青が散る (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.76
  • (129)
  • (100)
  • (212)
  • (5)
  • (5)
本棚登録 : 1059
感想 : 130
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348021

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 青春小説としては私の中でナンバー1
    凡庸な主人公、コッテ牛の悲しみ、夏子の純粋さ、裕子のしたたかさ、貝谷の弱さ、ポンクのずるさ
    その他、わき役も含めて、一人一人の個性がとてもよく出ています
    いくつになっても読み返したくなります

  • ちょっと時代が違いすぎるかな。

    空費されるべき青春が定石通り空費されたところはまさに青春

  • 時代が違うのかあまり共感できなかった。
    潔癖、王道というのは身にしみた。

  • 80年代の神戸を舞台としてテニス部に所属する大学生の4年間の青春と挫折を描ききった長編。やや単調な前半とは打って変わって終盤は様々な出会いと別れの人間模様がドラマチックに入り乱れる。じんわりと心の奥に残るような一冊。

  • 2013.5.3読了。

    人生は体力だ。

  • 再読。
    高校生の時初めて読んで、
    10年の時を経て再読。
    あー瑞々しい!!!
    青春ってこういうことだ
    青春小説の最高峰だ

  • 青が散る。ー大学時代が背景。

    青が散るの夏子。
    青春時代にでてくるヒロインとしては
    すぐれたものをもっている。

    青春とは、つねに「いきつもどりつ」する
    心の振幅みたいなものだと思う。

    女性の「したたかさ」と「もろさ」を、
    心の成長過程の中で見つめていることも、
    重要なモチーフなのかもしれない。

    また、青春の目で「死」というものを
    しっかりとらえる確かさも、
    必要な側面かもしれない。

    「異性ー愛ーそして死」ということに、
    振り回されながら人間は生きていくのだろう。

    体を健康にして「活字」を追いかけ、
    「映像」に没入することができれば、
    かなりのイマジネーションがわいてくる。

    「青が散る」 燎平ー夏子

    大学時代 テニスをとおして青春を語る。
    一流というもの。
    二流というもの。
    金持。小金ち。

    テニスほど、ある意味で、
    英才教育が必要なものはない。
    プチブルのお坊っちゃんでは、最後に、
    頑張りがきかない。
    テニスの全体の流れを決めるところ
    「キングスポイント」がある。
    青春の目から見た「恋、仕事、テニス」
    そこには、まだ整理されていない乱雑な世界が存在している。

  • 初の宮本輝さんの本です。

    青春小説で大学のテニス部での4年間を書いた作品。
    作中で大学は『人生で唯一の4年間の休暇』といったフレーズがすごく印象に残っていて、今大学生の自分はこのままでいいのかと漠然と不安になった。

    舞台が関西なので主人公達が関西弁だったり、知ってる地名が出てきたりとても楽しめた。
    テニスもしていたので、試合の場面でも展開が浮かんできておもしろかった。

    大学生の内に読めてよかった。

  • とても面白かったです。純文学というよりは、まさしく青春小説といった印象です。半分を過ぎたあたりから物語が面白くなっていき、最後は素晴らしい感動、そして少しもどかしい読後感が混ざったような複雑な気持ちになりました。父に薦められて読んだのですが、本当にこの本と出会えて良かったと思います。個人的に教授の「青春の特権」に関するセリフがとても気に入っています。

  • 潔癖で、ごまかしのない、情にあつい燎平が好きになれる。
    そんなやつに、自分も、なれたらいいのにと思う。憧れる。

    最初はやる気もなかったのに、最後はテニスの試合に大学生活も、恋も、自分の未来さえも賭けてしまうような、情熱と勢い。燎平の変わりっぷりが見ていてスカッと気持ちいい。

    読み終わって目を閉じると、燎平と一緒に駆け抜けた4年間が感じられるようで、心にずっしりと重みを残してくれる。

    それにしても、最後の夏子はやるせなかった。岡本を振った後、燎平に声を掛ける夏子、そんなの、これまでの夏子じゃありえなかった。「私に付いて来れる男なら、付いてきてみせて。」って感じだったのに。恋を失って、自分の寂しささえ押さえられず、邪険に扱った男に媚びるような女になってしまったのか・・・。とさえ思った。(個人的な解釈ですけど・・・。)

    誰しも、人は変わっていくのだ。芯は変わらなくても、あやふやな芯の周りは周りの人に影響されて、どんどんかわっていく。いいようにも、悪いようにも。そして気づけば、芯も変わったように見える。そんな、変えることができたようで、どうしても変えることのできないような、自分の心の芯存在を、人はみな、いつ気づくものなのだろう。

    ぜひ、本好きの友達に進めて、感想を聞いてみたい。

    * テニスは頭脳戦

全130件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮本輝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×