ケッヘル 下

著者 :
  • 文藝春秋
3.60
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163250502

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに呼んだ中山可穂。まさか新作がミステリとは
    中山テイストが残りつつで新鮮でした。

  • いろんな登場人物が繋がった。最後はちょっと泣けたなぁ。この人の作品はやっぱり濃い。読み終えた時の疲労感がハンパない。

  • 鍵人が育てた美津子の娘も、周囲から隔離された状態で育てられ、ピアニストとなった。

    そのアンナと伽椰とがつながってきた。

    美津子に絡む人びとの連続死。それにしても、辰巳直道の悪行の数々、殺しても殺し足りないほどの恨みを受けた最期だった。

    いろいろな要素を盛り込みすぎた感がある。



    作成日時 2007年05月13日 17:35

  • <font color=#d30066>
    真に人間らしい人生とは、誰かをひたむきに愛し、愛される、薔薇色の不安に満ちあふれた人生のことだ。絶望の淵から生まれた恋。だが復讐の連鎖は止まらない</font>
    <br><br>
    <font color=#5c8dff>【その他読んだ本】</font><br>

  • 上下巻の下巻。
    最期の方は、やや詰まってる感じがします。
    やっぱり読んだあとには、異様に消耗しました。

  • 承前。・・・とはいえ、やはり一気に読まされてしまった。
    一気に読まなければ、ますますごったがえして何がなんだか解らなくなりそうだったし。
    「真性のモーツァルティアン」は、これをどう読むのだろうか。私の大事なケッヘル番号を汚された、などという抗議は・・・くるわけない?
    帯に「著者新境地にして最高傑作」とあるけれど、そうかなぁ、っていうか、新刊にそういう謳い文句ってどうかなぁ(ケチのつけかたがせこいけれども)。

    うまく説明できなくてもどかしいが、私には「モーツァルト」ってところが引っかかるのかもしれない。
    モーツァルトは天才でその音楽は神の賜物、そのことは私もよく知っている、感じている。
    にもかかわらず、それだからこそむしろ、「モーツァルティアン」を堂々と名乗る人々(も実際に知っている)のことを、胡散臭い、と、一瞬思ってしまうからかもしれない。
    ケッヘル番号にどうしてそこまで拘るのよ、ってな具合に絡みたくなる。
    ドイツ留学経験者で学会帰りの心臓外科医やトルコ絨毯を商う貿易会社経営者、そのうえで高校時代から「筋金入りの熱烈なモーツァルティアン」、そんな二人が二人とも、時すでに経って然るにプラハ訪問は初めて、ということがあるかなぁ。
    だいたい、自分のことをモーツァルティアンと称するくせに、「モツレク」と省略するのが気に入らない(敬意を込めて、「モーツァルト・レクィエム、K.626」って言いなさいよ、その都度!)。

    ほとんど酔っぱらいの戯言みたいになってきました、ごめんなさい。
    私の性格が悪い、ってことなの?
    ともあれ蘊蓄過多のアイディア倒れ盛り沢山過ぎ、という感を拭えません。ものすごい量の調査と体験がなければ書けないこともたくさんだから、そのぶん各国語の片仮名表記や典拠の不備など瑣末な事どもが気になって残念。画竜点睛を欠く。この上下2巻の中のどのエピソードでもいい、切り取って濃縮して短編にしたら、ものすごく惹かれるかもしれないのに。と、これだけ言っても全く何も言ってないのと同じだ、という気にもなってしまう。とどのつまりは著者の力。感服、だけど当分は満腹。

  • 添乗員の仕事を始めた伽椰の周りで殺人事件が相次ぐ。新しい恋と不穏な空気の中、伽椰は真犯人へとたどり着く。そこには不幸な連鎖があった。う〜ん、モーツアルトが特に好きなわけでもない私には正直めんどくさい部分もあったけど、他人とうまく付き合うことの出来ない人達の苦しみと悲しみを世界を駆け巡って描いているところは引き込まれました。読み出したら一気にラストまで駆け抜けられます。

  • 5月1日読了。不条理な村上春樹的世界が展開されていくと思いきや、唐突な「犯人は誰か?」な展開にビックリ。ミステリだったのねこれ。この構成ならでは、の展開なのだけれど遠松鍵人氏の数奇な人生・後編をもっと描いて欲しかった気もする。前編と後編の「先が気になる」感にも、質的違いがある気がします。後編はありがちな話になってしまったような・・・。後他の書評にもあるけれど、彼女は無条件に受け入れられてしまっていいの?それほど、万死に値するほどの罪であったのか?

  • 4/21 やはりラストにかけてはそれまでのストーリーの疾走感に比べるとやあっさりしすぎているきらいがあるが、最後まで楽しめた。アンナの精神状態をもっと描いてほしかったのと勧善懲悪的なラストを求めてしまうのは個人的な不満だろうか。

  • 【真に人間らしい人生とは、誰かをひたむきに愛し、愛される、薔薇色の不安に満ちあふれた人生のことだ。絶望の淵から生まれた恋。だが復讐の連鎖は止まらない】

    <br><br>上巻を読み終わってすぐ下巻に入りました。
    <br>こちらは上巻より面白かった!
    <br>それぞれの登場人物の想像も付かないような人生にすっかりハマってしまいました。
    <br>読み応え十分でした。

  • 上下とも一気に読めました。ストーリーにどんどん引き込まれました。

  • 2月4日読了。
    あわせて900ページ、一気に読めた。
    書店員さんに勧められて読んだ、特濃小説。
    いろんな要素が混じりまくり。
    さらに、著者が本気のレズビアンらしい、ってことで、
    うがった読み方出来まくりの小説。

  • 下巻に入ってから、物語は一気にミステリーモードになった。
    東欧をはじめとする、モーツァルトゆかりの優美な国々を舞台に、過去の悪夢と現在の事件が複雑に絡み合った様相を現していく・・・という王道ミステリーといったかんじだ。
    情報に翻弄される主人公、伽耶と同じように、めまぐるしく変わる「怪しい」人たちや登場人物たちに読んでいるほうも惑わされる。
    ラストがちょっと物足りない感じもしたけれど、中山可穂の新境地をたっぷり堪能した気分だ。

  • 月9の『のだめカンタービレ』とか。
    読んだ時期がとても恵まれてました。

  • 上巻のレヴューに大体の感想を書いたけど
    下巻は更に、盛りだくさん。
    登場人物がみんな濃いので
    かなり疲れますが、一気に読めます。

    中山可穂を読むのが
    これが最初なら、もっと楽しんで
    すごいすごい!って大騒ぎしたかも。

    ずっと読んできた身としては
    彼女の小説のパターンからは、ずいぶん大きく、うまくなったと思うけど
    登場人物のパターンからは、やっぱり抜け出てない感じがしました。

    とはいえ、いろいろ不満を抱えながらも、
    新刊が出たら、読んじゃう作家ではあります。

    せっかくだから、ずっとモーツアルトを聴きながら読みました。
    情熱的で激しいながらも、理知的であることを
    失わない文章は美しいです。
    特に音楽の描写はきれいでうっとりすることも。

  • 復讐の連鎖に巻き込まれていく主人公は、魅惑のピアニストに出会う。

  • おもしろすぎて、どうかなるんじゃないかと思った。

  • 2007/3/6読了

  • 後半の展開は、私としてはやや失速気味。なんか思ったよりもどろどろとしてきたのが残念。遠松氏の生い立ちが鮮烈だっただけに、こういう展開は悲しすぎるなあと。納得のいかない最後にも残念。

  • ミステリー&LOVE

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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