凡人のための仕事プレイ事始め

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163725208

感想・レビュー・書評

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  • 「夢、死ね!」

     これ、実際本の中に出てくる言葉です。詳しく書くと仕事で自己実現とか仕事で夢を叶えるとかの啓発系に大して、「死ね!!」なんです。実際、仕事ってそんなにキラキラしていないと。
     このあたりは、皆が薄々感じているけれど目を背けたい部分で、仕事に意味を求めたいからこそ啓発系の本が売れるのです。
     著者が考える仕事する意味は

    1 生活のため
    2 人から怒られないようにする

    この2つです。
     腑に落ちすぎて笑っちゃったんですけど、まさにこれが仕事の本質ですよね。誰かが書いているようなキラキラさは無い。
     特に「人から怒られないようにする」なんて、なんという下らなさと思いながらも、日々を振り返ってみるとまさにその通り、というかそれ以外はないのかも。
     リアルな仕事エピソードが下らなすぎて、身に覚えがありすぎて面白い。ただ淡々と書いているだけのように思うんですが、これだけ楽しく読めるのは、文章がうまいってことなんでしょうね。

  • 「ウェブはバカと暇人のもの」に続いてこの本を読んだ。
    ほんと中川さんって、素直で正直な人だなと思った。そしてさらにおかしい(笑)

    仕事をはなんのためにするのか。→生活のため。そのために→怒られないようにする。

    なるほど(笑)
    でも確かにそうだ。仕事はやはり人からの評価を受けてやっていくものだし、上司にもお客さんにも怒られてはいけない。怒られないために、下の者たちが上の者たちを気遣いながら仕事をする。

    本の中では、中川さんが実際に体験したいろいろな理不尽な話がたくさん例となり、仕事を通じた人間模様を描いている。

    でも、その人づきあいの広がりは社会人になってからやっと味わえるものだし、そこには尊さがあると。

    社会はそこまでかっこよくなくて、もっと人間味のあるところと思わせてくれました。もっと中川さんの話を聞きたいなと思いました。

  • おもしろい。テレビと広告代理店の裏話もセットになってくるので、またよい。

  • 20120923流し読みで一回目読了。
    感想保留。

  • 仕事は「誰かに怒られないためにやる」上司に。クライアントに。世間に。
    仕事は「エライ人の為にやる」
    "俺の手に負えないからお前、やっとけ"とパスを出されたら。また下の立場の誰かにパスを出すのだ。みんな自分でシュートを打ちたくないから。
    だから仕事は「プレイ」で楽しむ。

    結論としては、仕事がデキる人は誰にも怒られない。仕事がデキるようになる為には、日々色んなことにアンテナを張る。どこに何が繋がってるか分からないから。仕事がデキる人は仕事を楽しみ、そして人生も楽しんでいるのだ。

    真っ当で清々しい一冊。

  • 「仕事ってキラキラ・活き活き・ワクワクしてやるべきだ」ということに違和感を感じていたが、この本を読んで仕事にどう向き合っていくか道筋が見えた。印象的なフレーズをいくつか残す。

    ------------------------------
    仕事とは……、人から怒られないためにやるのだ……、と。

    サラリーマンの仕事とは「好きでも何でもないオッサンの出世と名誉と富のために自分の時間を差し出し、働くこと」

    ストレスの正体は自分の力ではどうにもならないことで自分が怒られることにある。

    ビジネスの世界で「聞いてないよ」を回避することはかなり重要である。連絡はこまにし、関係者全員が知っている状態を作ることが仕事では重要である。

    やりたいことがやりたければ、1)会社に莫大な利益をもたらし、怒られない存在になるか、2)個人で仕事をする、と。それが出来ないなら、甘いじて汲々とプレイする。

  • (感想)
    素直でリアルな仕事観。誰もが思ってはいたが意識しないし書かなかったこと。
    怒られないように仕事をするのではなく、喜んでもらえるように仕事をしたいものだ。上司のためではなく、クライアントのために。
    でも、実際、現場での感覚は高尚ではない。
    そういう意味で、リアルだし、素直ですっと入ってくる。
    気に入ったフレーズは「エレベータの近くにいるやつ、邪魔だ、早く降りろ」

