私の男

著者 :
  • 文藝春秋
3.56
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本棚登録 : 5026
感想 : 1014
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264301

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んできた桜庭作品とは感じが違うからなかなか手を出さずにきた一冊。読み始めると惹き込まれて一気読み。時系列が逆になっているので段々と色んなことに明らかになっていく。どろどろしてるし花と淳悟の愛の形は歪みきってるのに、文章がとても綺麗で、もう一度読みたいと思わせる作品だった。最後の方は今読むと少し辛いものがあるかも。2011/533

  • 新婚の現在から、おとうさんとのこれまでの生活を過去に遡って、おとうさんと出会うまで読み進めていく。

    娘もおとうさんもそれぞれ心に闇を抱え、さらに新たな闇を共有したからなのか、お互いが依存し過ぎて離れ難くなっている。
    でもだからと言って、超えてはならない一線を越えてしまう点は理解しがたいなぁ。

    読み応えはあったけど、気になる事もあり余りすっきりしない…。

  • 大変印象に残る本。

    読み終わった後は、結構不愉快感が残って、もうこの著者は二度と読みたくないと嫌悪したのですが、数週間経つってみるとナニゲに思い出したりして、意外と良かったのかも...とも思ったりする。不思議な本でした。

    主人公が結婚し新しい生活をスタートしたら父親が居なくなったという状況から、主人公と父親の過去を遡っていくストーリー。父親との恋愛、血のつながりなどが明かされていく。

  • 気持ち悪い話なのに、どこか哀しくて純愛。

    震災によって家族全員を失った、花と、その花を25歳のときに養女として迎えた淳悟のストレートなようなな恋愛のお話。

    花の結婚から物語が始まり、そこから時代を遡っていくというスタイルも珍しい。

    最後に、淳悟がどうなかったのか書かれていなかったのがとても気になるところ。

    花が淳悟にひきとられたとき、決意したことがずっと続けばいいと思ってしまう。

  • これを読み終わって、親子ってどういうつながりなんだろうとか

    最後の終わり方が、離れてしまうことを知っているから
    さびしくなった けど、もしかしてあの終わり方で また再会することを示唆してるのかなと 思ったり思わんかったり。
    時間がたってからもう一回読むと、年齢が変わると見方も変わって また違う感想が出てきました。
    花と淳吾は親子なのかな。 親子の本質ってなんなんだろう。
    きってもきれない関係っていうところはやっぱり親子なのかな。

    あと、映画化にびっくりしました。
    桜庭さんの作品が映画化するっていうのにめっちゃうれしかったけど、どんなふうに世界観とか出てくるんだろうと 監督さんはすごいなと 来年楽しみ。

  • 話はとても面白かったのですが、記憶力の悪い私は何度か人物名が一致せずに、読み戻ったりもしました(笑)
    実父とそんな関係になるなんて…考えただけでもぞっとしますけど、この話ではそれなりにお互い思い合っていることがよく読み取れました。

  •  人の寂しさってなにもせず、なにもされずに放置すると
    こんなに深くなってしまうのだなと思った。
     生々しく、人殺しの場面もあるのに、現実感があって、
    暗いけれど重苦しさはなく、ちょっと他にない一冊。

  • 不完全な自分を埋めるかのように相手を激しく求めて、溺れていく。

  • 上手く言えないけど、この小説何か嫌!
    嫌悪感をなでくりまわされるような感覚がずっとつきまとって離れない。
    この構成じゃなかったら絶対途中で挫折してたね…。
    あー、つらかった…。

    時間にルーズな主人公花、
    二股・三股かけても何も感じてない花の結婚相手、
    実の娘を抱く父親、
    と、キャラの性格も嫌なのに、更に行動も嫌なのだ。
    花が人の話聞かないでパエリアの米粒グリグリつぶしてるシーンとか「あー、やだなー」って。
    多分狙って書いてるんだろうけど、ここまで不快感煽れるのもなかなかすごい…(涎

    物語に漂う閉塞感も二人だけの世界に閉じこもろう閉じこもろうとするねっとりした意志が働いているようで読んでいて辛い。マジで辛い。
    近親相姦、という単語使ってしまえばそれで説明がつくような繋がりではないです。
    作中に出てくる「チェインギャング」という絵画が一番しっくりくるのかも。
    離れたいのに、離れられない。

    この内容で最後まで読ませちゃう構成と、情報量の出し方はやはり見事。
    淳悟と花の出会いがラストの章にあることで閉塞感は緩和されるものの、やっぱ嫌な感じがつきまとって離れないのでこの評価にさせていただきます。つらい…。

  • 同じ表現の重複が海馬を刺激、その点においては良作。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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