陰陽師 生成り姫 (文春文庫 ゆ 2-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528096

感想・レビュー・書評

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  • 再読。シリーズ5巻目。初の長編。

    いつもは持ち込まれた問題に二人が関わっていく形なんだけど、今回は当人である博雅の問題と繋がっていくという感じ。
    長編だけあって、事件に至るまでの細かい道筋がいつもより描かれていて、しみじみと物語を読み込んでいくことができました。
    人の想いはどうにもならないし、哀しいし、でもそれが愛しい。
    徳子姫の思えば苦しい、想えば切ないっていうのも痛いほど伝わってくる。
    この世界観や、人間の表現が陰陽師らしくて素晴らしい。

    陰陽師入門にもいいかもしれない。

  • どんどんオモシロく積み重なっていくこのシリーズ。好きだなぁ、軽くて。p.290の「人と、鬼とは、ふたつにわかつことができぬものだ。人あらばこその鬼で、鬼あらばこその人なのだよー」という安倍晴明の言葉は、陰陽師ゆえの達見なんだろうなぁ。

  • 本書は人の世の無常とだれの心に住むおどろおどろしい業が紡ぎだした哀しい物語。「生成り」とは辞書によると「能面の一。女の怨霊に用いる。角が生えかけた形で、般若(はんにや)になる以前のさまを表す」とある。源博雅が堀川橋のたもとで見初めた何処の人とも知れぬ姫。月日が経つにつれ姫の容色にも翳りが見え、そればかりか姫にふりかかった哀しき定めにより心に鬼を宿すまでになってしまう。読者はこの物語を読み終えてふり返ると、始めのほうで博雅が晴明に語った「そのお方が、老いてゆく御自分に対して、心に抱いている哀しみすらも、おれは愛しいのだよ」という一言にこの哀しい物語が暗示されていたのだと知ることになる。

  • 季節とか風景とかがとても風情があって好きです。いつも柱にもたれて源博雅と酒を酌み交わす晴明がすごくいいです。貴船神社に行きたくなりましたvv

  • 晴明、博雅、道満、蝉丸、そして今回のヒロイン、徳子姫、登場人物のそれぞれが持つ独特な存在感。今回もこの「陰陽師」の世界を堪能しました。

  • 2010.04.01 読書開始
    2010.04.11 読了

    会社の先輩からお借りしている、夢枕獏氏の陰陽師でございます
    こちらの巻は、朝日新聞の夕刊で連載していたとかで、これまでの巻と違い短編形式という感じではありませんでした
    お陰で、晴明と博雅の出番がたまになかったり…
    この二人のコンビが好きな私としては、少し残念な巻でもありました
    また、読んでいて何だか見覚えのある気がする話もちらほら…
    立ち読みした時に見た話なのか、それとも以前の巻に似たエピソードがあったのか…

    しかし、博雅も気の毒とは思いますが、徳子も気の毒ですね…

  • シリーズ初の長篇。
    映画になった話です。

  • 陰陽師シリーズは多分ずっと読むし読み返すと思うくらい好きなのです。
    「鉄輪」もすごく好きなお話。
    獏さんの書く鬼はキレイで恐くて切ないなぁ、と思います。

    とにかく、博雅が好きでしょうがないな、ということを再認識したお話。
    あと、晴明は博雅いなかったら「人」では無かったかもなぁ、なんて思うお話。
    お酒を酌み交わす相手がいるから「人」で留まっていそうだなぁ、て。

  • 私の中で一番グッとくる恋愛系小説だと認識しています。
    なんていうんだろう。
    恋愛ってかくあるべき!と思います。
    一時期の思い込みで人生を棒にするのって私好きじゃないんですよね。
    たとえ、19歳の恋愛でも実のあるものにしたいと思うし
    究極、キスとかも減るもんじゃないけど無駄遣いはしたくないんだ!
    昭和かよ!って思われるかもですが、一生をともにする人だけにすべてをささげたいと思うのだ!(わあ超恥ずかしい)
    だからさあ博雅の言う、たるんだ顎も愛おしいと思うのだよ!って
    なんていうんだろう。究極に泣けるんだよね!
    最高だ!!

  • 2008.3.7読了

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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