- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166607525
感想・レビュー・書評
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多分に皮肉を込めながらも、それが嫌味になりすぎないのは文才のなせる技でしょうか。文章に気品と美しささえ感じて、リズムよく読める。
古代ローマの政治とリーダーと、現代のそれを比べてみると、いつの時代も同じような問題があって、さらに問題の本質は二千年も前から変わらないのではないかと思えてくる。そう思うと何度も同じことを繰り返す人間って進歩してないどころか退化してるんじゃなかいとため息が出る。 -
はやくローマ人の物語の文庫版をだしてくれー。
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とても難しい内容でした。おそらく作者が伝えたい三分の一も私は理解できていないと思うのですが、そんな中でも記憶に残る内容がいくつかありました。ローマ人のカエサルの言葉で「多くの人は見たいと欲する現実しか見ていない」や、失業問題を取り上げた章では「失業とは生活の手段を奪われるだけでなく自尊心を育む手段さえも奪われること」など。ローマ帝国を研究されている作者だからできる過去のリーダーや国との比較、日本に対する冷静な評価など様々な事項についてこれまでにない視点で書かれていると感じました。作者の意見は厳しくもありますが決して理想論にならない考え方で参考になりました。
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実家の父の本棚から借りてきた本。このおばちゃん、相変わらず、スルドイ。そして文体がカッコいい。日本に住んでない人の視点は、日本にいてはなかなか気づかない。そんなことを感じさせる一冊でした。
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2011/6/24読了。
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時事ネタ満載な内容になっています。2011年7月の時点で昔話だと感じる内容でした。しかし退屈でも得るものは十分にあります。
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エッセイ集。
快活でいい。
リーダーとして求められるその時々の振る舞い、品格について塩野さんの想いが書かれている。
なんとかの品格なんてクソみたいな本より100倍いい。 -
昨年発売された文藝春秋の新書。すごく期待して読んだ。
これは、文藝春秋に毎月掲載された著者の文章を集めたもので、時の総理は小泉純一郎。
どの文章も時事性をはずしても読むに耐えるものだが、それでもネタが古新聞では若干面白みが減衰する。
やはり、その時に文藝春秋誌で読むのがよいと思う。 -
紀元前後に繁栄を極めたローマ帝国の史実に造詣の深い塩野七生の著作。
『危機の打開に妙薬はない。ということは、人を代えたとしても目覚ましい効果は期待できないということである。やらねばならないことはわかっているのだから、当事者が誰になろうと、それをやりつづけるしかないのだ。「やる」ことよりも、「やりつづける」ことのほうが重要である。』
国内外では郵政民営化や湾岸戦争が主要な政治的テーマだった10年近く前の文章である。近ごろ新聞では首相交代論が報道されるが、戦後最大とも言われる国難に対して我が国が立ち向かうヒントが随所に読み取れる秀作である。