    (引用)
    仕事とは人から怒られないためにやるものだ
    社外(お客様)>社内 上司>自分
    親会社>子会社
    元うけ>下請け
    残業200時間で50万円
    月に300時間残業をしたが、規定で100時間までしかつけられなかった
    サラリーマンの仕事とは、すきでもなんでもないおっさんの出世と名誉と富のために自分の時間を差し出し、働くこと
    自分が怒られたくなかったら、自分よりも立場の低い人を怒られ役にしろ
    気が利くから早く出世させてくれ
    先回りしてゴマする小物の集まりが組織
    無駄な配慮 本当に必要か?
    小物同士が大物の意向を聞く前に裏でこそこそ相談すると怒られたことを回避する保身の策しか出てこない。しかも無駄な。
    大人数のミーティングの目的 責任の所在を不明確にする
    「難しい問題ですよねー」
    自分で手を動かすのは面倒くさいので、カネの力で部下や下請けに作業をさせる
    実際の作業はもっとも立場の低い人が行い、中間マージンでどんどん搾取されていく。
    コンサルティング、有識者会議 外部から意見を聞いたことが大事。結論ははじめから出ている 責任逃れたいだけ
    郵政省「何がだめで何は許される」とは言えるが、「何が良い」とはいえない
    入り口の近くにいるやつ、おりろ、邪魔だ
    「知ってる」「知らない」は仕事上では重要
    自分のやりたいことを仕事を通じて実現する、しかもそれが社会にでて多くの人に触れる のはすばらしい!
    いけてる人はその実績をもとにやりたいことができる。誰も怒らないから
    メールを送ったことで合意されたと思うな
    仕事とは生活のためにするもの、そのために怒られてはまずい
    仕事は主導権を渡すことの繰り返し
    「苦しんでいる俺」「気遣いができる俺」「あなたを尊敬しています」を演じるのが仕事
    無駄だけどやらないと失礼(な気がする)
    代替する人間はたくさんいる
    才能よりも良好な人間関係、一緒に仕事をしていて気分がよいかで仕事がくる
    仕事がないときに仕事を選ぶのはばかだ
    何があろうとも降ってきた仕事はしろ
    20代は自分の能力を磨き、それらの人生、どんな仕事をしていくかの基盤を作るのに極めて重要
    夢には締め切りを
    一流のスポーツ選手 ①年齢の締め切り②「こりゃかなわん」というような一流を身近に見ている
    お金を払ってでも一流のパフォーマンスは見るべき
    世の中の仕事は「その人でなくてはだめ」なものなんてほとんどない
    よく知っているから、どんなアウトプットが出てくるか予想がつくから安心して仕事を任せられる。忙しいなか、部下の才能発掘の暇はない
    シンプルで迷いのない人生
    若いうちはひたすら働いて、バランスはあとで考える
    仕事をすると世界が広がる
    仕事を楽しんでいる人は人生楽しい
    とりあえず部活だと思って仕事をがんばれ
    サラリーマンであるかぎり、仕事はそれほど変わらない
    フリーランスほど、特定の人間関係やつきあいに縛られるが、「すべての仕事が自分に跳ね返ってくる」のがいい
    会社員は好きでもないおっさんの出世のため
    無職になって気づいたこと=周囲に人がいることのあたたかさ
    自分のせいだと思えれば、もうミスしなくなる
    自分の力ではどうしようもできないのに、誰かから怒られることをストレスという。
    だから、フリーでは、大変だし将来わからないけど、ストレスはない。全部自分のせいだから。
    みんな仕事をがんばっている。仕事は社会のため。
    学園祭に比べて、がんばった結果お金がもらえるし、社会への影響も大きいのが仕事。
    仕事をする理由ーカネを稼ぐためー怒られてはいけない
    仕事をしないと成長できない、人間関係も広がらない、お金ももらえない

  • 冒頭で、仕事をするにあたっては怒られないようにやるということがとんでもなく重要だと。のっけから笑ってしまったけど、これまことに真実。会社の偉い人見てれば分かるね。
    こんな感じで本書では著者が経験してきた仕事上のとほほなエピソードが次々と紹介されている。そして実際のところ会社では笑い話にしか思えないおかしなことが行われているもんです。
    それは事実として変えようがないので、僕ら凡人は仕事をプレイとして考えればいいじゃんということで・・・
    明日からも仕事プレイがんばります(^^)

    というわけで、一社会人として楽しく読める本でした。しかし中川氏ってすごくいい人だよね。悪態ばかりついてるけど。

  • ウェブはバカと暇人のもの、の中川氏の著書。最高に面白い。図書館で借りた。
    前半、いや後半のほとんど迄は、あれこれ苦労話というか馬鹿話。最後の章だけちょっと真面目。仕事は24時間切っても切れない関係であり、仕事を仕事プレイと思って、○○大学仕事部だと思ってやれと。
    はじめの方の、怒られないための仕事学とか、夢死ねとかもかなり面白い。
    ネット系以外の本だが、なかなか。

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著者プロフィール

編集者、PRプランナー、ライター
1973年生まれ。東京都立川市出身。大学卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターとなり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、当時主流だったネット礼賛主義を真っ向から否定しベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』『内定童貞』(星海社新書)など。無遠慮だが本質を突いた鋭い物言いに定評がある。

「2020年 『意識の低い自炊のすすめ 巣ごもり時代の命と家計を守るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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