新訳版 アンネの日記 (文春文庫) (文春文庫 フ 1-1)

  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167114022

感想・レビュー・書評

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  • 素直で、ありのままの一人の少女の日記です。
    戦争が実感としてわからない私たちに戦争の悲惨さを伝えてくれます。

  • 今回、12歳の子供の夏休みの読書にと思い図書館で借りて来たのですが、自分でもついでに読んでみました。今まで中々手が出なかった本ですが、読み始めると引き込まれ、特に隠れ家での人間模様やその考察が面白く興味を引きました。
    多感な時期に大人からの逃げ場のない状況でぶつかり合う様子から、徐々に心が成長して自律していく様が赤裸々に書かれていて、かつて同世代だった頃の忘れていた気持ちを思い起こさせてくれました。また一方で、来たる娘の思春期で親の立場から心に留めておきたい内容が沢山ありました。

    アンネ本人も書いていましたが、アンネは早熟で感受性が豊かでかつ文才がある為、同世代の子が言語化出来ない様なことを沢山書いていることに感銘を受け、自分も思春期の頃に読めば良かったなと感じました。
    なので子供にもいつか読んでもらいたいなと思いましたが、完全版には性的な表現なども含まれるので、少し大きくなってから勧めるか、省略版を勧めるかにしたいと思いました。

  • 子どもの時は完読できず、いつも途中であきらめてしまってました。大人になって、改めて読み直しやっと全部読みおわりました。

    コロナ禍でどこにも行けないと不満を言った自分が恥ずかしく感じたり、また戦争はなぜこうも繰り返されてしまうのかなど、いろんなことを考える大事な一冊でした。

    とても辛い状況下の中、それでも人間の善を信じ、明るく希望を持つアンネの強さに感動しました。まだほんの15歳なのに、、、

    とても励まされ、勇気をいただきました。

  • 奥付は89年5刷だった。ナチスの迫害から逃れるため、欧州からの脱出ではなく、オランダ国内での隠れ家生活を選んだアンネの家族を含めた3世帯。2か月弱で大喧嘩が勃発するのは、他人と極限状態で閉鎖空間にいることから仕方ないのだろう。思春期の難しい時期に過酷な生活を余儀なくされたアンネは、その時期特有の自我の目覚めと、同居するペーターとの恋により、見違えるほど成長していく。密告によりアウシュビッツへと送られる直前の日記の、哲学的な記述の素晴らしさは圧巻だ!

  • 10代半ばでこんなにも大人な考えを持っていることに驚き。戦時下、限られた状況だからなのか、ヨーロッパではそうなのか?とも思ったが、そんなことはなく、アンネのもったものなんだろう。ごく一部だが当時の状況を知ることができるし、戦争とか関係なく子どもにも敬意をもって接するべきということを改めて教えてくれた一冊だった。
    著者自身、この日記に終わりはないつもりで書き続けていただろうに、終盤には人生とは…みたいなことが書かれてるのとか、日記が突然終わってしまうのとか、何とも言えない感情になってしまった。

    この深町眞理子さん訳版はちょっと難しい表現が多いと感じたので、32歳になった今読んでちょうどいいくらいだった。読みやすい訳版を探してぜひ読んだらいいと思う。あと、当時の背景をよく知らなかったので、解説から読んだが、これもよいやり方だったと思う。

  • ずいぶん前に増補新訂版が出ているが、近場の古本屋で手に入ったのが本版だったため、まずは、という気持ちで読むことにした。これは小説ではなく少女の日記であるが、文才があるためか、日記の奥に光景がハッキリと浮かんでくる。内容についてはあえて触れないが、特に印象に残った一節がある。「わたしのほしいのは、取り巻きではなく、友人です。(P.284)」前後を読まないと勘違いしてしまうかも知れないが、衝撃的だった。これ以降、最後までこの一節を心のなかに取り置きしたまま読み終えてしまった。

  • 今日マチ子さんの、cocoonを読んで、次はこれを読まなくちゃなって思ってたので。子どもの頃に読んだのとはまた印象が違いますね。

  • 「わたしの望みは、死んでからもなお生きつづけること!」

    アンネの苦しい隠れ家生活、強い想いそして将来の夢、身近な人々、普通の女の子としての可愛らしい一面などを、圧倒的な執筆力で綴った日記。ちゃんと最初から最後まで読んだのは初めてだったのですが、いかにアンネがしっかりとした信念を持って生きていたかを知って、衝撃でした。そしてその文才と知識の豊富さにもただただ圧倒されました。

    自分自身を包み隠さず語るアンネの日記は、突然終わりを告げます。そこに戦争の醜さとホロコーストの悲惨さを感じさせます。

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