69 sixty nine (文春文庫 む 11-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 256
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167190071

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の青臭さと文体の疾走感が心地良い。あっと言う間に読み終えてしまった。1969年が現代と比べて「いい時代」とは決して言わないけれど、そこには紛れもなく彼らの「青春」があって、きっともう二度と手に入らないものに溢れていたのだろう。バリ封やフェスティバルの計画を練る時のわくわくする感じ、まさに無遠慮で真っ直ぐで大人や学校や役割を徹底的に嫌う「若者」たる感じが、何とも言えず心地良くて痒くていじらしい。それっぽく積み上げていた理論も、結局は呆気なく「モテたい」に収斂するし。

    あとがきの一節「退屈な連中に自分の笑い声を聞かせてやるための戦いは死ぬまで終わることがないだろう」。
    「青春」って、これに尽きる!!

  • 最高だった。
    ギリギリ今の年齢で読めてよかった。危なかった。
    大人になって日常をこなしてしまうようになった時にまた自分に読ませたい。
    村上龍にハマった。

  • 始めは、下品で嫌やなぁと思ったけど、
    バリ封をやろうと決めて大滝と成島が主宰する「佐世保北高全学共闘会議」のアジトに乗り込んで、どうやってバリ封を実行するかを演説してみせるあたりから、アダマとのやり取りが面白くなってきて一気に読めた。
    岩瀬の存在がただの青春物語とは違うスパイスになってて面白い。

    「アダマは、一九六〇年代の終わりに充ちていたある何かを信じていて、その何かに忠実だったのである。その何かを説明するのは難しい。」(p213)
    の所が、真面目やったアダマが馬鹿なことに夢中になった時代の空気感を表してて、リアルに感じられた。

  • 最高に面白かった

  • 文中に出てくるカタカナの単語が知らない歌手やら俳優、偉人ばかりで、なかなか想像が難しかった。わたしの勉強不足なんですが...
    でも学生時代の根拠のない全能感は伝わってきました。

  • アホな話です
    めっちゃ笑いました
    一気に読めます

  • 2007年に発行された。

    -感想-
    1969年を舞台に書かれた17歳の高校生の物語。
    読み終わった感想は「ほ、こんなこと思う高校生がいたのか。。。」
    です。
    そして、難しい‼
    その小説が当時を思い描くなら、音楽やら映画などで表現が溢れてる。
    それだけ1969年当時(昭和44年)を思い描いてる。

    ◎世の中的に出来事が色々あったらしく、
    ・東京大学は入試を中止。
    →デモが起こった。
    ・ビートルズはホワイトアルバムとイエローサブマリンとアビーロードを発表。
    ・ローリング・ストーンズは最高シングル「ホンキー・トンク・ウイメンをリリース」
    ・ベトナムでは戦争が続いていた。
    ・パリではド・ゴールが引退??
    →フランス18代大統領。シャルルアンドレジョゼフピエールマリ・ド・ドール

    ◎どれだけ、レコードやクラシックなどが主か。
    ◉だから、難しく感じた。当時では当たり前かも。今の子が曲?というか、聴くのは"日本の曲”っていうのがあるのでしょう。

    ◎所々文字が大きく表記されてて、インパクトを残してた。
    ◉高校生ながら一番思いがこもってる部分?

    ◎高校生らしい、"○○と思ってるのは嘘で”という表現がなされてた。
    ◉上品で高貴なイメージを相手に与えたいという出来心みたいなのが見えてわかる。

    ◎海外女優とかめっちゃ名前出てきた。。シラン人ばかり。。
    ◉日本人に美しい人いなかったのか?外国の人をしってると同級生より"格上"的なランクになるのか?
    それとも単純に外国人に魅力を感じてたか??

    ◎親父が好き。
    ◉息子の考えを主張してあげるお父さん。
    読み終えた後でも残ってる言葉は「誰かを殺めたわけじゃないから先生にペコペコするなよ」みたいな表現。
    ★俺も父親になったら、自分が行った行動に責任をもて。自分で一生懸命考えて行った行動をすぐにすみませんでしたというな。
    迷惑をかけたのは事実だけど、自信をモテ。

    そうやって子供には全て駄目と教えず、自覚を持ってもらう。

    父親が好きだなぁ〜
    もしかして、村上龍さんの父親もこういう人??少し違うけど、俺のおとんと似てる気がする。

    今まで一度とも俺が進む道を拒否したことはない。


    ◎村上龍の本は、知らん言葉や時代や人格が出てきて、楽しめる。
    ★村上龍の本を読んでみよう。
    →最後の家族と、コインロッカーベイビーズ購入‼

  • いや、村上さんやはり好きだなあと思った小説でした。欲望むき出しの青春小説、ど直球で殴りかかってくるこの感じ、たまらないです。

    男なら誰もが考え、そして考えるだけで終わるであろうくだらないことを、くだらないと思わず真剣にやってのけるケンさん。旧帝大4年の安定真っ只中の自分が読みましたが、ただただその行動力とやり遂げる力に尊敬しました。あとがきの「人生は楽しむものだ。」の説得力たるや、、 あとは、女に対する欲望があまりにも直接出てくるので、男からしたらその通り〜〜と楽しく読めるが、女性の方の読んだ感想も聞いてみたい。

  • 昭和の学生政治運動が描かれているため、平成生まれの私は時代差を感じる。だが、全く登場人物たちに共感できないわけではない。何故だろうか。

    この点、作中に描かれる政治運動は、何か高邁な理想を追うというより、むしろ(現代の学生がバンドをやるように)ファッションとしてなされている。底にあるのは、"イケてることをしたい"という欲求であるようだ。

    このような欲求は、現代にも通づる(、そして恐らくは普遍的な)ものである。それゆえ、私は本作の登場人物たちに共感し得るのだろう。

  • 単純に面白い小説だった。高校生の頃ってこんな感じだよね。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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