サイコパス (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610945

感想・レビュー・書評

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  • ワザとなのか?彼らとどう共存すべきかの視点が一切無い

  • サイコパスについてはこれまでにも読書等で情報収集をしているので、この本を読んで印象に残る情報というのは正直言って無かった。
    脳科学や認知科学の分野については特に、米国において英語で発表されている情報や知識が、日本語のそれよりも新しいのが常であるので(少なくとも今のところは)、英語でそれらの分野の情報収集を行っているような人には目新しい内容というのは本書にはない(もっとも私は専門家でもなんでもないのではあるが……)。

    ただひとつ言えるのは、いろいろなまとめサイト等でサイコパスについて間違った情報を得ている人々にこそ、この本を読んでほしい、ということだ。
    まとめサイト等でのサイコパスに関する誤った認識に基づく投稿や発言は、人権侵害に近く、有害であると私は考えている。

  • 織田信長やスティーブ・ジョブスがサイコパスってのはわかるが、マザー・テレサもサイコパスだったというのは知らなかった。(調べると色々出てくるが)
    自分もサイコパスかな?と思っていたが、セルフチェックでは平均を大幅に下回る結果で、全く該当しない事がわかり、少々イガイだった。
    サイコパスには良心がなく合理的な判断をするとの事だが、恐怖や不安を感じにくくリスク管理が甘い(よく言えば冒険心がある)ようで、その点が自分とは異なるのかなと感じた。だから対サイコパスとしては、徹底的に合理的な恐怖(生命・財産・権利を奪う)を与え、行為を起こさせないように萎縮・抑制させるのが有効なのではないかと感じた。マクロ的にはその辺の法整備や制度設計が今後の課題だろう。
    身近にそういう人間がいて危害がある場合には正義は通用しないので、損得で追い詰めていく必要がある。また予防策としては目立つ人間を信じない事、常に疑う事かな。
    収穫だったのは「愛情・友情・助け合い」は美しいものではなく脳が勝手にそう判断しているだけであり、種として生き延びるのに便利だから重んじられてるだけという事。サイコパスは脳異常により、遺伝的に良心や倫理を重んじる事ができないそうだ。それでも淘汰されずに1%の割合で生き残っているというのが興味深い。人類にとって必要悪という事になるのだろうか。自分に直接の害がなければ存在は構わないが、もうちょっと遺伝子的に淘汰されてもいいような気はするが。
    中野信子はTVのコメントでは冴えてるのに書籍はイマイチという印象があったが、出版重ねて除々によくなっている気がする。

  • サイコパス興味深い。共感する働きが弱くて、自分にとっての最善だけを迷わず選べる脳。そんな”異常な”存在でも遺伝子が生き延びてきたのは、サイコパスたちが偉大な業績ものこしてきたから。新書ってどうしてもキャッチーでこじつけになっちゃう部分があるから、そのへんは目をつむるとして、とにかく興味深い。

  • 要するにサイコパスとは脳の一部部位に何らかの欠陥が、(一般の人とは違うという意味で)認められる人の事である。また本文中での記述で脳は判断することを嫌がる、特に年を重ねると傾向は強くなるのところが面白かった。

  • 珍しく新書なんぞを読んでみた。

    なるほど、映画やその他の創作物でしか触れてこなかったサイコパスという存在とはそうゆう者なのね。
    でも、犯罪を犯す犯さないは結局のところ育ち?
    ジョブスをサイコパスと考えているがなぜ彼は犯罪を犯さなかったのか?そこをもう少し掘り下げて欲しいところ。
    一歩何か歯車が違ってたら犯罪を犯してたのだろうか?
    やはり興味はそこなんだよなぁ。

    つい先日逮捕されたアイダホでの事件の犯人とされている男もやはりサイコパスなのだろうか?

