烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1

著者 : 阿部智里

• 文藝春秋 (2012年6月26日発売)

感想・レビュー・書評

[nonanano15さんの感想 · 2015年12月23日]

妃候補の四人の姫たちが王の寵愛を求めて争う、というお話。
表紙の絵でよくわかる通りにそれぞれ春夏秋冬をイメージしてて、ほんわかした春の姫、さわやかな夏の姫、艶っぽい秋の姫、凛とした冬の姫、って感じでそれぞれキャラづけされててわかりやすい。
王朝ものっぽい雰囲気で、姫同士の小競り合いやそれぞれ家を背負って来てるというエピソードの盛り込み方も面白くて、楽しく読めました。
キャラがね、それぞれホントにわかりやすいの。もうド直球、ステレオタイプ。
気の強い姫が、内心一目置いてるライバルのことを半分心配しながら「あのバカ！」とか言っちゃうのとかね。
そゆシンプルなの嫌いじゃないっす。
でも、最後のほうで突然ミステリーになってきて、唐突に現れた名探偵が、皆を集めてさてと言い…な展開に。
オチにも驚いたんですが、最初からこれをやりたかったのね。
「烏は主を選ばない」もあとで読んだんですが、ちゃんと同じ時間軸の表と裏になってます。
ただなんだかすごーく引っかかってしまったのが、わりと端正な文章なのに、時々へんに若い言葉が出てくるんだよなあ。
「うだうだする」「ぶちぶち言う」「丸わかり」とかそういうの出てきて、ぎょっとする。
この言葉自体は別に全然いいんだけど話の全体の雰囲気にあわないのでものすごい違和感なの。
プロフィールみたら作者、すっごい若いんですね。なので、編集の人とか指摘してあげて…と思ったくらい。
「烏は主を」のほうは男の子が主人公なのでさらにカジュアルになってて、台詞なんかがあまりにもくだけすぎてるのでそこも残念なんだよなあ。すごく書き慣れた同人誌の人っぽいというか。
読みやすいので今後のシリーズ楽しく読めそうなんだけど、カジュアルになりすぎて来たら冷めちゃうかもしんない。そんな狭間。

[setusbさんの感想 · 2015年12月5日]

最初は、独特の世界感に入り込めずにいたが、読み進めていくうちに、世界観に慣れてきた。ファンタジーらしさが前面に表現されていると感じたが、終盤になるにつれ、后選びをめぐって女同士のドロドロとした感じに持ち込み、最終的に后になったのは、意外な人物だった…というころっと急展開になってしまった感がした。最後はなぜこうなってしまったのか…という感じの終わり方の印象。ファンタジーと平安貴族の世界、姫を季節に例えた世界観などを丁寧に描写されていたのは良い。4人の姫君は最後に修羅場があったのが幸せになって欲しいと感じる。

[Ｙさんの感想 · 2015年11月29日]

自分好きそうな宮廷ものだと思って。もうちょっと男が出てきてもいいかなあ。続きはどうなるのか気になる。

[solala06さんの感想 · 2015年10月8日]

いや～～～～騙された！！！！純粋無垢な美少女が実は無自覚策士腹黒！！！！！たまらん！！！！！！！！
あと若宮様めちゃんこ浜木綿さんにベタ惚れやんか！！
早く2巻読もう！！！！

[りぶれさんの感想 · 2015年9月29日]

面白かったです♪最初は苦手な女同士のイザコザかと読むのをためらったけど、どんどん面白くなって、最後は電車が最寄り駅に着くのが嫌になる程。表紙絵からして私個人としてはあせびは嫌いな感じでした。知らないことを良しとして、知らないことを巧みに利用するなんて、まだ最後狂ったかのように見えた白珠の方が可愛らしい。若宮の登場しなさっぷりは読者である私もやきもき。そして登場したら名探偵ぶり発揮！最初と最後がまた良くて♪浜木綿との日々が眩しく回想されるようでした。続きが楽しみです。

[ソノエさんの感想 · 2015年9月27日]

八咫烏をモチーフにした幻想的な和風の世界観はとっても魅力的でもっと知りたいと思いました。全編通して持ち上げてからラストで落とすのはえぐいですね。。読了感はもやっとしました（苦笑）もう少し示唆する伏線があるとミステリぽくなっていいかな。

[mizuさんの感想 · 2015年9月23日]

あせびの変化が唐突過ぎて、なんか納得いかない。
が全般的にはおもしろかった。どんでん返しは好き。

[ゆたぽんさんの感想 · 2015年9月17日]

ああ！そうくるのかー！というラスト。
素直にびっくりしたりぞっとしたり。
でも若宮唐突すぎるし、つっこみどころはいろいろあるような気がするけど面白かった！

[kakumikoさんの感想 · 2015年9月13日]

皇太子の后になるため東家、南家、西家、北家よりそれぞれの姫が桜花宮に集まり、見初められようと競い合う。
序章と第一章「春」を読み、表紙と相まってまるで少女漫画のような話だなと。
その後は各家や姫の思惑が交差するお決まりの展開になるが、第五章でどんでん返し。さらに終章でタイトルの意味が分かる。アガサクリスティになんか近い設定があったような...。

若宮（皇太子）が良い所だけ持っていった感もあるが、シリーズものらしいので、今後の活躍に期待したい。

[yumiemonさんの感想 · 2015年9月11日]

最後の落とし方がすごい！シリーズ一作目

著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』（NHK出版）刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない（4）』 で使われていた紹介文から引用しています。」