紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

制作 : 古沢嘉通 
  • 早川書房
3.92
  • (102)
  • (134)
  • (71)
  • (20)
  • (6)
本棚登録 : 1304
感想 : 152
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153350205

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • SF短編集。
    全体的に良かった。一編目からぐっと引き込まれました。
    壮大にSF的展開をするものや理系の小難しい作品もあるものの、あまりSF臭のしないものもあって作風が多彩。
    個人的には「紙の動物園」「心智五行」「良い狩りを」あたりが好きだけれど、「文字占い師」が衝撃的でどうしても印象に残っています。これは悲し過ぎる。うーー。
    良かったけれど哀しい話が多め。

  • 今年読んだ本のベストに入るだろう。
    素晴らしい短編集。
    あまりSFを読まないので慣れないところもあった。
    また多くの作品は、縦軸として異なる文化の間にいる痛みを描いていて、それは少なくはないとはいえ大多数の人が抱えるとは言い難い。
    しかし、どの作品も普遍的な愛(とりわけ親子)が横軸を貫いているため、深く共感して読むことが出来た。
    共感しただけ辛くなる作品も多いが、苦しいだけではなく、深い愛情が体に染み渡って、少し生き返るような気持ちさえした。
    どれも見事だが、私の奥底に突き刺さってきっとずっと抜けないだろう作品は「文字占い師」。

    「こんな悲しい話を聞かせて申し訳ない、リリー。だが、中国人は長いこと、語って聞かせられるような幸せな話を持っておらんのだ」

    この言葉に込められた苦痛と愛情に胸が震えた。
    訳もとてもいい。

  • 2016.5.6 読了

  • 抒情がありながら、きちんとSF。郷愁はブラッドベリのようで、斬れ味は宮内悠介のようで。受賞ラッシュとなったのは欧米が期待するオリエンタリズムに上手く応えているのも大きいだろう。その辺上手く調整・プレゼンできれば日本人作家も普通に勝負できるように思う。

  • 又吉さんオススメで評判も良いSF短編集というイメージが強く手に取ってみた。
    表題作の「紙の動物園」は読みやすいのでつかみはokだったけど他は自分には読みにくく手こずった。「もののあはれ」と「良い狩りを」は面白かった。少し足穂的かな〜と思いつつ、またの機会に読み直したいとは思う。

  • タイトルとなっている冒頭の短編からして泣いた。全体を通じて、命の美しさと儚さ、身体性、(家族)愛がテーマ。SF的世界観や技術的な話は控えめで、パーソナルな語り口なのでSFに馴染まない人でも読みやすいと思う。人類の進化に対する思索と希望に溢れている。

  • 話題になっていたので、読みたかった短編集。表題作はどちらかというとファンタジーの趣きがある作品。SFとしてすごいというより、ジャンルをこえて万人に訴えかける力がある。その他の作品でも、感傷的な人間ドラマがしっかりと描かれていて、SFをあまり読まない人にも受け入れてもらえる気がする。長編もぜひ読んでみたい。

  • 最近流行るSFは理系なのではないか?「火星の人」は科学だったが、こちらはIT色が強い。ケン・リュウはIT畑出身者らしいがさもありなん。自分が強度に文系頭なので、両方ともテクノロジー系の描写を読み流してしまったが、本書のAIなどテクノロジーの発展と人間の感情や生死(不老不死)との関わりの追及は極めて現代的だ。
    SF(というかファンタジーというか)と、ITと、中国・日本・台湾などの東洋色の融合。表題作のアイデアと抒情性が、あざとさとスレスレではあるが、よかった。
    突出して優れているという印象でもないが、人気が出たのはなぜだろう?アマゾンで火花とセットで買う人が多いというのは又吉さん推奨案件なのか。

  • 「心智五行」と「どこか遠いところでトナカイが」がわりと好き。「もののあはれ」も、うん、まあ、ストーリー的には嫌いじゃない。
    「結縄」は…こういう話はしんどくなりますね…。

  • 15篇が収録された短篇集。
    紙の動物園、
    結縄、
    選抜宇宙種族の本づくり習性、
    心智五行、
    文字占い師、
    が好みでした。

全152件中 91 - 100件を表示

ケン・リュウの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×