  • <まとめ>
    ★サイコパスをいかに見抜くか
    →外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティックである。
    →恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも堂々として見える。
    →多くの人が論理的な理由でためらいを感じたり危険に思ってやらなかったりすることも平然と行うため、挑戦的で勇気があるように見える。
    →お世辞が上手い人転がしで、有力者を味方につけていたり、崇拝者のような取り巻きがいたりする。
    →常習的に嘘をつき、話を盛る自分をよく見せようと、主張をコロコロと変える。
    →ビッグマウスだが飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げる事は苦手。
    →人当たりは良いが、他者に対する共感性そのものが低い。
    ★自分の損得と関係ないことには無関心
    ★社会的地位が高い人にはサイコパスが多い
    ★ままカーストのボス、ブラック企業の経営者
    ★オタサーの姫、サークルクラッシャー

    <私はこうする>
    ・私もサイコパス診断をしてみた
    →平均より少し高い位だった。
    →私は「成功者の卵」なので常人と少し違う思考があるのは仕方ないと思う。
    ・日本ではサイコパスな人間は少ないが、その原因となっているのは「同調圧力警察」と「思考停止人間」による、一見平和に見えるが窮屈でたまらない世界によるものだと思う。
    →日本人はもう少しサイコパスになってみてもいいのでは?と少し思ってみた

  • 第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
    サイコパス事件簿
    ランディ・クラフト
    ジェーン・トッパン
    クリストフ・ロカンクール
    サイコパスの心理的・身体的特徴とは?

    第2章 サイコパスの脳
    サイコパスの脳の知覚能力、学習能力
    「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」

    第3章 サイコパスはいかにして発見されたか
    ギリシャ時代のサイコパス
    ADHDを併発しているサイコパス
    サイコパスと精神疾患の合併症

    第4章 サイコパスと進化
    フリーライダーとサンクション
    サイコパスがもてる理由

    第5章 現代に生きるサイコパス
    プレゼン能力だけ異常に高い人
    炎上ブロガー
    サイコパスと信者の相補関係

    第6章 サイコパスかもしれないあなたへ
    PCLーR
    DSM5
    都会のほうが生きやすい
    サイコパス向きの仕事

  • 共感力が低く冷徹、平気で人を騙し周りの人々をコントロールすることを好むという傾向は、秩序と協力を重んじる現代においては相当異質なものにうつってしまうのだろうけど、
    サイコパスの人だけに特有の才能、未知で危険なことにも動じず立ち向かえる、という能力は生かしようによっては社会に大きく貢献できる素晴らしいギフトなのではないかと思った。
    サイコパスと聞くと、猟奇的殺人犯というイメージに結びつけがちだけれど、実はサイコパスの人たちが「ふつう」の人には踏み入れられない未知に恐れないことは、人類史の発展には欠かせなかったことかもしれないから、メタ的に見るとサイコパスってめちゃくちゃすごい人達ってことになる。

    サイコパスとかメンヘラとかナルシストとかって、悪口とか馬鹿にする時に使うけど、馬鹿にする時ってあくまで人間関係において、あいつ嫌い、常識外の行動をするっていうことだけに着目しているだけで、もっとサイコパスを深堀りして人間関係以外の社会的な視点も含めてみると、サイコパスの人たちだけにしかできない、人の役に立つこと、がある。

    「あいつサイコパスだから、おかしい」と言って、その人の全てを否定しちゃうのはだめなんじゃないかと、もちろんサイコパスの人に限らず、
    何かの対象が理解できない理由は、多分その人だけのせいじゃなくて、
    自分や、社会全体のふところの広さ?が足りてないことも原因なんじゃないかと思う。

  • あの人がサイコパスだったら…。普段何気なく話すのに、考えの端々に違和感を覚えたら…。そう考えると怖いというよりすごく魅力的に映ってしまうのは私だけだろうか。実際、経営者や弁護士など仕事で活躍する人にはサイコパスが多いという報告もある。

    身近に溶け込むサイコパスと、犯罪がバレてしまう残念なサイコパスもいることを述べている。残念な人はサイコパスであっても残念だと思う。

    サイコパスがどういうものかを知ることができるし、別に知ったところで敬遠したり差別が起こるようなものではない。「この人にはこんな気質があるんだな」くらい。当然、自分に被害が及ぶようなら防御に出るし、逃げるという選択をとるだけの話だと思う。ただ、私は普通に人として接したいかな。

    ちなみに私はサイコパスより程遠いみたい。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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