日本人へ リーダー篇 (文春新書 752)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607525

感想・レビュー・書評

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  •  人間は、苦労に耐えるのも犠牲を払うのも、必要となればやるのです。ただ、喜んでやりたいのです。だから、それらを喜んでやる気持にさせてくれる人に、従いていくのです。これはもう、総理大臣の才能ですね。(p.68)
    (中略)彼ら(アレクサンダー大王、ハンニバル、カエサルなど)が、他の人々よりは柔軟な思考法をする人であったからです。他者が考えつくことと同じことを考えていたのでは、絶対に勝てない。疑問を常にいだき、その疑問を他者が考えつきもしなかったやり方で解決していく。それには思考や発想の柔軟性こそが不可欠で、これこそが勝敗を分ける鍵になるのです。(pp.68-69)

     想像力が動き出すのは、疑問をいだいたときからだ。疑問をいだくのは、壁に突き当ったからである。秀才とは学業成績の良い人のことだから、これまでに壁に突き当ったことがないか、あったとしてもごくまれだった人たちなのだろう。となれば疑問をもった回数も少なく、当然ながらその疑問を解決しようとしたあげくに、想像力に訴えるしかないと思い到るまでの苦痛も、さして経験したことはないにちがいない。(p.97)

     自己反省は、絶対に一人で成されねばならない決断を下すのも孤独だが、反省もまた孤独な行為なのである。自分と向きあうのだから、一人でしかやれない。もしかしたら、プロとアマを分ける条件の一つである「絶対感覚」とは、それを磨くことと反省を怠らないことの二つを常に行なっていないかぎり、習得も意地もできないものなのかもしれない。(p.109)

    「人は誰でも、自分自身への誇りを、自分に課された仕事を果たしていくことで確実にしていく。だから、職を奪うと言うことは、その人から、自尊心を育くむ可能性さえも奪うことになるのです」(p.210)

  • 3

  •  日本人、そのリーダーに何を伝えたいのかちょっと頭をひねらざるを得ない。確か著者、本文中で筆記を辞めたいとのたまっていた様な

  • ざっと読んだ。小説読んで味わいたいので。

  • リーダーに必要なこととは?

    →想像力は訓練を重ねていないと劣化してしまう
    プロとアマを分ける条件の一つである絶対感覚とは、それを磨くことと反省を怠らないことを常に行う必要がある
    決断も反省も孤独な行為

  • 高杉先生からもらった、2冊目
    ローマとかギリシャとか基礎知識がないと全くわからない
    塩野七生さんの「日本人へ リーダー編」読み終えました。
    海外から見た日本、世界の歴史の中の日本、横軸と縦軸の広い見識のから見た日本を知ることができて勉強になりました。もっとも、基礎知識がなさすぎて全ては理解できませんでしたが。

    私だけでなく、日本人みんながもう少し勉強しないといけませんね。のんきにしすぎていることがわかりました。

    私の気に入ったところは、
    情報を集めるのは参考文献表を作るにすぎず、文献をどう読み解くかは、読む側の人生で蓄積した全てが深く関与する。自らの理性と感性と悟性を投入して肉迫も可能になる。

    情報に接する時間を少し節約してその分を考えることにあててはいかが、

    というところです。



    いつかお話したNPOですが、パンフレットができたので同封します。素人が作ったので伝えたいことが上手く盛込ていない気がします。アドバイスがあればよろしくお願いします。

    先日の日曜日は、英語が全くできない親子30人が集まって、外国人とデザートクッキングをしました。

    こんなことが、これからの日本を担う子供たちのためになってくれるのか

    ゆうも読んでた!すごい

  • タイトルとはあまり関係ないだろう。
    イタリア在住作家のエッセイ。
    あえて名付けるとすれば、イタリアにいる作家から日本について思う、古代ローマとの比較。
    かなぁ、字余り。

  • 週刊誌に連載されたエッセイをまとめた1冊なので、全体を通してのメッセージがあるわけではなく、本書のタイトルには少し違和感もある。ただ、各エッセイともに、ローマを中心とした歴史をベースに日本の現状をみると、こういうふうに感じられる、という姿勢がベースになっていて、なるほど、という鋭い指摘も多い。エッセイのまとめと捉えて楽しむとよいと感じました。

  • 思考力に惚れ惚れする。
    現在の世界情勢を、古代ローマを参考にしながら読み解いているのが面白い。
    文章執筆への姿勢も、非常に参考になる。

  • おそらく塩野七生さんが文藝春秋にて執筆されたコラム投稿の集まりだと思われる本。時期は2006年前後。日本では小泉政権の郵政民営化討論時、またアメリカのブッシュがイラク戦争を仕掛けた時期である。今から読むとちょっとした近代史であるが今読むと七瀬さんの見解が何ともしっくりくる。時間がたっても納得できる見解を持てることは素晴らしいなと感じた。コラム投稿だけに5000時程度で簡潔に分かりやすい主張が述べてあるのも良い。

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