みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903460

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  • 著者の、ミッションスクールで生じたキリスト教への思い、祖先をたどっていくうちに、御宿・岩和田に漂流したスペイン船の船長、船員たちと交流があり、一部はそこへとどまったのではという仮説、そして、リュートを習うことにに導かれてはじまった、キリシタンをめぐる旅。それは次第に、西洋人も、日本人も含めて、殉教者を追う旅となり、長崎、大村、果てはバスクまで足を伸ばすことに。列福、列聖がだれのために、なんのために、どんな政治的背景のもとにおこなわれ、序列化されたか。純粋な宗教心だけからは説明がつかないことも、ときあかしてくれる。ただ、個人的には、ページが進むにつれて、熱を帯びてくる殉教したキリシタンに対する思いには正直ついていけなかった。かわいそうに、殺さなくても、死ななくても、他の道もあったのに、死に際してもそんなことまで、という感情が強すぎて。/「いつしか音楽は、調弦や楽譜に縛られた、ずいぶん窮屈なものになってしまいました」/「リュートは無茶な要求に応えず、消えていくほうを選んだ。誇り高い楽器だと思いますよ」/ベルメーオ、大村純忠・喜前、あたりには、さらにあたってみたいと思った。

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著者プロフィール

1966年、戸越銀座生まれ。ノンフィクション作家、写真家。著書に『転がる香港に苔は生えない』(2000年、第32回大宅壮一ノンフィクション賞)、『コンニャク屋漂流記』(2011年、第2回いける本大賞、第63回読売文学賞随筆・紀行賞)、『戸越銀座でつかまえて』(2013年)、『みんな彗星を見ていた』(2015年)、『今日はヒョウ柄を着る日』(2017年)、『旅ごころはリュートに乗って』(2020年)など多数。

「2022年 『世界は五反田から始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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