無罪 INNOCENT

  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163816708

感想・レビュー・書評

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  • やはり前半部分は少々たいくつ。
    裁判が始ってからは凄く面白い。

  • 原題そのまま、Innocent.
    あの「推定無罪」の続編。
    前作同様、また主人公が不倫してしまいます・・・・。
    そして彼の奥さんが死亡するところから、物語は始まります。

    主人公、彼の息子、そしてあのトミー・モルトの視点から話は進んで行きますが、後書きでも書かれているように、本書の影の主役はかつての宿敵トミー・モルト。
    前作で受けた影響を背負って生きていく、そしてまた宿敵と対決するという構図・それにどちらかというと彼への優しさが溢れた書き方に、私は肩入れして(そして結果を予想しつつも)読み進めました。

    「推定無罪」同様、愛の描写がことごとくいやらしく、かつ文学的にしっかりと表現されているので、この作者の力量はたいしたものです。
    話としては、大絶賛の内容ではないですが連作を締めくくるにふさわしい余韻がある作品なので、Sトゥローファンならば読んで損は無い一冊。

  • 重荷背負っちゃって

  • 「推定無罪」からもう二十年以上たつのか…。なんだかしみじみこの間を振り返ったりして。

    主人公や周囲の人の「人間性(自分でもダメだとわかっていることになぜだがひき込まれていくという意味合いでの)」に共感できるかどうかがポイントじゃないだろうか。私はもうひとつ気持ちがのらなかった。語り口はうまいなあと思うが。

    「推定無罪」の「真相」をすっかり忘れていて、作中でほのめかされるたびにモヤモヤする。再読してからの方がより楽しめるのだろうけど、文庫二冊分の長さだものねえ。

  • 『推定無罪』は映像でしか観てないので、文章としてのトゥローは初体験。

    前半は事件が起きるまでのそれぞれの関係と思惑を描き、後半はサビッチを被告とする法廷シーンで、検察側と弁護側の攻防と駆け引きが繰り広げられる。こってりコクのある文体で、リーガル・サスペンスではあるけれども、文学作品としての印象が強い。

    作中での人間ドラマはソープオペラっぽいけど、洗練された複雑さが、ありきたりの愛憎劇を掘り下げて映し出している。だが誰一人として共感できない。全員、どこか一部が破綻しており、個々の動機については理解する気にさえなれなかった。長い物語を読むに値する作品だけれども、どこかで引いて読んでしまった分、世間ほどは傑作だと実感できず。

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