- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163908670
感想・レビュー・書評
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いろいろ考えながら読んだ。
たくさん泣いた。
私には子供がいない。
ダウン症の知り合いがいる。
明るくて面白くて可愛い。
だけど、自分のことだったら?
いろんな観点から考える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
結婚したら自然に子供を授かり、何の問題もなく妊娠を継続し、無事に元気な子が生まれ、健やかに育って大人になり、社会に出てやがて自分の家庭を持つ。
それが当たり前だと思ってしまうが、実際にはそれがどれほどの奇跡なのか。
出生前診断をするかしないか。その結果どうするか。
実際にその立場になってみなければ自分がどんな選択をして何を思うかなど分からない。
どちらを選んだとしても後悔や苦労はあるだろう。
この裁判は担当医師の態度が変わってしまったことから不信感が募り、子供に謝って欲しいという思いからこじれていったように見えた。
だが、別の医師の「謝の言葉を言われると医師としての充足感も感じた。それは全て結果が良かった場合。結果が悪いと感謝の気持ちは憎しみとなってこちらに向かってくる。それが耐えられない」という言葉が重い。
現在の法律とその成り立ちなどもあるのでいかに複雑な問題なのか、それぞれの立場でとらえ方も印象も変わってしまい、とても難しい。
著者がフラットな視線でいろいろな立場の人の声を拾っているので、いろいろな角度から考えてみたいと思う。 -
2020/04/08
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2020.03.10 著者のTwitterプロフィールで本書の存在に気づく。
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障害についても、患者側、医療者側についても、
結局立場変われば、当事者になれば意見も変わるんだろうな
自分が選んだ、考えたことを正当化したくなると思う
それが善か悪かなんて他人が決めるものではないな
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産んだ産まなかった、生きている死んだというそれぞれの関係者にインタビューしている。
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命の選択について考えさせられる。
中絶も、今の日本の法律の上でグレーゾーンで行われている実態ついても知らなかった。
これから医療技術の進歩によって、出生前に色々な情報がわかるようになると、どこまで親が産む産まないを判断する権利を持つべきなのか。 -
医師の勧めで出生前診断(羊水検査)を受けた41歳の女性。結果は陰性だったが、生まれてきた子はダウン症だった。それに起因する様々な疾患のため、3ヶ月半でこの世を去った子・天聖。医師の単純なミスで結果を誤って伝えられた両親は、その後の対応への不信感もあり裁判を起こす──。なんのための、誰のための検査なのか、異常が見つかったら中絶すべきなのか、生まれてきた子が障害を持っていたら……などなど、様々な疑問や考えが交錯するなか読み終えた。当然、答えなど出せない。……全然関係ないが、実の親に虐待され命を落とした子たちも、妊娠中にこの検査を受けて生まれてきたのだろうかと、ふと思った。
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ダウン症