人工知能と経済の未来 (文春新書)

著者 :
制作 : 井上智洋 
  • 文藝春秋
3.57
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感想 : 146
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610914

感想・レビュー・書評

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  • 生き残るのはクリエイティブ、マネジメント、ホスピタリティー。
    雇用の未来では、クリエイティブとソーシャルインテリジェンス。
    筆者は、ソーシャルインテリジェンスの中のホスピタリティーを重視。
    バーテンダーは客を楽しませ、配膳はロボット。
    →アメリカ軍、ペンタゴン長官が述べたケンタウルス作戦では?

  • 2045年頃には日本の全人口の1割しか労働をしていない

  • 著者は経済学者であって、人工知能を専門とする科学者ではない。ということがすべて。

    冒頭に「私が特に注力したいのは、汎用人工知能が2030年頃に出現するならば、それ以降、経済システムの構造がどのように変化し、それによって経済成長や雇用がいかなる影響をこうむるかといった議論です。」とあるが、まさにその「出現するならば」という仮定の部分に関して実際には「出現しない」というのがその道の専門家の意見なので、もはや読む価値はない。

    あくまで「経済学本」として読めばまだ面白いが、人工知能について知りたいと思って手に取ってしまったのが間違いだった。

    33
    アメリカでは2000年以降、所得の中央値は下落しているにもかかわらず、一人当たりのGDPは上昇しています。(一般的な労働者は貧しくなっているが、金持ちは更に豊かになっている)

    86
    全脳エミュレーションと全脳アーキテクチャ

    98
    様々な欲望をおのずと獲得できるようなAIが開発できたら、そのようなAIは生命的であるといえます。

    158
    バクスターは作業ごとのプログラムを必要とせず、人間がその腕を動かすことで、作業のやり方を覚え混ませることができます。日本でもファナック車が、ディープラーニングの美術を用いて、人間に教えられることなく様々なものをつかんで運ぶロボットの開発に成功しています

    174
    19世紀の第一次産業革命の頃に、蒸気機関などによる機械的生産を導入した欧米諸国と導入しなかったアジア・アフリカ諸国との間に経済成長に関する最初の「大分岐」が生じました

    194
    所得は「資本の取り分である利子・配当所得」と「労働の取り分である賃金所得」に分けられ、資本分配率は前者の割合を意味します。この資本分配率が上昇しているがために、所得格差が拡大しているとピケティは指摘しています。
    (純粋機械化経済に至ると)労働者階級は賃金が得られなくなることにより消滅し、資本家階級が全てを手にすることで資本主義は終焉します。

    226
    一国の経済にとって実質的なコストと言うのは、お金を使うことではなく労力を費やすことなのです。
    (使ったお金は別の国民の手元に移るだけ)

  • 20170807 コンピュータの進化は人間を幸せにしない。今の価値観では自然とそうなる。どこかの変数を変える事で皆が幸せになれるのではないかと考えさせられる。別の本で書いてあった「懐かしい未来」というフレーズが浮かんで来た。幸せの基準は人それぞれなのだが誰も喜ばない未来は要らないと思う。

  • レビュー省略

  • 人工知能、いわゆるAIの普及が経済に及ぼす影響について考察した本。とても興味深く読んだ。
    AIには2種類あり、特化型と汎用型だが、この汎用型が波多津すれば、機械やロボットが自分で考えて行動することができるようになり、現在の人間による肉体労働や事務仕事のほとんどはAIにとってかわられるという。そしてそれが起こるのが、2030年と予想している。
    その際に当然起こる、失業にどう対処していくのか。マクロ経済の専門家である著者は、ベーシックインカム制度の導入を唱える。機械により効率化された労働分の収入を、政府が国民一人一律に支給するという政策のことである。
    ベーシックインカムの是非はともかくとして、読者が読み進めて疑問に思うことや反論への議論をすべて用意してあるところが素晴らしい。学者だけに、言葉の選び方も慎重で、経済に詳しくない人にもわかりやすく書いてある。人々がAIの普及に対して不安を抱くよりも、希望を持てるように意図してある。
    AIに何ができて、何ができないのかを知るのも参考になった。

  • 人工知能について初心者の自分が学ぶにはちょうどよかった。

  • 現在のAIは特化型で、そこまで脅威ではない
    まだ未開発の汎用型AIが出てくると仕事が1割になるかも。
    取り尽くし効果という概念は面白い
    簡単なアイデアから使われるのでイノベーションが進むと新たなアイデアが生まれにくくなっていく
    AIやロボットが発展して仕事がなくなったとき、人間は有用性の鎖から解き放たれ、真の価値が生まれることになる
    役に立つかどうかは気にされなくなる

  • 詳細なレビューはこちらです↓
    http://maemuki-blog.com/?p=11914

  • シンギュラリティについては楽観的な著者。かなり手前の部分しか見ていないような気がするが、ベーシック・インカムの重要性を語りたかったからなのではないかとも思う。AIによる社会の変化に経済基盤の変化がついて行けるのか。

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著者プロフィール

経済学者。駒澤大学経済学部准教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。IT企業勤務を経て、早稲田大学大学院経済学研究科に入学。同大学院にて博士(経済学)を取得。2017年から現職。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。著書に『人工知能と経済の未来』(文春新書)、『ヘリコプターマネー』『純粋機械化経済』(以上、日本経済新聞出版社)、『AI時代の新・ベーシックインカム論』(光文社新書)、『MMT』(講談社選書メチエ『)「現金給付」の経済学:反緊縮で日本はよみがえる』(NHK出版新書653)などがある。

「2022年 『東大生が日本を100人の島に例えたら 面白いほど経済がわかった!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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