クライマーズ・ハイ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1998
感想 : 323
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163220901

感想・レビュー・書評

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  • 日航機墜落事故の現場を取材する群馬地方誌の新聞記者悠木たちの現場は戦場のようだった。それはあたかも登山家が頂上を目指すときの高揚した「クライマーズ・ハイ」の心境のように見える。そして記者仲間の登山家崩れ?安西の闘病とその息子・燐太郎と心の通合いは爽やかな場面です。著者には珍しい推理・警察小説とは違った分野ですが、やはり著者の知らず知らずのパターンが出来ているのではないでしょうか?「半落ち」を思わせるような人間の描き方ですし。悠木と燐太郎の関係は半落ちの息子に擬せた青年への拘りに似ているように思います。また、日航機事故と谷川岳登山という2つのテーマが1つの小説の中で重なっている必然性は何かなと思いながら読んだのですが、それは恐らくタイトルに隠されていると思いました。私自身が阪神大震災の時に経験した大阪総務での業務を思い出し、あれは正にクラーマーズ・ハイの状態だったと思います。「下りるために山に登る」頂点を極めてからが本当はしんどいのだ、という意味も痛いほどわかります。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||Y
    資料ID:50300773

    2008/7/5公開予定『クライマーズ・ハイ』原作

  • 1985年8月12日に起きた、日航ジャンボ機墜落事故をテーマにした作品。

    墜落現場の群馬県の新聞記者たちの、激動の7日間。
    1つの新聞を作り上げるために団結し、衝突する。

    仕事に生きる男たちの生き様がめちゃカッコイイ!!

    泣ける場面もあり、良い作品でした☆☆

  • なんとなく敬遠していたのですが…
    面白かった!
    読んで良かった!

  • 横山さんの作品ではこれが一番好き。

  • 前代未聞の日航機墜落事故。その墜落現場の地元新聞社の苦悩を描く。横山秀夫の作品を読むのは2回目だが、どうもじめじめした感じが私には合わない。

  • 航空機史上世界最大の事故。

    群馬の山中に落ちてしまったその飛行機が男の運命を変える。
    命とは何なのか、新聞が伝えられることは何なのか。

    藻掻き苦しむ男たち。

  • 御巣鷹山の飛行機事故の際,地元紙「北関東新聞」のデスクだった悠木が主人公.飛行機事故直後から始まる怒濤の取材合戦と,浅間山荘事件や大久保事件を勲章にして来た上の世代との記者との駆け引きも描く.飛行機事故がおこる翌日に一緒に登山予定だった安西親子とのプライベートでの関係も同時に進行する.

    クライマックスは事故原因「圧力隔壁」の情報をつかみながらもウラが取りきれず,翌日の新聞に載せるか、載せないかの葛藤を描く部分.

    十分おもしろんだけれど,激しい出来事が箇条書きで並んでいて,盛り上がり方は「半落ち」の方が好み.

  • 日航機墜落事故に翻弄される新聞記者の激動の日々。

    著者が実際に記者として同事故を取材した経験があるためか、新聞社内部の描写がリアル。横山氏は部下や上司とのせめぎあいを書くのがうまいなぁと改めて実感。
    自分の上の世代のいわば「おじさん」の視点を興味深く、また好感を持ちつつ読めた。
    後半悠木が家で妻や息子と接するシーンには子供目線と親目線両方の感覚に切なく温かい気持ちに。照れや怖れで探るようなコミュニケーション。子供時代に経験しても大人になってうまくできるわけじゃない。でもこれも悪くないんだよね。

    引き換え望月や悠木の母のエピソードがあまりうまく生きておらず、盛り込み過ぎかなという印象も否めず。
    望月彩子の訴える人の死の扱いの差というテーマは考えさせられるものの、オチができすぎで追求し切れた感が薄いのも残念。
    満足度は他の警察ものの方が高かったなぁ。

  • 大好きな横山秀夫さん作品の中でも、特に印象深い一作。
    最大の航空機事故となった、日航ジャンボ墜落事故。群馬県御巣鷹山に墜落し、520名もの犠牲者を出した実在の事故を追いかける、架空の新聞社、北関(キタカン)の悠木を中心に物語が進む。
    登山家が頂上を前に感じるという高揚、クライマーズハイ。ジャンボ墜落を追いかける中で、悠木が感じたクライマーズハイが、仕事、登山家である同期、部下、上司、家族の中で揺れ動く葛藤と共に描かれ、読み手の心を揺さぶります。

    必読。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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