新装版 隣りの女 (文春文庫) (文春文庫 む 1-22)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277222

感想・レビュー・書評

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  • どうしてこうも、知られたくないような影の部分を暴くのだろうか?
    蓋をして、真っ直ぐ見たくない部分が、全ての短編でまざまざと
    描かれている。
    しかし、それが意地悪な視点ではないところが魅力だと思った。
    人のサガとして、そこにある存在を、目を背けずに見つめている。
    そんな人間性が、大どんでん返しの起承転結に優しく織り込まれている。
    全ての短編で、先が読みたくて止まらず、脱帽した。

    そして、自分も知らない昭和がそこにあった。
    内職で裁縫する件も、母の隣にいつもあったミシンが思い出され、
    裁縫が当然身についていた尊敬すべき時代への想いが膨らむ。
    週末に「シルシルミシル」で、ニッセンの中国工場で多量のミシンが
    働いている様子を見たが、昭和の内職が輸出されている現代に、
    複雑な思いをした。

  • ごく普通の日常生活の中に、するりと非日常が入り込んでくる。

    日常生活を守るために必死で人生を送って来た人ほど
    ポンと非日常な道に足を踏み入れてしまう、、、。

    結局、ごく普通の生活の中にこそ求める幸せがあるのだなぁと
    しみじみと感じました。

    すばらしい作品なのに、月並みな感想しか持てない
    自分が情けない。

  • ドラマは勿論拝見したことがありますが、本は初めて読みました。語り口はユーモラスでさえありながら、どこか怖い作品世界でした。読了後、ちょっと読書あたり(笑。そんなのあるのか?)しちゃったような…

  • どの作品からも、向田さんの人への温かい気持ちが伝わってくるような気がする。私が特に好きなのは、「胡桃の部屋」。主人公がとても魅力的だ。

  • 私が3歳の時に向田邦子さんは亡くなっているので、私は彼女の生きた時代を知らない。
    けれど彼女の小説を読むと感じる気がする。登場人物の息遣いや、当時の匂いを。

    どの小説を読んでも、ドキドキする。

  • 表紙が変わっただけなのに、うっかり間違えて買ってしまった。。。

  • 内容は可もなく不可もなく。「まぁ、面白い」って感じ。短編集だから読みやすく、旅行先で眠れない夜にちょっと読むのに最適☆

  • 恥ずかしながら初めて向田邦子さん読みました。地味な物語なんだけど展開には起伏があって読みやすい。場面の大きな転換をさらりと描くスピード感が見事。テレビドラマの名脚本家の文章だけあって、読んでいると自然と映像やカット割がドラマを見ているように頭に浮かんで来た。

  • 110123

  • 古きよき日本。の家庭内のドロドロというほどでもない感情の澱みたいなものがうまく描かれていると思う。ドラマチックではあるけれども、見てスッキリするようなドラマは少ないといったところ。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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