- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167586072
感想・レビュー・書評
-
ラストシーンが素晴らしい!美しくて哀しくて。日本の美学だわ。ベッキーさんがその権化なのかな。シリーズ3部作読了。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お化け博士井上円了のように、時代ならではの謎を解き明かして行くベッキーさん。
「謎解きはディナーの後で」がすきな人ははまるはず。舞台は昭和初期だが全く難しくはなく、何時の間にか当時にタイムスリップする。 -
「ベッキーさん」シリーズ最終巻。
十代の少女の一人称視点だからかもしれないが、北村さんの文章はどこか柔らかくて読みやすい。それは平易な文章という意味ではなく、誰にでも通じる丁寧で綺麗な表現がそう感じさせるのだと思う。
その一方、小説が終わった後のページにずらりと並ぶ膨大な参考文献で、北村さんの小説に対する真摯さがひしひしと伝わり、心地のよい文章の背景に隠れた綿密な作業が窺え圧倒された。
ミステリーとしても面白いし、昭和初期の文化や華族の生活の話も含め、そこで生き学ぶ少女の成長小説としても面白いし、北村さんの文章そのものも個人的には面白かった。
五・一五事件の年から始まり、二・二六事件の日で終わったシリーズ。ベッキーさんが最後に英子さんに言った言葉も含めて、考えさせられる点もある。 -
お嬢様の主人公、現代に生きる自分から見ても、かなり恵まれた羨ましい境遇。
けれど、時代は昭和初期。時代という大きな流れが彼女の行末を変えてしまう予感…。自分にも、深く考える力が欲しいと思う作品集でした。 -
直木賞受賞作、戦前の華族を中心としたその時代の雰囲気をよく描いてある作品。
-
これでシリーズ完結だなんて、残念です。
あと日本史をちゃんと勉強してない自分も残念です。
作品の中に流れる時間はゆるやかだけど止められなくて、英子さまも気付けば大人になっていて、何だか少し切なくなります。 -
ベッキーさんシリーズ完結。最後が釈然としない。単なる歴史のサイドストーリーになってしまった感がかる。もっと推理物的要素を色濃く出して欲しかった。
-
なるほどねー…。3部作がこういう形で締めくくられるのかー…。かなり緻密な構成と思ったけれども、逆にこの最後の一点が本シリーズの原点であったとのあとがきを読んで、それも腑に落ちた。
質の高いシリーズだ。