私の男

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 5026
感想 : 1014
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264301

感想・レビュー・書評

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  • 読了2回目

    こんな終わり方だったっけ?

    物語は現在から過去に向かって進んでいく。

    間違ったことをしていた2人なのに、最後に幸せな結婚が出来た花は良かったと思うけど、安定した海上保安官の立場を捨てて、どんどん荒んでいった淳悟はどうなったんだろう。

    結末はこれが一番良かったんだろうけど、なぜだか花にはお父さんから離れないで欲しかったかも。

  • 親子間のタブー愛という先入観を持って読んでみたが、これは真の愛の物語と思う。そして人の心はいつまでも同じ所にとどまることができず二人は父として年頃の女性として離れて生きるのを選んだ。それが話の結末。すごくいいエンディングだと思った。明るい未来がありそうでないような終わり方。
    全てを受け入れてくれる、愛してくれる人は異性、同姓、親子とか関係ないのです。そういう人に出会っただけで充分ラッキーと思う。25才の淳吾は9才の花に救いを求めて花は、それを受け入れた。その場面は切なくて涙が出そうだった。タブーであるけど、そういう愛もあるかも。。

  • 歪んでいてどうしようもないけど
    純愛だと思った。
    文章のねっとりした感じが好き。
    薄暗いけど透明な話。

  • 二人に全く共感出来ないので、ただただグロテスクな二人の関係を遡って知っていく本でした。

    最後まで読むと、どちらのせいでもない不幸だと感じます。
    最後まで読んで、第1章を読み返しました。
    過去を捨てやり直す若さがある花と、もう捨てられない老いがある淳悟が離れるのは必然だと思いました。

  • 面白かった
    仄暗い世界観好き。流氷の街っていうのが、また何とも、雰囲気抜群。

  • イエモンにインスピレーションを得ていると知って納得。
    確かに私の知ってるあの世界だ。
    花のことを理解できるのは自分の環境のせいだろうと気付いて妙にざわつく。

  • 遡っていく時系列、登場人物それぞれの視点に立たせたチャプター構成がよかった。
    一人一人の性格や考え方も際立ってくるし、2人の強い絆と歪んだ関係に引っ張られすぎないように読み進められた。都内にいると、自然環境や土着特有の文化、職業に左右されるといった感覚を覚えない。よくも悪くも育った環境にいかに影響されるか、感じさせられた一冊。

  • 重たいけど、スッと入る感じ。とても読みやすい。田舎町の描写が2人の関係を余計歪んだものにさせていた。義父の振る舞いや言葉にキュンときてしまったことも。親子、恋人、近親相姦といった表現じゃなにか物足りない。もっと深くて薄暗い。読み終わった後に『ふぅ…』と溜息を漏らしてしまうような後に引く話。お気に入りです。

  • 読みにくそうなテーマなので手を出せずにいたけど、読んでみたらすごく好きな雰囲気の本でした。暗くて、生臭い。
    孤独だった者同士の依存と愛。現在から過去をさかのぼって書いてあり、読み終わったあとにはまた最初から読みたくなる。花と淳悟の関係が素敵だと思ってしまった。骨になっても一緒に居たいと思えるのはうらやましい。二人が出会ったころの話もよかった。花が人殺しをするシーンは頭の中に映像が鮮明に浮かんでトラウマになる。淳悟が消えてから、二人はどうなったのかまったく予想がつかない。まだ終わっていない気がする。

  • ストーリーとしては賛否両論あるだろうが、物語全体に漂う爛れて寒々しい雰囲気が読んでいて伝わってくる。特に花と大塩爺の流氷の上での対峙の場面、情景が嫌でも目の前に浮かんでくる。それだけでもこの小説を評価する理由になる。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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