陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋
3.70
  • (178)
  • (205)
  • (396)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 2088
感想 : 131
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528096

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長編版もよかった。
    男の勝手な都合に振り回された徳子が可哀想だと思った。鬼になりたくないのにならざるをえないほど心が耐えられなかったんだろう。
    博雅は本当に優しい男だ。
    相撲の話もそこで繋がったかと合点がいった。

  • 「人は誰しも心に鬼を飼っている。人は鬼になりたいと願ってそうなるのではなく、鬼になるべくしてなるのだ。」という清明の言葉が印象的。確かに、人は追い詰められて、追い詰められて、どうしようもなくなったときに鬼になるという気がする。

  • 長編には長編の良さがあった。
    けれども個人的には短編の方が好きだな。

    徳子姫の哀しさがよく見えるのは長編。

  • なんとも哀しい、ただ哀しい。
    誰の心にも鬼が棲んでいて、鬼になってしまうのをどうすることもできない。せつなかった。
    晴明が言うように、博雅はよい男だ、と改めて感じた。

  • 晴明も良いけどやはりわたしは博雅がお気に入り。夢枕獏の言葉遣いも素晴らしく、しばし千年のタイムスリップを楽しめる

  • 陰陽師シリーズ初の長編。
    前作の鉄輪を膨らませたお話。
    生成りとは人が鬼になる途中の姿。
    理性ではどうしようも出来ない思いが人を鬼にする。
    あとがきで夢枕獏さんが書いているように、解説みたいに始まり、いつの間にか物語の中へ入り込んでいます。
    源博雅の初恋にも似た切ない恋の行方。

  • 文庫版ではシリーズ第5弾となります。今回はシリーズ初の長編です。

    博雅は、かつて彼の吹く笛の音を聞いて彼のもとにやってきてた姫と、十二年ぶりに再会することになります。彼女は、博雅に助けを求めますが、博雅には彼女の真意が理解できません。

    一方晴明は、藤原斉時と彼が懇意にしている女性に対して、何者かが呪詛をおこなっていることを知ります。やがてそれが、博雅の前に姿を見せた姫だったことが明らかになりますが、嫉妬のために鬼になろうとする姫を、博雅は止めることができません。

    博雅が姫に呼びかける最後の会話は、現代を舞台にした小説ではくどいと感じてしまうところを、時代がかったセリフまわしのためか歌舞伎のようなリズムが感じられて、けっしてくどいとは感じませんでした。謡曲の「鉄輪」をもとにしたストーリーとのことですが、どこかに通じるものがあるのかもしれません。

  • 短編の「鉄輪」がベースのお話し。
    全体的には面白かったけど、短編でざっとした流れを知っているから最初の方は流し読み。
    後半は引き込まれて読みました。
    長編は博雅と晴明のやり取りがじっくり楽しめるのもひとつの良さかなと。

  • 感想書くの忘れてた。シリーズいっぱいあるからね。

全131件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×