海岸列車(上) (文春文庫 み 3-7)

著者 :
  • 文藝春秋
3.41
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本棚登録 : 493
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167348076

作品紹介・あらすじ

幼き日、母に捨てられ、寄る辺なき人生の途上に立ち尽す兄と妹。時代の光と闇の中に、愛を求めて彷徨う青春の心の旅路を描く最新長編。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず、作者の作品は読みやすいです。後半部分での主人公二人が、じれったいような気がします。下巻で、二人がどうなるのか、夏彦がどうなるのか興味津々です。

  • 主に男女の不倫についての物語なのですが、最後までプラトニックを通したところが好感が持てました。「あとがき」にあるように、最後まで深い関係にならないように書くことは凄く難しいと思いました。

  • あらすじ
    幼き日、母に捨てられ、寄る辺なき人生の途上に立ち尽す兄と妹。時代の光と闇の中に、愛を求めて彷徨う青春の心の旅路を描く最新長編。

  • 言葉数の多い小説

  • 読了

  • 大好き

  • 昔読んだことのある本ですが、全く内容を覚えてませんでした。
    あらすじか、気になる一文か、何かは覚えていても良さそうなもんだけど・・・。
    今回上巻を読み返して、残り数十ページという所でピタッと読む手が止まりました。
    どうにも話に入り込めなくなってしまった。
    とにかく読まないと下巻に進めないので嫌々流し読みしました。

    このお話の主な登場人物は三人。
    お金持ちの叔父を亡くした兄妹と弁護士の男性。
    妹は叔父が遺した社交クラブの経営を引き継ぎ、25歳という若さでクラブの会長になります。
    兄は全てを妹に任せ、社交クラブの元会員だった女性と優雅な生活を送っている。
    そしてもう一人の男性は、若くして父親を亡くし、苦学の末に弁護士になったという男性です。
    妹と弁護士の男性は無人駅で出会う。
    そして男性と兄も別のルートで知り合う。
    三人は見えない糸で引き寄せられるようにその後再会して関係が深まっていく。

    この三人の中で主な登場人物は妹と弁護士の男性。
    25歳という若さで会長職に就き、悩みながらも役職を務めていこうとする女性と自力で全てを手に入れてきたたくましく優しい男性。
    どちらも魅力的だと思います。
    だからお互い惹かれあうのは自然なことだと思う。
    でも男性には妻も子供もいて、しかも妻は命にかかわるような病気をかかえている。
    そんな妻を男性は愛している。
    だけど、目の前に突然現れた魅力的な女性に惹かれてゆく。
    他の中年男ならとっくに一線を飛び越えているだろう。
    自分は何と臆病で流行らない男だろうと自嘲する男性。
    そういうものなのかね・・・。
    どっちつかずで悪人になりきれない男性の態度にイライラしました。
    この話は他の宮本輝さんの本と同じように、恋愛が中心の話ではないのでまだ読めますが、あーだこうだというこのやりとりが中心の話だったら下巻はとても読みきれないだろうと思います。
    それにしても、この話でここに焦点を当てる人はそういないような気がします。

  • 天降大任於 人、必先労其筋骨、苦其心志
    天は、大任を帯びた人間に対して、必ず先に、その筋骨への労と、その心や意思への苦しみを降らせる

    今年に入って、心を入れ替えて、晴れ晴れとした気持ちだったけど、いつになくハプニングが頻発。そんなとき、この言葉に救われた。

  • 面白い!

  • 宮本輝ワールド全開。あり得ない中国九龍での話の展開。下巻に続く。

  • もう、読むのは何度目でしょうか
    大好きな宮本輝さんの小説の中で
    数々の物語上の人物の中で一番好きな人
    手塚夏彦と高木澄子が出てくる小説

    読むたびに、かおりや夏彦に会いたくて仕方が無くなる
    ボウ・ザウナの生き様に涙が出そうになる
    出てくる人たち皆が愛おしい

  • 以前はとても好きな一冊だったのですが、東日本大震災後に読み返してみたところ、どこが良かったのかよくわからなくなりました。

  • 妻子ある戸倉に恋をする26歳のかおり。上巻では発展しない恋がどんな愛へ変化するのか。

  • 読了日不明

  • オススメされて読んだ本。すすめられなかったら一生手に取らなかったかと思うと、本との出会いも縁ですね。
    内容に関する感想じゃないけどふとそんなことを思ったよ。
    戸倉先生が素敵でした。

