新装版 隣りの女 (文春文庫) (文春文庫 む 1-22)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277222

感想・レビュー・書評

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  • 「隣の女」と「春が来た」は良かった。どちらも桃井かおり主演でドラマ化されたことがあるみたい。見てみたい。
    父親が失踪したり、外に女を作ったり、隠し子を設けたりという設定が多いが、時代のせいなのか。

    ●隣の女
    ミシンで内職しているところから、後半はニューヨークに行ってしまうという展開の飛躍がものすごい。フィクション丸出しではあるが、女性の内面の表現として面白かった。

    ●幸福
    父親が失踪して別の女と暮らしている話。
    ポイントがよく分からない。そもそも誰のセリフなのかが分かりにくく読むのに苦労した。ドラマのようなテンポのよい会話を意識しているのだろうけれども、映像がないのだから、もう少し説明が多いとよかった。

    ●胡桃の部屋
    これも父親が失踪して別の女と暮らしている話。この時代よくあったことなのか?
    世話焼き傾向が強い女性の話。気張りすぎて一人だけ空回りしていたことに気づいたことによって、今まで硬い胡桃の殻の中にあった本来の自分を取り戻したという感じ?
    「白く脂っぽい胡桃の実は、母の衿足である。」の意味が分からなかった。

    ●下駄
    腹違いの弟に出会う話だが、後半はなぜかホラーっぽい雰囲気になるちょっとわけのわからない演出。
    というかこれも父親の隠し子ということで、父親が外に女を作る話が多すぎる。

    ●春が来た
    自堕落な暮らしをしていた家族の娘に彼氏ができたことで、家族の生活自体は見違えるように改善し、娘の自意識も向上したが、彼氏は自分に負担がのしかかっていると感じて去ってしまう。それでも娘や家族の意識が変わったことはいい方向だよねという意味での「春が来た」。単純にハッピーエンドに向かっていくかと思いきやのどんでん返しだったので驚いたが、人生は単純なものではないのである。

  • 自分を「女」としてカテゴライズした者にしか書けない。

  • 哀しいな。なんか。女の方が現実的で容赦ない。

  • 絶筆のさいごのことばが「さよなら!」って大きな声で言ってるの、めちゃくちゃ素敵じゃないですか。はからずも、ではあるけれど。

  • 何十年後、笑って話せるものなのか、墓場まで持って行くのか。

  • 再読。短編集。蓋をして隠しておきたい気持ちを、目の前に突きつけられて身もだえするような恥ずかしさを感じる。理屈に合わないのはわかっていながら、どうしようもない行動をとってしまう人の気持ち。そんな愚かさも向田さんの温かい寛容さが包み込んでくれる。あとがきは、向田さんとの思い出話になってしまいますよね。

  • 昭和の感じはするのだけど、それがまた良いというか、頭のなかに不思議と映像が浮かぶ。
    昭和の感じなのに、きっと今と何も変わらない感情がそこにはあって、だから読みやすい。
    正直、こんなに面白いと思うとは思わなかった!

  •  向田邦子 著「隣りの女」、2010.11発行。隣りの女、幸福、胡桃の部屋、下駄、春が来た(絶筆)の5話が収録されています。「隣りの女」は小説として、とても面白いと感じました。絶筆の「春が来た」は、読後、春が来て楽しいと言うよりも、哀しい気持ちに襲われました。
     向田邦子さんの5つの短編小説、どれも味わい深く、かつ、味わいが微妙に異なる男と女の物語です。あっ、小説はすべからく男と女の物語でしたねw。「隣りの女」、2010.11発行、再読。隣の女、幸福、胡桃の部屋、下駄、春が来た。絶筆の「春が来た」は、思いがけないどんでん返し。切なく哀しい「春」でした。

  •  前向いてるんだか後ろ向いてるんだかわからないけれどとにかく足を運んで進んでいるうちに、新しい場所に着いて新しい景色を眺めている。そんな気持ちにさせてくれる5つの作品たちでした。
     新しい場所の彼女たちがとっても輝いていて、とにかく止まらずに歩いていくことの大切さを教えてくれる一冊でした。

  • EXOのカイさんが主演でドラマ化すると聞いて、手に取りました。カイさんだと思って読むと、より!おもしろかった。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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