クライマーズ・ハイ

著者 :
  • 文藝春秋
3.97
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本棚登録 : 1997
感想 : 323
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163220901

感想・レビュー・書評

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  • 4.6
    面白かった、やはり私はミステリーやサスペンスより、ストレートな話しが好きなようです。
    熱い男達が出てきます。
    自分自身の仕事に向かう姿勢を考えさせられる一冊でした。

  • 新聞記者の人生が日航機墜落事故によって大きく揺さぶられ、生き方を見つめ直すまでに翻弄される記者の物語。
    記者の記事に懸ける情熱がよく伝わってきたし、スピード感もありました。
    横山作品は短編が多いですが、これは著者初の長編作品です。
    読み応え充分で、満足しました。

  • ぼくはこの飛行機墜事故を情けないことに知らなかったし、その壮絶さを想像することもできないです。でも、この小説を通して、ほんの少しでも事故や事故に巻き込まれた人々の思いに近づくことができれば、、と思います。人間とは、仕事とは、家族とは、いろいろなことを考えさせてくれた素晴らしい小説でした。

  • 日本航空123便墜落事故を題材にした作品だが、本質は新聞社により新聞が発行されるまでのドラマを描いた作品だった。この作品を読んで、普段読み流している新聞の見方が変わった。少し冗長気味にも感じたが、良い作品だと思う。

  • 群馬の地方紙の記者達の、未曾有の航空機事故発生からの1週間の暑い日々。
    17年後、記者として、父として、自分に向き合った悠木は、谷川岳衝立岩に挑んでいた。

    新聞が発行されるまでの緊迫した状況に、常にドキドキしながら読み進めました。
    携帯のない、ようやくポケベルで連絡を取り合う時代だからこその焦れったさが、そのドキドキに輪をかけていたように思います。

    事故の悲惨さは、当時も連日の報道で見聞きしていましたが、今回また改めて思い出しました。
    現場に向かう記者、それを総括するデスク、必要な情報、生かしたくても生かせない記事、部外者としては歯がゆくて仕方がなかったですが、この世界には当たり前の事なのですね。
    組織に翻弄されながらも熱く戦う男達に魅了されました。
    悠木が隔壁の記事に踏み切れなかったところは、事実を知っているだけに苦しく悔しかったです。

  • 日々手元に届く新聞ができあがるには、こんな裏事情があるのだということを知った。この著者は12年間記者をしていたとのこと。だからこんなに臨場感あふれる描写ができるんだろうなと思った。
    著者が一番伝えたいことは一人一人の命の重さなんだろう。マスコミで派手に報道され多くの人が悲しむ死と誰にも知られずひっそりと去っていく死と、命の重さに差はあるのかどうかということ。この問いを読者へ訴えるためにこれだけ多くの伏線があり、多くの人物が描かれ、壮大な物語になっているところがやはり作家というのは筆力があるなあと思った。
    出てくる人物がそれぞれの場所で懸命に生きていて、読後感が良い話だった。

  • 朝日新聞で著者のインタビュー記事を見て。
    日航機墜落事故から32年。当時小学生だった私でも、鮮明に記憶に残っている。
    映画にもなったこの作品。ふと、原作を読んでみたくなり手に取る。
    読み始めると物語に引き込まれ、一気に読了。夜更かししてしまいました。
    それだけ、引き込まれる文章。
    新聞社での緊迫したやり取り、父と子の関係性。
    報道者にとっての人の死の重さとは?というところも考えさせられた。
    素晴らしい作品です。

  • 実際にあった日航ジャンボ機墜落事故
    これを取材していく地元新聞社に勤める人間模様
    家族や友人、命の重さなど読み応え有る作品です

    当時まだ子供だった私にも、このニュースはかなりの衝撃でしたが、子供だったが故に詳しい内容までは分かっていませんでした

    携帯が普及していない時代も、情報は当たり前のように見聞きしてましたが、現場の捜索や捜査、取材は大変な苦労の元に届けられていたんですね

    また、命の重さについても考えさせらられました
    どの命も、誰かにとってはかけがえのない大切な命であると知っているならば、もっと優しい世の中になれるんじゃないかと

    作品と関係ありませんが、最近特になんとも消化しきれない事故や事件が多く感じられるが、法を扱う方達はもっと命の重さを他人事じゃなく自分の事として感じて欲しい
    被害者の命は戻らないし家族の哀しみもまた癒えることはないのです


    「下りるために登る」
    主人公の出した答えと異なりますが、私は生きる事が一番大切なんだと感じました
    死ぬ為に登るんじゃない、生きてまた登る為に山を下りる
    山だけじゃなく、生きる為に下りることの大切さを深く考えさせられました

    最後に、銀色のハーケン、繋がったザイル、心に染み入りました

  • 「下りるために登る」
    その言葉の意味を、私が完全に身体の中に落とし込むには、まだまだ何年もかかるだろう。
    この本を評する言葉を、私はまだ持たない。

  • 映画を観てから原作を読んだ。映像の背景にあるものがよくわかった。新聞作りの緊迫感が面白い。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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