サマーバケーションEP

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163257204

感想・レビュー・書評

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  • 失顔症の青年の夏休みの冒険は
    井之頭公園から神田川をたどって海へ向かう。

    最初は一人だったところから
    ウナさんとカネコさんがいて増えたり減ったりしながら
    途中は総勢16人。

    顔を認識しない青年は、
    声、温度、体温、いろんなもので人を認識する。

    それは顔をみるよりも
    もっとその人をよくわかっているのかもしれない。

    素敵な夏休みだ、
    最後がまだ繋がっていくような終わり方なのもよかった。

    自転車の後ろに乗るとこはとても新鮮だった
    足つぼマッサージで寝ちゃうところがめっちゃ可愛いと思った。
    東京の地理に明るいともっと楽しめるかな。

  • 夏の夢の様。夢のなかでは不思議なことも妙に納得するし、ちゃんと理由も理解している。なんらわからないことなんてない。目を覚まして、その続きが気になるけど、同じ夢はもう見ることができない。でも怖い夢を見た様な悲しさもない。ソーダ水の泡みたいな感じがすごくよく感じる。
    夏って、自由でいいんだって、自分の生きるは夏みたいに過ごしてもいいんだって、思いたい。

  • 他人の顔を識別できない「僕」。冒険後に上演される再現映像。その登場人物たちには顔がない。けど声の体温が、人の匂いが、色彩が、鮮やかに思い出される。これほど爽やかで切なくて愛おしい記憶ってあるだろうか。ウナさんは混濁した意識のなかで「顔のない少年」の物語を聞いた体験が忘れられないが、冒険を終えた「僕」には、その感覚が痛いほど理解できるに違いない。

    限りなく視覚的なのに顔が出てこない、夢のような物語。小説でしかできないことをやってのける。

    東京を知っていると2倍楽しめる。知らない人はグーグルマップで足跡を辿ろう。うちの近所は行間で通り過ぎられた。

  • これは夏の本だ。

  • 爽やかで、スローテンポで、夏休み。他人の顔を識別できない主人公の視点で語られるせいか、少し変わった雰囲気。良作だと思います。

  • 2014/10/25読了

  • 2014年8月16日

    Artwork & Artwork Direction/太公良
    Art Direction & Design/佐藤有(D-knots)

  • 井の頭公園に湧く水をたどりながら、僕たちは海まで歩く―
    それは、永遠の夏休みのはじまりだった。

    ひととひととがつながりあうミラクル。
    おだやかな熱に包まれる再生の物語。

    。・゜*・。・゜*・。・゜*・。・゜*・

    H24.9.22 読了

    文体に慣れるまでは大変だったけど、慣れてからはリズムにのって読むことができた。

    のんびりした気分になれて、社長と子供たちのやりとりではクスっときたり、生き抜きに丁度良いお話だなと思いました。
    でも、最後のあの後が気になる…

    読み終わった後に地図を見て、初めて神田川や隅田川の大きさを知り、隅田川の大きさに驚きました。
    ひとつ勉強。

  • 古川日出男といえばなんだか猛々しいイメージだったが、これはいい。主人公の語り口が誠実で優しい。
    文章の長さに対してちょっと登場人物過多な気もしなくもないが、たくさんの人を巻き添えて楽しみが広がっていくようなところもこの小説の良さのひとつであって。
    タイトル通り、夏休みのワクワク感に満たされる小説。

  • 10代から20代前半の人が、学校や職場以外での出会いや出来事を描いてる作品がすき。私もこの小説にあこがれて、友達と散歩にでたが、特にコレといった出会いや出来事もなく、20キロ時点で足つって泣く泣く電車で帰ってきました。私も主人公と一緒に歩きたかった。

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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