TVピープル (文春文庫 む 5-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167502027

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。表題作は、世にも奇妙な物語で映像化できそう。「加納クレタ」のお姉ちゃんがいい。過激だけど妹思い。妹の方は不条理としか言いようがない。「眠り」は、本人的に大丈夫でも、読んでいるこちらからすると全然大丈夫じゃない。問題ないように見えていたものが徐々に歪んで、ついには人知れず崩壊するような感じが不気味だった。

  • 『我らの時代のフォークロア』

  • どの話もかなり好きだった!
    ちょっとホラー要素のあるものが多くて、村上春樹の中では珍しいなと感じた。

  • あまり言及がないような気がするのだけれど、わたしは昔から「我らの時代のフォークロア」が結構好きで、久々に読んでみたら変わらずとても沁みた。やや直裁ではあるのだけれど、20歳前後の男女のすれ違い、若さの傲慢さが胸に刺さる。あと「眠り」は本当に傑作ですね。優しい夫と可愛い息子に囲まれて、なに不自由ない生活を送りながらも、次第に窒息していく女の描写の凄みよ。やはり女の作家より女がなまなましく、生きている。

  • 眠り読後の想像が膨らむ。眠った夢の中なのだろうか、それとも殺人犯の男たちなのだろうか。

  • 読んでいて不思議な感じがした。

  • こわい、の種類には「ホラー的な怖さ」「絶叫マシーン的な怖さ」の2種類かと思っていたが、そうか、「言いようのない気持ち悪い怖さ」もあるだなあ……ということに気付かされた短編集。寝る前に読んで、案の定後味が悪く眠りづらくなってしまった。笑 しかし、病みつきになる面白さ興味深さがある。

    そして、精神疾患について最近いろいろと調べている上で村上春樹作品を読むと、登場人物たちはあるいはみんな、なんらかの疾患を抱えているからこそこのようなことになるのでは……?と思ったりする。


    ところで、、
    人間に対する拷問の中で、最もひどいことのうちの1つに、「その人から眠りを奪う」と言うものがあるらしい。人は寝れない日々が続くと、最後には発狂して気絶してしまうらしい。これは別の所でも最近聞いた話で、まさにこのようなモチーフが使われた短編があった。アンテナがたっているからこそ、こうして情報や類似のことが集まってくるのか。この現象もまた興味深いな、と思う。

  • 小説というものは、結末を読むものではなく、経過を読むものなのだ、ということを教えられた短編集。

  • 「ゾンビ」と「眠り」に出てくる女性たちの心の動きにひたすら共感しました。もちろん全く同じ出来事ではないけれど、足の裏にじんわり汗をかいて冷たくなっていくあの感覚を、村上春樹さんはこうやって表現するんだと思いました。じっとりと思い起こさせられて背筋がヒンヤリしました。

  • どの話も起承転結って感じじゃないから難しかった
    自分なりの解釈で合っているか分からんけど、気づかされることがあった

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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