつもりなのだろうけれど、ダダ滑り。ドタバタしながら、自分だけが笑っている印象。特異なシチュエーションを用意したなら、あとは淡々と行った方が面白くなる。
    物語を叙述が台無しにした格好です。無惨。

  • トッカン、特別国税徴収官、とは、税金を滞納する人間に対して勧告を行い、時には「S(差し押さえ)」までする、誰もから忌み嫌われる官職だ。
    安定を求めて公務員になり、このトッカン付きとしてハスキー犬のような怖い顔&敏腕やり手冷血無比なエリート上司、鏡のパシリをしているぐー子(本名は鈴宮だが、すぐに「ぐ」と言葉に詰まることからこう呼ばれている)は、鏡のやり方に納得がいかず、自身の仕事にも疑問を抱いている。
    途中までは、よくある「ちょっと変わった職業のお仕事小説」として興味深く読んでいたけれど、ぐー子の内面深くまで掘り下げ、その偽善や傲慢と向き合うくだりからは、話がぐっと引き締まって、ただのお仕事小説よりも一歩踏み込んだおもしろさがあったように思う。
    すでに続編も出ているみたいだから、続きが楽しみ。

  • 税務を舞台にした物語はマルサがほとんどだが、徴収に焦点を当てた珍しい作品。

    主人公である特別国税徴収官、"グー子"こと鈴宮深樹が滞納者の取り立てを通して成長していくお話。
    この主人公の設定が「もともと国税には興味無かったが、公務員試験に国税しか引っかからなかったため入庁した」と妙にリアルなのが面白い。

    実際の国税の仕事にどこまで忠実かは知らないけれど、仕事内容についてはそれっぽく描けているし、細かく取材している印象を受けた。
    それでいて作品としては非常に読みやすいので、税務の仕事について知るための入口として読むのも良いのではないかと。

  • 読みやすい文章で、コミカルな登場人物が多かったのでサクッと読めた!

  • 事務的ななにか。凶暴な言葉。

    「この世にどんな極悪非道な悪人がいたとしても、一番多くの人間を殺しているのは、紛れもなく国よ。」

    「この日本で、一番多くの被害者を出す犯罪はなんだと思いますか?そして、その被害者は何人くらい?」「被害者の数は、一億五千万人」「そして、犯罪の名前は『脱税』です。脱税は、この世でもっとも被害者の多い、重い罪なのです。」

    「そうです。お金になんて、殺されないでください。お金はただのお金です。あなた方の命を奪うようなたいそうなものじゃないんです。命のほうが、ずっとずっと重くて、価値のあるものじゃないですか。そんなのきれい事だってわかっているんですけど。口で言うのは簡単で、きれい事なんだってわかっているんですけど。」

    「もっと頼ってください。そのための、国税局です。ー生きるための」

  • 鏡さんとぐー子の行方は?
    おもしろかったです。

  • トッカン。
    税務署の取税人の面白話、成功したやつは影で悪どいことをやっている的な話かと思いきや。
    全然違う。
    特別国税徴収官(トッカン)が徴収するために育てるのは、
    公平さ、税を払おうとする気持ち、
    そして、
    人間の尊厳
    グー子は、冷血無比なトッカン鏡のもとで、これらを徴収することができるのか?
    そして、自分の尊厳を取り戻すことができるのか。
    涙なくして読めません。

  • test

  • 軽快なテンポで話が進み読みやすい。税務署員というあまり馴染みのない職業について知るにはいい作品かと。

  • トッカンとは何か、初めて知りました。
    桂望実あたりが書きそうな感じ。
    主人公の二人、図書館戦争のあの二人を思い出した。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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