- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167190071
感想・レビュー・書評
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今までの村上龍の作品とは全く異質で、彼の高校時代の出来事をベースに書かれているらしい。作品全体に青春の楽しさが溢れていて、読んでいてこんなに楽しい小説はない。著者のあとがきで、”楽しむためにはエネルギーがいる。戦いである。私はその戦いを今も続けている”とある。彼の常に新しいものを求めて楽しそうな感じの原点は、この作品にあるのかもしれない。
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一人の女の子にかっこつけたいがために動く男の子達!
すごく子どもっぽいことなのかもしれないけれど、読んでいて全く嫌な感じはなく、本当に楽しい!
女の人を惹きつけるために男の人が動くというのは性別関わらず、生物は共感できることなのかなあ。
たまに読み返しては、人物たちからわくわくを分けてもらえる本です。 -
一気に読み終える。
こんな笑える村上龍も好きよ。
ナイーブな問題で溢れる時代も、
こんな風に生き生きと生きていたのは生きる才能がある証拠 -
村上龍の自伝的小説。
以下、背表紙のあらすじを備忘録的に引用させていただく。
「1969年、東京大学は入試を中止した。人々はビートルズに熱狂し、世論はベトナム戦争に揺れていた。僕は長崎県佐世保市、基地のある町に暮らす高校三年生。なにか面白いことをしたい、みんあを驚かせたい、女の子にモテたい!ただそんな気持ちから、僕は仲間たちと一緒に学校をバリケード封鎖したーー」
そんな1969年の鬱屈した地方都市の学生の姿が、実に活き活きと伝わってくる。
当時の主観をどこまでも客観的に描いた文章。現在への批評を差しはさむことなく、ただ淡々と、当時のありのままを語ったように読める。
主人公はもうどうしようもないクズだ(自伝的小説にこんな激しい言葉はよくないが)と冒頭から分かるのだが、開き直った自覚的なクズなので、いっそ清々しく嫌味がない。
私は文庫版で読んだのだが、太田光さんの巻末の解説文もいい。
「村上さんは常に現実にある問題とコミットしようとする作家だ」
その時々の社会の中で等身大で生きる若者たちを描くのがとても上手な作家だと、私も思う。 -
2023/05/10
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若かりし頃の衝動がそのまま描かれているような青春小説
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4.1
バカ笑うしカルチャーも熱いしノスタルジーだし最高。
『69』あるあるだとは思うけど、やっぱりプレイリスト作って流しながら読んじゃう。
これ以上ないBGM -
50年以上前の地方都市の当時の時代の空気感や高校生の空気感がよく分かりました。唯一の欠点は「悩みが吹っ飛ぶ面白さ!」と異様なまでにハードルを上げている出版社の帯の文句だと思いました。面白くはあったけどそういう面白さとはちょっと違うんじゃないかと…
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2022.7.26