ガリレオの苦悩 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110130

感想・レビュー・書評

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  • 自分の頭からはどう考えても出てこないトリック、湯川と内海薫と草薙のやり取りが面白くてすいすい読めた。
    ガリレオの苦悩ということで湯川の周りで起きる事件が多く、江戸川コナンのようだった。
    メタルの魔術師の話が特に好き。

  • 天才物理学者 湯川が解明する人気連作ミステリ第四弾。草薙の部下になる敏腕女性刑事が新たに登場する本作。とある理由から警察に協力しなくなった湯川だったが…。

    今回も五つの短編からなるが、タイトルにある通り、ガリレオの「苦悩」が描写されている。そして湯川先生の人間らしい部分も要所要所に描かれている。

    「君は変わったな。昔は科学にしか興味がなかったはずなのに、

    一体いつの間に、人の心がわかるようになった。」

    「人の心も科学です。とてつもなく奥深い。」

    特に二つ目のタイトル、「操縦る(あやつる)」は、今まで数多く読んだ小説の中でも特に心に響くものがありました。

    短編のミステリっていいですよね。長編ももちろんいいのですが、その壮大な物語を読む中で、「どんなトリックなのかなあ。きっとすごいに違いないっ!」って期待値が高すぎるあまり満足できないときがぼくはあります。その反面、多くても100p程度の限られた文字数で、簡潔に読者を驚かせ、感動させられる短編って最高です。

    そして、この「ガリレオの苦悩」は、その短編集の素晴らしさを堪能できる作品です。ぜひ、みなさんにも素敵な本を読んでほしいなと思います。

  • 知人から「沈黙のパレード」を薦められたので、それならガリレオシリーズを未読のところから読んでみようと手に取った一冊。シリーズ第4弾。

    「落下る(おちる)」「操縦る(あやつる)」「密室る(とじる)」「指標す(しめす)」「攪乱す(みだす)」の5話収録。

    どれもマニアックなサイエンス・トリックもの。ドラマでは楽しめても、文字を追うだけだとどうもイメージが湧いてこない。ガリレオシリーズの短編、イマイチ楽しめないな。

    沸かしたお風呂に最初に入ると、体に細かい気泡がたくさんつく理由が分かった。水に空気が大量に溶け込んで過飽和の状態になってるからなんだ! 湯川先生のお陰でちょっと賢くなったかも。

  • ガリレオシリーズ4作目。
    前作のショックから捜査に非協力的になってしまった湯川。
    でもそんな彼の思いとは裏腹に、名指しで挑発する犯人も現れて…。
    今回は短編編成。
    どれも質の高いミステリーで楽しめて読めました。
    自分的には「操縦る」のラストが特に感動的でした。

  • やはり、ガリレオシリーズ面白い。
    短編で色々なトリックに翻弄されます。
    ガリレオシリーズ全制覇します。あっという間に読める!最高!

  • ☆特長
    内海薫という女性刑事が登場。
    草薙刑事の代わりに湯川博士に相談に行く役割に。
    各章はそれぞれ独立していて関連性はありません。
    短編なので、展開が速い。
    ☆感想
    どの作品も分かりやすく、面白かった。
    内海刑事の勘と推理の鋭さと、湯川博士は相変わらず理系っぽいカタブツですが、推理と実験が素晴らしい。
    ☆魅力
    いつもの如く湯川博士がトリックを実験で証明して解決する面白さもありながら、それぞれの章の登場人物の人間模様に感動。
    ☆おすすめの人
    ガリレオファン。
    ミステリー、謎解きの好きな女性。
    (今回から女性ならではの視点が加わったので)

    ・第一章「落下る」(56P)
    新登場の内海薫刑事の鋭い勘からの推理が見事に的中。
    その推理に対して鈍い反応の男性陣。
    女性特有の勘の鋭さからの推理が痛快。
    この内海刑事の素晴らしさを具体的に、第五章で湯川博士がご本人にフィードバックしているシーンがあります。

    ・第二章「操縦る 」(99P)
    湯川博士と、師と仰ぐ友永元教授、2人の「苦悩」と「心遣い」に感動。
    「人の心」は、とてつもなく奥深い「科学」という湯川博士の最後の言葉が印象的でした。

    ・第三章「密室る 」(49P)
    湯川博士の元同級生が、自ら経営するペンションの客の密室の謎解きを草薙を通じて依頼。
    湯川が密室トリックのみならず、事件の真相を明らかにしようとすると、依頼は無かったことにと尻込みしだして…
    そこにはある事情が…

    ・第四章「指標す 」(48p)
    経済的に苦労しながらも地道に生活する母娘。
    その母に強盗殺人の疑いが…
    ダウンジングで事件の鍵となる犬の死骸を発見する娘。
    湯川博士はダウンジングをどう断じるのか?
    「神秘的なものを否定するのが科学の目的ではない。
    彼女は自分自身の心と対話している。迷いを振り切り決断する手段として使っているに過ぎない。自分自身の良心が何を目指すのかを示す道具があるのなら、それは幸せなことだ。」
    今回も湯川博士の推理が冴えているのは言うまでもない。
    事件の真相や如何に?

    ・第五章「撹乱す 」(106P)
    「悪魔の手」と名乗る何故か湯川博士を恨む自称科学者より、警察に犯行声明文、湯川博士に予告状が送られる。
    湯川博士への挑戦のため、次々と罪のない人を殺そうとする犯人が腹立たしい。
    共通する手口は、「予告や声明がなければ、事故死として見逃されてしまうトリック殺人」
    犯人は…
    自分の失敗を人のせいにする人生。
    自分がうまくいかないのはあいつのせいという人生。
    憐れ。
    あっけなく湯川博士がトリックを解き明かします。

  • このシリーズは好きだが、やはり理系オンチの私には難しいトリックもある。たが、トリック以外にも登場人物たちの人間模様など、読み応えのある部分は多い。

  • ガリレオシリーズは初めて読みました。
    第二章 操縦るより。
    草薙『あいつは真の科学者だ。だから科学を殺人に使う人間のことは許せないんだよ。たとえ恩人であっても』恩師友永に
    『人の心も科学です。とてつもなく奥深い』
    その通り奥の深い人間模様の章でした。

    2022年秋に新作の映画『沈黙のパレード』が発表との事です。
    真の科学者、正義を演じる俳優陣にも期待しかありません。

  • ガリレオシリーズの短編集

    短編集はあまり好きじゃないけど、それでも楽しく読めた。
    各話50~100ページなのに密度が濃い。目まぐるしい速度で起承転結と進んでいくのでサクサクいける。
    ただ短編ミステリーなので、物足りなさはあったかな。
    ☆3.5

  • 東野圭吾の作品は、ブクログでは5冊目になる。
    この作品の登場人物は、湯川学、草薙、内海薫など。
    書かれたのは2006~2008年頃。

    ●2023年2月23日、追記。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    “悪魔の手"と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指して挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か?常識を超えた恐るべき殺人方法とは?邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気「ガリレオ」シリーズ第四弾。今作も科学トリックが冴え渡る。福山雅治主演のドラマ「ガリレオ」も高視聴率を連発し、大いに話題となった。『容疑者Xの献身』で警察には協力しないと宣言した湯川が、再び迫り来る事件に対峙する。「落下る(おちる)」「操縦る(あやつる)」「密室る(とじる)」「指標す(しめす)」「攪乱す(みだす)」の短編、全5編。

    ---引用終了

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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