人工知能と経済の未来 (文春新書)

著者 :
制作 : 井上智洋 
  • 文藝春秋
3.57
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本棚登録 : 1425
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610914

感想・レビュー・書評

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  • 人工知能について初心者の自分が学ぶにはちょうどよかった。

  • 現在のAIは特化型で、そこまで脅威ではない
    まだ未開発の汎用型AIが出てくると仕事が1割になるかも。
    取り尽くし効果という概念は面白い
    簡単なアイデアから使われるのでイノベーションが進むと新たなアイデアが生まれにくくなっていく
    AIやロボットが発展して仕事がなくなったとき、人間は有用性の鎖から解き放たれ、真の価値が生まれることになる
    役に立つかどうかは気にされなくなる

  • 詳細なレビューはこちらです↓
    http://maemuki-blog.com/?p=11914

  • シンギュラリティについては楽観的な著者。かなり手前の部分しか見ていないような気がするが、ベーシック・インカムの重要性を語りたかったからなのではないかとも思う。AIによる社会の変化に経済基盤の変化がついて行けるのか。

  • ん~……。
    最近のAIのニュースを知っていたら、ある程度本書のような予想はできますし、『AIによって仕事が奪われる』ってのも本書を読まなくてもなんとなく分かります。
    で、AIが普及して、将来的には1割の人しか仕事をしなくて良い社会になって、所得が無くなってしまうから、ベーシックインカムを導入しよう、というのが著者の主張ですが、どうもなんか拙速なように感じました。
    僕は、AIの普及によって、お金の概念が大きく変わるんじゃないかなぁと思います。具体的にどんな風に変わるのかは全然分かりませんが(笑)、交換価値としてのお金は廃れるんじゃないでしょうか……。パラダイムシフトが起きるだろうし、この舵取りを間違えれば大変な事(悲観)になると思います。
    AIによって労働から開放された社会になると、土地や石油等の資源価値が高くなって、資源獲得の戦争が一層強まりそうです。
    頭の中の整理がつかないので感想がぐちゃぐちゃですが、僕の評価はA-にします。

  • AIの発展と未来に待ち受ける雇用の大崩壊。クリエイティブな仕事であってもAIやロボットの進歩は、それも壊していく。

    技術的なシンギュラリティが起きうる可能性は、2030年時点でもないかもしれないけど、ディープラーニングの登場以降は、AIの発展も目を見張る。ゲームの画面を見て、ゲームのスコアを最大化するようにひとに教わらずにプレーすると言うのには驚きました。

    汎用的AIが本格的に登場したらどんな世界になるのか。おっかないけど、覗いて見たい世界です。

  • 人工知能。Siriに代表されるように私たちの生活にも欠かせないものとなりつつある技術だ。よく都市伝説として紹介されているのが、この人工知能が人間の知能を上回り世界を支配するというものだ。こちらはターミネーターのスカイネットを思い浮かべてもらえれば十分だろう。
     AIには二つの種類がある。人の脳を完全にコピーするものと脳の各機能を個々にコピーするものだ。人のゲノムが解読されたように数十年もあれば脳の神経の構造のコピーだってできてしまうはずだ。これがもたらすのはすなわち人間を超えるということだ。現在でもAIによる仕事の代替が進んでいる。これが完全に成されれば人はする仕事がなくなる。帯にあるように1割の人間のみ働く社会になるであろう。そこで考えられるのがベーシックインカム制度だ。社会主義に近い形であるが、年金や生活保護のように審査をする必要のある制度でなくすべての人に平等に給付を行えば仕事をせずとも経済を回すことが出来る。30年後の未来の話であるが、5年以内には自動運転の車が普及するということも考えればあながち間違いとは言えないだろう。
     特に若い世代は自分が働く時代に起こる変革の話だ。この本で予習しておくのも手であろう。

  • 概要
    AIは爆発的に普及、既存の労働を代替することにより、雇用が消失し社会システムが崩壊する。
    新しい世界ではAIとベーシックインカムによって社会が成り立っている。

    所見
    AIを汎用目的技術と位置づけている。蒸気機関と同様の汎用目的技術であるため、社会的インパクトが大きいということは分かりやすい。また、汎用であるがゆえにAIそのものよりもAIを用いて構成される新たな機能やシステムが価値を持つという点も、人を輸送する蒸気機関車か、衣類を作る自動織機かという対比を考えると理解しやすい。またこの蒸気機関の例でも分かるように汎用であるがゆえにAI自体はコストをかけることなく、容易に拡散していくことから、AIそのものを産業化するよりもAIを使って何をするかを考える方が得策と結論できる。
    ベーシックインカムについては、労働が不要となった世界で資本家を除く大多数の人間の生活を支える経済システムを問題とし、生活保護、社会主義、ベーシックインカムを比較検討している。この中でとシステムとしての単純さと普遍主義(選別主義と対比)ゆえにベーシックインカムに優位性を見出している。

  • AIの発達によって労働者がいなくなることを想定すると、ベーシックインカムは取り入れるべき制度だな。生活保護制度の現状を考えると、今からでも取り入れてもいいくらい、だけど、確かに障害はあるなぁ。

    「BI(ベーシックインカム)なきAIはディストピアをもたらし、BIのあるAIはユートピアをもたらす」は、経済的にはその通りだろうな。
    ただAIが人間を超越しない前提があるかな。
    AIが人間と同様になる、っていう観点ならAIが人間を超越しない、っていうのはその通りだと思う。けどそういう観点じゃなく、AIが自分で考えるようになり、人間が制御できなくなったとき、AIはどういう行動するのかな、とは思う。

  • 本書の要諦は「2045年には汎用AIの普及によって9割の職が奪われ労働者が飢えて死ぬ時代が来るからその事態に備えてBI(ベーシックインカム)の導入を積極的に検討すべきである」というところだと思うのだが、終章のBIの財源の検討は現時点の経済状況がベースになっているように見受けられる。9割の労働人口が収入を絶たれんとしている時に財源をどうするのか。純粋機械化経済のうなぎのぼりの生産から得るのか──。種々の課題や検討材料を提示する一つの思考実験としては面白いが、例えばエマニュエル・トッドのような現代の予言の書として読むには議論の方々にまだまだ穴が多いように思う。

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著者プロフィール

経済学者。駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。IT企業勤務を経て、早稲田大学大学院経済学研究科に入学。同大学院にて博士(経済学)を取得。2017年から現職。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。著書に『人工知能と経済の未来』(文春新書)、『ヘリコプターマネー』『純粋機械化経済』(以上、日本経済新聞出版社)、『AI時代の新・ベーシックインカム論』(光文社新書)、『MMT』(講談社選書メチエ『)「現金給付」の経済学:反緊縮で日本はよみがえる』(NHK出版新書653)などがある。

「2022年 『東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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