サマーバケーションEP

  • 275人登録
  • 3.46評価
    • (28)
    • (35)
    • (65)
    • (10)
    • (7)
  • 50レビュー
著者 : 古川日出男
  • 文藝春秋 (2007年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163257204

サマーバケーションEPの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 夏の夢の様。夢のなかでは不思議なことも妙に納得するし、ちゃんと理由も理解している。なんらわからないことなんてない。目を覚まして、その続きが気になるけど、同じ夢はもう見ることができない。でも怖い夢を見た様な悲しさもない。ソーダ水の泡みたいな感じがすごくよく感じる。
    夏って、自由でいいんだって、自分の生きるは夏みたいに過ごしてもいいんだって、思いたい。

  • 他人の顔を識別できない「僕」。冒険後に上演される再現映像。その登場人物たちには顔がない。けど声の体温が、人の匂いが、色彩が、鮮やかに思い出される。これほど爽やかで切なくて愛おしい記憶ってあるだろうか。ウナさんは混濁した意識のなかで「顔のない少年」の物語を聞いた体験が忘れられないが、冒険を終えた「僕」には、その感覚が痛いほど理解できるに違いない。

    限りなく視覚的なのに顔が出てこない、夢のような物語。小説でしかできないことをやってのける。

    東京を知っていると2倍楽しめる。知らない人はグーグルマップで足跡を辿ろう。うちの近所は行間で通り過ぎられた。

  • 爽やかで、スローテンポで、夏休み。他人の顔を識別できない主人公の視点で語られるせいか、少し変わった雰囲気。良作だと思います。

  • 2014/10/25読了

  • 2014年8月16日

    Artwork & Artwork Direction/太公良
    Art Direction & Design/佐藤有(D-knots)

  • 井の頭公園に湧く水をたどりながら、僕たちは海まで歩く―
    それは、永遠の夏休みのはじまりだった。

    ひととひととがつながりあうミラクル。
    おだやかな熱に包まれる再生の物語。

    。・゜*・。・゜*・。・゜*・。・゜*・

    H24.9.22 読了

    文体に慣れるまでは大変だったけど、慣れてからはリズムにのって読むことができた。

    のんびりした気分になれて、社長と子供たちのやりとりではクスっときたり、生き抜きに丁度良いお話だなと思いました。
    でも、最後のあの後が気になる…

    読み終わった後に地図を見て、初めて神田川や隅田川の大きさを知り、隅田川の大きさに驚きました。
    ひとつ勉強。

  • 古川日出男といえばなんだか猛々しいイメージだったが、これはいい。主人公の語り口が誠実で優しい。
    文章の長さに対してちょっと登場人物過多な気もしなくもないが、たくさんの人を巻き添えて楽しみが広がっていくようなところもこの小説の良さのひとつであって。
    タイトル通り、夏休みのワクワク感に満たされる小説。

  • 10代から20代前半の人が、学校や職場以外での出会いや出来事を描いてる作品がすき。私もこの小説にあこがれて、友達と散歩にでたが、特にコレといった出会いや出来事もなく、20キロ時点で足つって泣く泣く電車で帰ってきました。私も主人公と一緒に歩きたかった。

  • 神田川の源流から歩いて海を目指すって話。道中、出会いあり、別れあり、異文化交流あり、決闘ありと、物語的には王道の冒険小説な感じ。
    他人の顔を識別できないっていう特異体質をもつ主人公の一人称ですすんでいくので、文体がすごく変わっていて、細かい情景よりも、色とか形とか匂いとかが大切にされててて、映像がまったく浮かんでこないのがすごく不思議。
    あと、おかしな登場人物とただただ歩き続けるって話なのに、ロードムービー的なコアな自分語りが出てこないもの新鮮。主人公なんて誰と歩いているかよりも何人で歩いてるかの方を気にしてたりするし。
    ぼやっとしてふわっとして時にとうとつだけど、読み終わった後は、いいなあ、ただ歩きたいなあって気になる。そんなキュートな冒険物語。

  • 井の頭公園から海まで歩く。大人の夏休みの冒険。

    顔の区別がつかないけど魂が見える青年「僕」、社会人二年目の青年「ウナ」、自殺未遂を繰り返していた女の子「カネコ」の三人が中心になって物語りが進む。

    スタートする時の彼らは心に深い何かを持っていたが、この冒険や冒険を通じた出会いが彼らを変えていった。

    ゆっくり過ぎる時間がとても心地好い。

    こんな夏休みが欲しい。

全50件中 1 - 10件を表示

古川日出男の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

サマーバケーションEPを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

サマーバケーションEPを本棚に「積読」で登録しているひと

ツイートする