日本人へ リーダー篇 (文春新書 752)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607525

感想・レビュー・書評

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  • 文藝春秋の連載が文庫化されたもの。

    ローマ史に精通してるだけあって、連載のときに起こった出来事をローマ史を中心とした西欧史の観点から分析している場面が多い。

    歴史に興味がなく学生時代を過ごしてきた自分にとってはよくわからない部分もけっこうあった。

    ギリシア神話の男神アポロンと王女カッサンドラの話(アポロンはカッサンドラに惚れて、予知能力を与えたけど、ふられたから腹いせに予知能力を使っても誰も聞いてくれないというものにした。トロイ滅亡でも予知能力を聞き入れてもらえず、現実になっても人々に王女の言ったことは思い出してもらえない。)はギリシア神話に興味をもった。

    ヨーロッパでは現状の問題点を指摘しながらも、為政者に無視されてきた人を「カッサンドラ」と呼ぶそうで。有識者や知識者の別称とでもいうように。

    あとは小泉さんがいかに日本政治において異端児だったかっていうのも協調されてて、小泉さんについてもっと学ばなきゃと思った。

  • 組織の一員としての大切な心得をいくつも手に入れられた。
    ヨーロッパの歴史、価値観をもっと知りたくなった。

  • 異なるモノたちに対しては寛容な態度こそが必要である、という主張には共感できました。

  • 「ロー マ人の物語」という名のロングセラーがあり、毎年、新しい刊が発行されている。その著者が塩野七生さんという方、というのは何年も前から認識していたが、 どうも歴史、特に世界史が苦手な自分としては、「ローマ人の物語」には手を出せなかったが、「日本人へ」という挑戦的なタイトルが気になってついにこの人 の本を読むこととなった。文藝春秋に2003年から2006年にかけた連載をまとめたものというだけあって、話題は古いのであるが、その当時は政局の予測 など未来のことについて書かれていることが多い。たとえば小泉郵政民営化選挙の予測なども登場するが、それが後から読んでも面白いのは、歴史は事実を書く のではなく著者の歴史観を書くものであり、読み物として面白くなければならないという考えが反映されているからであろう。ただ、いろいろご意見を述べられ ているが、必ずしも賛同できるものばかりではないことに、いささか戸惑いを感じた。この人がおかしいのか、自分がおかしいのか・・。 

  • 「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!」この台詞をテレビに映っている政治家にぜひとも言いたい。

    この本を最初に読んだのは「日本人へ 国家と歴史編」とあわせて読んでいたような気がします。最近、この人の書いた大作、『ローマ人の物語』を読んでみようと思っています。しかし、あの量の多さが僕に二の足を踏ませている、というのもまた事実でございます。ここに書かれているのは「リーダー論」としての時事評なんですけれど、ぜひとも喧々諤々と不毛な政治闘争を繰り広げている日本の政治家センセイの方すべてに読んでいただきたいと、大マジメに思っております。

    彼女の時事評はローマの歴史を専門にしているだけあってその論法は鋭いので非常に面白かったです。この本が刊行される前に掲載された状態で書かれていた時期はどうも小泉政権のころのようですが、今こうして考えると、いろいろなことが『改革』されていった時期でもございましたね。それは今でも重いくびきになっているのは皆様もよくご存知のことと思います。

    この本の最初に収録されてある「継続は力なり」という文章の最後に
    「政策の継続性の欠如こそが三世紀のローマ帝国にとって、諸悪の根源であったのだった。」
    特にここは政治家のセンセイ方にはよくよく読んでいただきたいと思っています。

  • 友人から(正しくは彼女のお祖父さん)借りました。

    1章のまとまりが程よく短いので、バイト通勤やら移動時間にちょこちょこ読むのにぴったりな本。

    ガッとまとめて読むのではなく、その章ごとに書いてある内容を1日かけて噛み砕く方が自分の肥やしになる気がします。

    塩野さんの本は例のチェーザレやらエッセイやらしか読んだことがないのですが、ところどころ出てきます「ローマ人の物語」もいつか読んでみたいと思います。


    TPPの話題であれやこれやと騒いでいる今、こんな書籍に出会えて良かったと思います。

  • 塩野七生さんの本を連続で読んでます。リーダーに関する考察をもらえて良かった。

  • 書き下ろしではなく文藝春秋での連載をまとめたもの。他の方のAmazonコメントによると、2003年6月号から2006年9月号までの約3年分の文章が収められているらしい。著者の名前はあちらこちらで目にしていたが、小説家であること、ローマ史を主にフィールドとしていること、女性であることを初めて知った。内容としてはローマ帝国の歴史とその当時の日本の状況(主に政治。連載当初は小泉政権)を対比させて、いろいろと提言をしている。もう5年以上も前に書かれた本なのに、全然古さを感じさせない(例えば、次から次へと変わる指導者、外交音痴等)。と言うか、不安はさらに増大している。経済一流、政治三流と言われた日本も今や経済も三流になり、政治は更に混迷化を深めている。この先、どうなるのだろうか・・・

  • ユリウス・カエサルやマキャヴェリの警句が面白かった。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00168304

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