新装版 マリオネットの罠 (文春文庫) (文春文庫 あ 1-27)

著者 :
  • 文藝春秋
3.61
  • (137)
  • (276)
  • (303)
  • (51)
  • (11)
本棚登録 : 2600
感想 : 238
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167262273

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 個人的に赤川次郎の最高傑作として推します。ミステリ好きの観点からですが。今この作品を読むと赤川次郎の世間的なイメージ(軽い・量産)をいともたやすく払拭する非常に完成度の高いサスペンス・ミステリ作品と言えます。プロットも人間描写も素晴らしい。

  • 余りにも著名な作者で、先入観から大衆受けのエンタメ作品だろ的な歪んだ気持ちもあり手に取るのをためらってました。反省してます、ごめんなさい。

    40年近く昔の作品なのに古臭さがなく、むしろ洗練されててお洒落な印象を醸し出してる。淡々と進んでいくのに劇画的なイメージが脳裏に鮮明に浮かび上がる高揚感、サスペンス要素、ミステリー要素、バッチリ。場面が一点に集中するのでなく、視点も変われば環境も物語も自由に変化させていき、全てに引き込まれる筆致に脱帽。

    ノンネタバレで是非手にとってあぁと感心してもらいたいですね。

  • 再読。久しぶりに赤川作品を読みました。読み始めは全く覚えていないと思ったのですが、途中で犯人と最後のトリックだけポンと思い出してしまい…サイコサスペンス風でラストにあれを持ってこられたら若かった私には衝撃だったのだろうと思います。今回はかなり最初からいろんな伏線が埋まっていたことに気づき初長編だったそうですがさすがだと思いました。ただ、作品が悪いわけではないのですが人生経験をある程度重ねてしまうと突っ込みどころは多くなってしまいますね。読む時期っていうのはあるんだろうなと思いました。

  • 本作を叙述トリックと言っている人もいますが、個人的にはこれは叙述トリックではなく最後に意外な犯人が明らかになるライトなミステリー。
    修一が峯岸の館を探索したり美奈子が療養所を探ったりする場面は、シチュエーションのわりに全くハラハラしないのは何なのだろう(笑)
    赤川次郎氏の最高傑作との触れ込みに期待しすぎたのかな。

  • 赤川次郎を初めて読む。
    読みやすこと読みやすいこと、犯人がだれかわかりながら追いかけて行く感じのね。最後そうなってまうのかーと。

  • 若い女が執拗に襲われる話。←違う

    ン十年ぶりの赤川次郎。
    小学校高学年から中学生にかけて赤川次郎に嵌まった時期があって、その頃の新刊はだいたい読んでたはずなのに、この作品は知らなかった。
    調べてみたら長編処女作品で1977年作とか。
    そりゃ読んでないわな。そもそも初期作品はあまり好きじゃなかったしな。
    しかも1977年って『占星術殺人事件』ショックより前じゃないか。
    なるほと、ミステリ停滞期(失礼!)の作品な訳ね。

    何様のつもりだと自分で思いつつ敢えて言うけど、自分の舌が肥えたなぁ…ってことを実感した作品だった。
    アイデアは面白い。
    もっと周到に練って構成すればもっと面白くなったと思うし、赤川次郎がもう少し人生経験(作家経験)積んでから書いてくれてたら、もっと完成度が上がったんじゃないかと思う。
    または私がミステリ読書経験が少ない頃に出会ってたら絶賛したかも。
    40年以上経った現代に読んだせいもあって(そして読者側も歳取ったせいで)、申し訳ないけど稚拙というか、詰めが甘いという感想を抱いてしまった。
    「組織」とか「敵の組織」とか、凄く胡散臭く薄っぺらく響いた…。
    (偉そうにスミマセン)
    でも発表当時に読めてたら(不可能だけど)、間違いなくビックリしたと思う。

    つまりはこの40年でミステリは素晴らしく進化したってことです。
    そして40年前の作品を今当たり前に読める社会のシステムにも感謝したいし、この作品自体が40年の時を経て発掘されたタイムカプセルみたいで、なんか嬉しかったです。
    (全然作品のレビューになってなくて申し訳ない)

  • 赤川次郎先生の処女作であり、最高傑作とも言われている作品です。
    処女作でこの面白さはビックリです。
    私自身赤川次郎先生の作品はこれしか読んだことがないのですが、これは読む価値に値する作品だと言えます。
    終始飽きることなく読むことができ、終盤にはハッピーエンドにも思えたが、最後の最後で
    あれっ?まさか!おーー!!
    ってなりました(笑)
    少しの内容でもネタバレになってしまうため、多くは言えません!
    処女作のせいなのかも知れないが、文体的には所々若々しい感じがしました。特に私を唸らせた最後ですが、少し強引な感じもしました。しかし、内容やミステリー小説としては十二分に面白かったです。
    まだ未読の方は是非ご覧になって下さい!

  • 一気に読んだ。女性の名前に全てに子が付くのは、時代を象徴していると感じた。どんでん返しと言われていたが、そこまで衝撃的ではなかった。

  • 切り絵でこさえたような厚みのない登場人物たちが目まぐるしく物語を展開していく。やがてひとつのキャラクターがクルッと裏がえると、そこには表からは想像できない意外な正体が・・・。
    淡い印象しか残らない軽薄なミステリーだった。


  • 巻末の解説は「衝撃を受けた」とあるが、それほどでもなかった。
    1981年に書かれたものなので、当時としては衝撃かもしれない。
    確かに読ませる作品だけども、サスペンスにしてはハラハラすることもなく読み終えた。
    結婚式のとこぐらいかな、少しハラハラしたのは。
    しかし、全体的に醸し出される不気味さが、なんとなくイヤな感じを与える。
    そういう意味ではさすがと思う。

全238件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

赤川次郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×