- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163908670
感想・レビュー・書評
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出生前診断の誤診に関するノンフィクション。
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ううん。読んでいるうちに、気持ちは二転三転したけれど、最後に心に残ったのは、被告側弁護士の言葉と、今までに出会ったダウン症のひとの笑顔だった。woolでも思ったけれど、価値観はその時代のものであって、絶対的なものではない。私は、人の可能性は否定できないと思う。子どもをつくる、という行為が、自分の意思で決定できる場合においては、そこもまとめて請け負う、ということだと思う。動物として考えたときには、非合理なことなのかもしれないけれど、人間を人間たらしめているものは、時に非合理な決断なのだと思う。という今の考えも、崖っぷちに指先一本でぶら下がったら、変わるかも知れず、これは将来の自分のための、今の考えの備忘録です。
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命の選別という重いテーマ、きれいごとではなくじっさい自分の身に起きれば、産まないかもしれない。
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できるだけ冷静な視点でダウン症児の出産と中絶について取材している。
しかし、「出生前にダウン症と分かってて生んだ人」「出生前にダウン症と分からずに生んだ人」の取材はしているが、「出生前にダウン症と分かって中絶した人」の取材が無い。
また、「ダウン症の子を育てていて、(たいへんなこともあるけど)今は幸せです」という事例、しかも全て女児のパターンばかりなのが気になる。
ダウン症イコール必ずしも知的障害ではないが、知的障害を持った子、特に男児の場合、大人になってからの苦労話をよく耳にする。
そういう視点を語らないのは話の流れを止めてしまうからなのかもしれない。けれども若干のモヤモヤを感じた。同著者の「セックスボランティア」を読めばそのモヤモヤはすっきりするのだろうか。 -
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出生前診断など生命倫理は私たちがこれから考えていかないといけない内容なのでレビューを見てとても惹かれました。
ぜひ、読んでみたいです。...
出生前診断など生命倫理は私たちがこれから考えていかないといけない内容なのでレビューを見てとても惹かれました。
ぜひ、読んでみたいです。
ひまわり2019/05/29
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出産前に、心づもりで読んだ本。河合香織さんの本は、以前セックスボランティアを読んだ時から、大事だけれど面と向かって心開いて語られることの少ないテーマを扱ってあり、その逃げない感じにひかれる。
この本の中で出てくる母親の気持ちが、母になったいま、よくわかる。中絶していた、と言い切れない気持ちも。
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「科学や医療技術の発展によってわかること、できることや助かる命が増えた」自分としてはそれを「事実」としてだけ受け止めたいと思った。そこから先、その「事実」がいいことなのか悪いことなのか、幸せなのか不幸せなのか、それは当事者が決めることで、それに対して他人が何かを思ったり意見する権利や余地はない。当事者って誰なのかという議論もあるけど、それも当事者が決めることだと思った。