- Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167259150
感想・レビュー・書評
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中国春秋時代の晋で混迷の乱世で、生き抜いた兵法家の士会の物語。あまり高い階層の出身でもない彼が如何にして宰相まで登り詰めたか。晋は、長期間にわたり秦、楚と戦い、近隣の諸国と外交上での深謀遠慮を駆使して、大国として数々の大戦をくぐり抜け、国を治めていく。
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晋の文公(重耳)が即位した後くらいからのお話、主人公は士会。重耳、介子推、と読んでこれを読み始めてみた。
この人がどういう人として歴史に残っているのかを知らずに読んでいるので結末がわからないのだが、当時の「礼」に対する考え方が見える点は興味深い。戦争でも外交でも、礼が伴わないと一時の成功を結局継続させることができない。内部の組織もまとめていくことが出来ない。 -
前630年頃。士会の話。随を領地としたので随会ともいい,後に范を領地としたので范会ともいう。士蔿の孫で晋の正卿となった人で,途中,秦に亡命し秦の臣として引き立てられた時期もあった。先軫,先且居とならぶ晋の名将軍。
文公(重耳)の漂流時狐偃,先軫が中心であり,士氏は司法家のため恵公(夷吾)がに従わざるを得なかったため重耳の帰国後は不遇でした。武術,外交面で優れているところを先軫に認められ,やがて文公の目にも止まり,車右に抜擢され,緩やかではありますが昇進を続け,最終的には宰相まで登りつめます。
晋の宰相である荀林父が首座を位2位の郤缺に譲った時の話。
反逆者(郤缺は一度晋公を攻めて殺している一味にいた)の子は宰相になれぬと言っていた郤缺が徳を積み続けて遂に人臣の最高位に登った。士会は我が事の様にうれしい。さっそく賀辞をたずさえて郤缺邸に行った。郤缺は士会を見つけると,席を降りて鄭重な礼容をしめした。士会が客席に座るや,満堂の族人に『隨会どのは私の命の恩人であり(郤缺は晋公を攻めた時に瀕死の重傷を負ったが,士会は郤缺とはしらず助けていた),子の克を隨会どのに仕えさせるつもりである。旗鼓(軍事)のことは一族をあげて隨会どのに従う。』と大声でいいきかせ,士会にむかって低頭した。するとすばやく席をおりた士会は『旗鼓は徳にまさることが出来ない。わたしは郤氏の徳に従う』と言った。このあたりの士会の人を思いやる感じが好きだ。 -
主人公士会の、誠実に生きることで一国を任されるまでになる活劇。ここに趙盾という人物が出てくるのだが、これは『孟夏の太陽』という短編連作集と合わせて読んで欲しい、是非。多様な視点、それぞれの思いに従った結果、社会が食い違いや融合を予測できない形で紡ぐのだと実感できる。悪く言われる人物、なんでそうしちゃうかな、と感じさせる行動があっても、その裏側にはその人なりの思いも感情もある。そして、決して蔑ろにはできないことなのだと感じる。
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士会のお話。続・重耳みたいな作品。介子推と違う強さ。戦術、人望。
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これも太公望と同じくらい好き
士会の考え方はとてもかっこいいと思う -
10/29
徳と敬,礼と勇気,天と人.好きだなぁ.とても気になる終わり方. -
*上下2巻
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晋の天才兵法家、士会の物語