クライマーズ・ハイ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1997
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163220901

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーではないけど。。

    熱い!地方紙の新聞記者が世界最大の惨事の担当に、そこに生まれる、思いと葛藤、組織ゆえの軋轢・苦悩。その果に出した決断。

    という記者の面を描いた部と、その記者の私生活、特に家族との関係性に悩む面と。

    記者視点の部分が、すごい勢いがあって面白かった。そんなむちゃくちゃなー!!ってことがいっぱい。正しくクライマーズ・ハイ状態!このテンションで仕事したいって思う!

  • 日航機墜落事故をめぐる、墜落場所である群馬の地元新聞社を舞台にした話。

    登山者のいわゆる「クライマーズ・ハイ」と、日航機で犠牲になられた乗客が恐怖の状況下で家族に遺書を残した冷静さとが重なって見えた。

    「山に来ると不思議なほど正直になっちゃう」のは「ひょっとしたらこれがこの世で最後の会話になる。無意識にそう思ってる」からだというところが、すとんと腑に落ちた。

  • 日航機事故を題材にしてるから読んでみたけど、内容は新聞社の内情暴露話。おもしろいけど普通かな。

  • とても面白かった。新聞社内の権力争い・親子関係・新聞記者たちの奮闘が、ヨク描かれていました。横山秀夫さんの著作は何冊か読みましたが、一番面白かったです。

  • 下るために、登る。
    ってか、登ったら、降りなきゃ。無事に降りなきゃ、ね。
    だから、無事に登んなきゃね。

    このころ、将来について、父親と話をしていたっけ。
    ちょうど、お盆前。進学したい、と切り出したところ。
    突然のニュース速報。で、話は中断、後のことは?
    忘れられない、夏。高校2年の、夏。

  • 男臭い本!大好きです。
    地方新聞にふりかかる大規模飛行機事故。取材する記者たちのそれぞれの葛藤がすさまじい。
    事件が起きれば誰かが傷つくし、その傷はなかなか癒えません。でも世間はすぐに事件やその傷のことを忘れてしまいます。それは私たちの防衛機能の一つだと思うのですが。
    痛みを共有することはできませんが、その痛みを無視するようなことはしないようにしたいと思いました。
    難しいけど。

  • そのうち読もう読もうと思っていたら、随分時間がたってしまって。
    近年佐藤浩市主演でテレビドラマ化され、
    さらには堤真一主演で映画化にもなって、完全に読むタイミングを逸してました。

    1985年に起きた日航機墜落事故。
    520人もの犠牲者を出した世界最大の航空機事故に、
    正面から向き合った地元群馬の地方新聞社。
    その全権デスク悠木和雄を主役に事故1週間の激動を描いた、
    横山秀夫3本の指に入る秀作です。(個人的に)

    警察小説が代名詞でもある著者が、どうして新聞記者の話を書けるのか?
    その疑問はあっという間に解決。
    実は当時、著者はまさにこの航空事故の記者として、
    墜落現場の御巣鷹山に登っていたのですね。
    そういった意味でリアリティがあるし、文章からも鬼気迫る迫力が伝わってきます。

    色々な要素による「対立」がこの作品では描かれています。
    それが熱い想いとなって伝わってきます。それが1番の魅力でした。
    それは地方新聞社と中央の全国紙の格差であったり、
    社内における出世欲やライバルだらけの組織社会であったり、
    記者と営業と販売と言う、同じ新聞社でも違う部署間の衝突であったり。

    そして紙面作りだけのドラマに終わらないところももうひとつの魅力。
    「下るために登るんんさ―」
    とは、友人安西の言葉。その意味を最後の最後で読者は知るわけですが、
    人は罪を背負って、人生と言う登山をする生き物なのだという、
    谷川の衝立岩を登るラストが秀逸でした。
    衝立岩、噂には聞いていましたが、やばいっすね。
    検索してみて素人が登れる岩山じゃないと気づきました。
    読みながらいつか挑戦してみたくもなりましたが、あえなく撃沈(笑)

  • ずっしり読み応えのある小説だった。新聞記者という職業がよくわかった気がする(^(エ)^)過去と現在を交互に読んでいく造りで飽きないダレない(笑)
    心に響く一冊だった。

  • 史上空前の大惨事、日航機御巣鷹山墜落を題材にした、フィクション。描写にすぐれ、読む人を虜にします。

  • 映画化したこともあって、タイトルは知っていたけど、人に勧められたことがきっかけで読んだ作品。勧められなければたぶん読むことはなかっただろう。

    とにかく熱い話だと思った。主人公の悠木が不憫に思えて仕方なくなったけど、それだけにラストが爽やかで感動した。

    勧められて本当によかった。読書も一期一会だと思った。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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