下流の宴 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167476403

感想・レビュー・書評

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  • -加奈の話は何か東京カレンダー読んでるみたいだった。面白かったけど。
    -由美子が翔を見てヒステリックになってるのにも関わらず、加奈を見てそれはそれで文句言ってるとこが笑えた。
    -医学部合格ってストーリーはさすがにグッドエンディングすぎるなーと思ったけど、助けてくれる周りの人たちは凄くいいなと思った。どんだけ頭が悪くても、冷静に返答してくれる先生とか、凄く心強くて好きだった。
    -結局親がどう望んで、どう育てても、全く同じ育てられ方をされた兄弟がバラッバラの性格になるのはもう明らかなわけで。自分の想い通りに育てられると思ってること自体がもう間違いだと思う。翔が珠緒のサクセスストーリーの後でも、最後まで奮起しないとこ見ると本当にそう思う。

  • 他人はもちろん親子でも、自分の価値観を押し付けては、ろくなことないな、と思った。あとはバブル世代と今とで幸せの感じ方にだいぶギャップがあることを改めて感じた?

  • 面白かった。由美子がそのまんまウチの母とそっくりだった。珠緒の母や由美子の夫の発言がしっくりきた。福原家の続きが気になる。

  • 人間観察力に優れた林真理子さんの持ち味が活かされた本です。
    ルンルンを買って‥からそこは本当に変わらないなと感じました。
    一昔前の皆が中流だと思っていた時代も様変わりして多様性の時代となりました。昭和どっぷりの私には違和感多く感じるこの頃ですが、
    今の林真理子さんはどんな本を書くのかなぁ〜
    立場上、本心なんて書けないだろうなぁなど全く関係ない想像までして読み終えました。

  • 林真理子さんらしく、心の裏側をリアルに描いたお話で、学歴信仰、エリート志向という親の志向とは逆に転げ落ちていく子どもたちのお話でした。誰の心にも眠っていそうな気持ちを言葉にすると、こんなにダークな黒い欲望になるんだな、と思わされました。そんな気持ちに向き合う機会にもなりましたが、救いのない話に閉塞感も感じ、、。
    自分は子どもとどう向き合うのか?理想を言って夢を見ていられるのは子どもが小さいうち?
    いやいや、やっぱり理想は持ち続けたい。ただそれは親の理想の人生を押し付けることではなく、子どもの生きる力を信じて、可能性も信じて、子どもの選ぶ人生を支えらる親でいたいと思いました。
    リアリティは日々、試行錯誤ですけれどね!

  • 面白かった!!

  • 面白かった。
    自分の母親が由美子と同じタイプだったので、私は可奈のような価値観で育ち、けれどある時から自分自身の性格とその価値観が折り合わなくなって、翔のような無気力な人間になってバイトを点々とし、さらに何年も経ったのちに悔しさから珠緒のように奮起して1からやり直し、そんな過去を振り返った現在、父親と同じような考えに至っていたから、とてもリアリティを感じた。
    登場人物それぞれが片寄った価値観を持っているけれど、それのどれもが本人の持って生まれた性格や環境や人間関係や時間が作り上げたもので。だからこそ、その個々の作り上げてきた価値観は、このお話の中でイヤな女として描かれてた由美子や可奈ですら、本当は大きな間違いがあったわけではないとは思うのだけど。ハッキリとした悪がなくても、いつか大きな間違いになってしまうことは、人生の中で往々にしてあるよねと。読後、大きく心が動くような感動があったわけではないけれど、じんわりしみじみ考えてしまうような本でした。

  • 「我らがパラダイス」読後、久々に手に取った林真理子さんの小説は期待どおりの内容でした。
    人それぞれに持つプライドについて、また、それを元にどう生きるか、考えさせる作品でした。

  • 福原家と宮城家の話が交互に章立てされていて読みやすかった。中流家庭と自覚している福原家の由美子が息子が高校中退したことをきっかけに家庭の崩壊の危機を感じている様子が描かれている。その息子の交際相手が宮城家となるがこちらも訳ありの家庭で…息子をもつ母親目線では息子の育て方が間違えたかと思い悩む姿は切実で同情するが子育ては思うようにいかないことが多いという前提でどこかで割り切らないといけないのかもしれない。成人した子供の幸せは見守ることしか出来ないのだ。

  • 読みやすかった。
    由美子のような子育てにならないようにと思っているが、自信なし。
    みんなのその後が気になるので、続編あるとよいと思った。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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