新装版 隣りの女 (文春文庫) (文春文庫 む 1-22)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277222

感想・レビュー・書評

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  • 向田邦子。びっくりした。実におもしろい。文字から伝わる音、匂い、息づかい。むっとするほどの人間くささ。
    読んでる最中はずきんと突き刺すほどの痛い衝撃。痛い。とても痛い。なのに読後に訪れるのは、人間にたいする愛おしさ。
    完璧な人間なんていないよね。生きている人間は弱くて、ずるくて、愚かで、腹立たしい。なのに愛おしくて泣きたくなる。ぎゅっと抱きしめたくなる。
    向田邦子はすごい人だ。

  • ああ、そうだ。
    私は向田邦子が大好きだった。

    彼女の物語は人に優しい。

    欠点だらけの人々を、すべてひっくるめて温かく受け止めてくれる。

    きっと生涯、好き。

  • お借りして読んだ。

    「胡桃の部屋」のお父さんが女物の履物で買い物している所で出くわすシーンを偶々TVで見たことがあった。
    中学生のときに何冊か読んだこともある気がするけど、忘れた。そのときはまだ、この人の描くドギツい生々しさを理解できなかったのではないかな。
    乾いた言葉でぐさっ、ぐさっ、と脇腹をさされる感じがたまらない。
    「阿修羅のごとく」などTVドラマも近いうちに観てみたい。

  • 「隣りの女」「幸福」「胡桃の部屋」「下駄」「春が来た」の五編。
    どれも温かくてせつない。「胡桃の部屋」と「春が来た」の最後は特に。どうしてこんなに巧いのだろうと思ってしまう。もっともっと向田作品を読みたくなった。

  • 学生振りに向田邦子さんの小説読んでみました。

    気持ちが沈むのでちょっと避けてたんですが、やっぱりこちらの短編集も沈みました笑

    向田さんの作品って、なんでこんなに人の見たくない部分も含めて、リアルに感じるんでしょう。

    麻田の低い声とミシンの音や、腋の香り、都築の桃太郎の歌、下駄の音、キヤキヤする
    どれも不思議と鮮明に残るんですよね。

    作品中で特に心に染みたのが
    幸福、胡桃の部屋、春がきた

    最後の春がきたは悲しいけど、まだ気持ちが救われたかな。

  • 思い出トランプの方が
    ぎゅっと大事なところだけを書いてるようで好きだった。
    でも、向田邦子さんの書きたいこととか着眼点とか表し方とか、くせになる・・・

  • ありふれた日常の中で暮らしている人たちの心の機微を描いた、五篇から成る短編集。

    どの作品も、その世界が頭の中で容易に映像として浮かび上がってくるような感覚。

    人のいやらしい部分や、矛盾している部分、できることなら直視したくないような部分が描かれていて、心がざわざわ、じとっとした湿気や匂いを感じる。
    しかし同時に、それに安堵もする。

    どの作品も面白かったけれど、特に「幸福」と「下駄」のちょっと心にひっかかる読了感がよかった。

  • 2014.02.17

  • 初、向田邦子作品。なぜ今まで読んでこなかったのかと後悔するほどの衝撃を受けた。
    特に「胡桃の部屋」のラスト1ページは秀逸!

  • 短編集。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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