  • 070319

  • 宮本さんの描く人間は、みな人間くさく、懐がふかく多様で、リアリティがある。登場人物の絡め方もとても上手だなと思う。陸離とかおりの冒頭の接触と、その後の出会い方など「へーっ」と唸ってしまった。他作品と同様、心にのこる言葉にあふれているし、モスクラブの中の権力闘争の描写なども興味深く読める。単行本で読んだとき(二十年前!刊行)はどのような感想を抱いたかは忘却しているが、この小説好きな上位に入るなあ。下巻も楽しみ。

  • 面白い!「願望と決意」の違いにはハッとさせられました。

  •  母親に捨てられた兄妹が、それぞれの道を歩む話・・・といったら簡単すぎますね(笑)。
     兄は未亡人のヒモだったのですが香港で生死の境をいくような事件が起こり、以来、真面目に働くように。やがて、知り合いの弁護士にアフリカの砂漠に緑を植えるという事業に誘われ、アフリカへ旅立つことになります。
     一方妹は、亡くなった育ての父(伯父さん)が興した事業の跡を継ぎ、会長となる。就任したとたんに見える数々の陰謀。ひょんなことから知り合った弁護士にいろいろ相談していく内に恋する気持ちが芽生えてきます。ですが、相手は妻子持ち・・・。
     妹は過去に不倫を経験しているのですがそれを恥じることと思っています。なのに、また同じことをしようとしているのか・・・悩。

     物語の前半は会社のさまざまな陰謀にどう立ち向かっていくのかなど、展開がなかなか面白く読めます。好き嫌いの要素もあるのかもしれませんが、私は会社ものって案外好きかも知れない。

     また、不倫になりそうでならないじれったい展開もまた、ドキドキします。好きだけど、深い関係にはならないでおこう、でも好き・・・が気持ちの中で繰り返し、ぐるぐる廻るというの、はるか昔にこんな感情、覚えがあるなぁと思い、人ごとではなく読んでしまいました。

  • 最後のシーンがいいね。

  • 幼い頃、母に捨てられ、叔父に育てられた兄妹のお話です。

    叔父の死後、妹は25歳の若さで企業化したカルチャークラブの事業を会長として引き継ぎます。
    偶然の成り行きで知り合った、愛する家庭を持つ国際弁護士に支えられながらも、恋心を抱いたことによって辛さや切なさも味わい、人間としても一企業のトップとしても成長していきます。

    若い頃から年上の女性の上等なヒモとして生きてきた兄は、旅行先の香港で奇異な経験をし、彼もまた人間として成長を遂げます。

    もし私が25歳で企業のトップに立たされたら、と思いながら読みました。
    この本に出てくる兄に、私は比較的好感を抱いています。

  • 幼い頃父をなくし、母に捨てられた兄と妹、
    折に触れ海岸列車に乗って母が住んでいると聞かされた日本海側の小さな駅「鎧」に降り立つ。

    宮本輝さんの小説の中でこれも大好きです。

    去年の秋からの相変わらずな宮本輝三昧です(笑)。
    登場人物に語らせる痛烈な社会批判、教育批判等が的を得ていて共感できそれも魅力ですね!

  • 幼い頃、母に捨てられた兄と妹。海岸列車はお互いの想いをのせて走る。
    男と女では生き方が違うのですね。

  • 幼い頃に母が父以外の男性の元へ行き、その直後に父が亡くなったために叔父に引き取られた兄妹の自分探しについて書かれた作品。兄の方は人妻のツバメで、何人も乗り換えてきたのに、とある女性と香港に行った時から、自分の生活を見つめなおし、ついには仕事でアフリカへ向かう事が決まる。妹は叔父が亡くなった後、事業を継ぐが迷いに迷っていたが、最後にはやはりこの仕事をきちんと続けていく心構えが出来るというもの。人間、皆悩んでるのね、という作品。

  • モスクラブ

  • 新規購入ではなく、積読状態のもの。

  • 200512
    宮本作品の中では好きな方。戸倉先生が好みだ。

  • 最初は珍しく話に入り込みにくかったが、読み進めるにつれ、グングン引きこまれるところは、さすが。流石と書いて、さすが。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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