選択の科学

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163733500

感想・レビュー・書評

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  • 「選択」ということを中心に、人間の意識、活動を分析した本ですが、面白い視点で、実験をもとに分析されています。選択肢が多いことが人にとってかならずしも満足する状況ではないことなど、新しく思えることが多かったです。ただ、読み応えたあり過ぎで、読み進めるのが疲れてしまいました。哲学的な考え方もおり混ざっているので、気軽に読める本ではないです。

  • 「選択」とは、日々、目にするが、あまり考えない切り口の方向だった。
    「マトリックス」や、「時計仕掛けのオレンジ」など、僕の好きな映画には選択をテーマにしたものが多い。
    こういった映画が人気があるのは、人生を、選択というフレームにあてはめて見せてくれるからなのだろう。

    とくに印象深かったところ。
    「人生は x…選択の量、y…偶然の量、z…運命の量 がそれぞれの人において特有の割合でブレンドされている」
    「選択の総量を変えずに、選択の配分を変えるのだ」
    こういうのはいつもと違う頭の使い方をさせてくれそうな言葉だったので、ここにメモしときます。

  • 人生における選択の役割と実践に関する通説、第8講(結婚、ファッション、食、医療etc…)で様々な切り口を基に、迫られる選択について、まとめた一冊。人生における自己決定権を持つこと、選択の力が繰り返しまとめられる一方、高度に専門的な問いに対しては積極的に委ねる選択もありとする見解は、再確認になった。メモ。(1)選択は無条件の善ではない。…認知能力や教養両の制約上、複雑な選択を十分に検討出来ない事をわきまえ、常に最良の選択肢を探し当てられないからといって、自分を責めないこと(2)専門知識を増やして認知能力や許容量の限界を押し広げ、選択から最小限の労力で最大限の効果を引き出すこと。(精通していない分野には精通している人の力を借りる)(3)文化は私達の選択の自由度に対する認識や選択したいとする欲求の大きさに影響を与えるだけに留まらず、選択を行う方法にも影響を与える。

  • NHKの「コロンビア白熱教室」で一躍有名になった本。
    著者は「ジャムの実験」で有名な、シーナ・アイエンガーです。
    両親は共にインド人のシーク教徒で、このシーク教というのは非常に厳格な規律が存在します。結婚当日まで結構相手がわからない、というのはそれらのほんの一例に過ぎません。
    家族でアメリカに移住し、彼女がアメリカの地元学校へ通い始めますが、そこは「個人」が尊重され其々が「選択」をすることが当たり前の世界でした。
    「選択」こそがまるでアメリカの力であるかのように感じた彼女は、それを研究テーマとして分析していくことになります。

    「つまり、選択は人生を切りひらく力になる。わたしたちは選択を行い、そして選択自身がわたしたちを形作る。」
    この本を一言で表せ、と言われれば私は間違いなく最終講の最終段落のこの二文を言います。
    普段私達は何気なく「選択」を行っていると思います。それゆえに「どうしてこんな選択をしてしまったのだろうか」「どうしてあんなこと言っちゃった(選択をした)のだろうか」と後に後悔することも多々あるのではないでしょうか。
    そのようにして気づかずうちに行う「選択」について、今一度考えさせられた本でした。
    また今後行うであろう重大な「選択」をより良いものへとするためのヒントが詰まっています。
    一部書評で「こんな内容、カルチャーセンターで行え!ビジネススクールで行うものじゃない」なんてものもありますが、確かにそれも一理。しかし当たり前に思われるようなことをこうやって今一度しっかり目で確認してじっくり考えるのも大切なんじゃないかと思います。

  • すごく面白かった。印象的なのは集団主義と個人主義の考え方の違い。
    人間は他者に善だと思われる生活をすることを互いに強制するよりも、自分にとって善だと思われる生活を互いに許しあうことで、より大きなものを得る。
    そうだそうだと大きな共感を覚えた。
    どちらが良いとか悪いとかではない。集団主義がベースにありつつも、私は個人主義の考えをとても尊重しているし、この考えで生きていきたいと思う。

  • NHKのコロンビア大学白熱教室を見て、面白い講義だったので本も購入。
    選択が幸福感にどう影響するのか、選択が実は周りの影響を強く受けていることなどが、実験結果とともに説明されている。
    特に印象に残ったのは、やはり選択肢が多すぎると購買意欲が低下するというジャムの研究。選択肢が増えることが即ちハッピーとは限らない。
    結婚で物語が終わるシンデレラと、結婚から物語が始まるアンコールワットの王と王妃の対比も面白かった。西洋とアジアでは結婚に対する当事者の意思介入の度合いが全く違ったのだ。
    人間には選択肢を確保したいという本能的な欲求があるけど、選択肢を確保すること自体に意味があるかどうか、またそのための代償が必要なことは意識したほうが良さそうだ。

  • 「選択」に関する心理学的な分析が綴られたもの。ビジネスに
    参考となるトピックスもありますし、宗教・国家・体制、
    ファッションなどの社会文化や、生死に関する哲学的なアプロ
    ーチからも「選択」が分析されています。

    文末は、この本の最後の一節。より良い方向へ向かうための、
    その「選択」という行為自体に意味がある、というメッセージ。
    まさに、自分の生き様がそこに反映されるのですね。
    「選択」という言葉を「人生」に置き換えても通じる一文だと
    思いました。

     私たちは選択を行い、そして選択自身が私たちを形作る。
     科学の力を借りて巧みに選択を行うこともできるが、それでも
     選択が本質的に芸術であることに変わりはない。選択の力を
     最大限活用するには、その不確実性と矛盾を受け入れなければ
     ならないのだ。(中略) 選択の全貌を明らかにすることが
     できないが、だからこそ選択には力が、神秘が、そして並外れた
     美しさが備わっているのだ。

  • 1つ心に残ったのは、過去の選択を記録し、後でなぜその選択を行ったのか自己分析するといい。ってこと。その時点での思考の狭さや、環境的要因がどれくらいあったのか、客観的に理解出来るという。たしかにそういう視点で、過去の決断を意識的に見た事なかったので、参考に。これからも沢山選択をして生きていくのだから、悔いのないように、日々をまっとうしたい。それにしても、この著者の思考のあり方、疑問のはじまりの部分に何かを感じる。

  • 日常なかなか意識しない「選択」というものについて追究している本。
    人間というのはやっかいなもので、選択肢がないのも嫌だし、多すぎても困ってしまう。そしてついつい無意識のうちに「選択」してしまうのだ。
    この本を読んで一番印象に残ったのは、国民性というか宗教含めた価値観の違いによる「選択」に対する接し方の部分。これを選択という角度から焦点を当てて分析している。他の国・民族の話も含め、如何に自分以外の視点を持てるかのヒントになると思う。個人主義と集団主義、「からの自由」と「する自由」、今までもアメリカを中心とした「自己啓発」的なものの見方の根元が少し客観的に見ることができた気がする。
    無意識を意識してそれを選択として行動に結びつける、そうやって自分の人生をより自分のものにしていく、そういう意味で参考になるのでは。

  • 選択を与えられたほうが、選択肢があることを認識している方が幸せ。
    動物園は動物が生かしてもらえる保証を感じられないので、動物にとってストレス。
    文化によって選択肢を増やして欲しいかは違う。そして、その制限度合いは自分に適していると考えている。何を選択だと思うかも人それぞれ。
    知らないうちに行動が規定される。無意識のうちに見ているものや配置によって左右されている。
    選択肢は多すぎると決められない。7前後が良い。これは情報が溢れすぎると判断できないのと同じ。
    他人に決めてもらうことで楽になることもある。

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